京都の伝統的な町並みや文化を、中国から来られたお客様におのようにご説明したらよいのか、実際に中国語で案内文を作ってみたいと思います。
先ずは、全体的なご紹介。
通りからの外観の説明です。木造の二階建て。入口が通りに面している。屋根の棟の向きが通りと並行(「平入り」という)。そして何よりの特徴が、間口が狭くて奥行きが長いこと。このような構造になったのは、一説に、商家に対し、幕府が間口の幅により租税を徴収したことから、商家の方でもそれに対抗してわざと奥行きのある家を作ったとか(真偽の程は不明)。一般に、通りに面して店を構え、住居はその奥に置き、これらが通り庭でつながっている。
ざっと、このように説明すればよいのではないでしょうか。
次に、外観を特徴づける物の紹介に入りましょう。
1.犬矢来
この軒下に置かれた竹や木の柵は目立ちます。これは軒下が通りを走る車が撥ねる泥や犬のおしっこで汚れるのを防ぐ柵で、通りに直接面して建てられた京町屋ならではの用具。昔は舗装されていない道路が多かったし、もっと埃っぽかったのでしょう。しかも、これは古くなったらこれごと捨てて新しいものに交換できるすぐれもの。
2.虫籠窓
写真の家屋の2階の窓が虫籠窓ですが、防犯の為に格子を嵌めた窓の装飾として、京町屋に一種独特の風格を持たせています。
3.鐘馗(しょうき)さん
鐘馗さんの置物が屋根に乗っている、というのも京都独特。上記の説明でも書きましたが、元々、鐘馗さんは中国の厄除けの神様であったものが、日本に伝わり、定着したもの。
5.バッタリ床几
バッタリ床几に商品を並べたり、夏の夕方は床几を倒して夕涼みをしたりと、古き良き時代の風情が感じられる調度です。