中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

西安南郊の古墳で何万体もの裸体の兵士俑が発見される

2010年01月31日 | 中国史
 また考古学上の発見があった。前漢時代の古墳から、何万体もの裸体の兵士の埴輪が出土したのである。このことを報じた新聞記事を、用語の解釈をつけながら読んでいきたい。

【タイトル】西安南郊大墓発現数以万計裸体戦俑
      2010年01月28日  来源:《重慶晚報》

[訳]西安南郊の古墳で何万体もの裸体の兵士俑が発見される

● 数以万計 shu3yi3wan4ji4 数が万にのぼると見積もられる /計:計算する。→通常、前に“按”、“以”などの介詞句を用い、後に目的語を伴う。
● 戦俑:兵士の埴輪

 当一排排赤身裸体的陶俑被発掘時,考古人員驚呆了,這些在漢景帝陽陵常見的大批裸体陶俑,竟然在西安南郊一大墓的陪葬坑出現,而且数量衆多,数不勝数。這儿,又埋藏着哪位王侯将相?

[訳]一列一列の裸体の陶俑が発掘された時、考古学者は驚いた。これら漢景帝の陽陵でよく見られる大量の裸体の陶俑が、意外にも西安南郊の古墳の陪葬坑で見つかり、しかもその数は数えきれないほど多かった。ここに埋葬されているのは、どの王侯、将軍、宰相であろうか。

● 排 pai2 [量詞]列
● 漢景帝陽陵:漢景帝・劉啓陵墓は、咸陽市秦都区張家湾の空港自動車専用道の西側にある。陵墓は東西166.5m、南北155.4m,高さ31.6m、升を伏せた形をしている。1990年5月、漢陵考古隊が陽陵南区で一組14列、全部で24個の俑坑の埋葬施設を発見した。現在までに第6、第8号の二つの坑が調査整理され、盗掘に遭っていたが、彩俑彩陶400余件、銅・鉄の兵器、農耕工具、装飾品、貨幣千余件を出土した。また、17号坑からは土木車数乗と車に従う一群の陶兵陶俑を発掘した。出土陶俑は全て裸体の男性で、髪の毛、髭、眉、眼が黒く塗られている他、全身がオレンジ系の赤色で彩色されていた。推測では、陽陵の陶俑の総数は数万体に達するとみられる。

※劉啓(B.C.188年-141年)は漢文帝・劉恒の子で、文帝、景帝は漢王朝創始期の繁栄時期の“文景之治”を行い、社会経済、文化の発展を推進した。B.C.126年、景帝の王皇后が病死し、また陽陵に葬られた。

● 坑 keng1 坑道。立て穴。
● 数不勝数 shu3bu4sheng4shu3 数えきれない

 随着一年多的考古発掘,考古人員終于掲開了謎団,該墓葬群就是西漢赫赫有名的大司馬衛将軍張安世的家族墓地。

[訳]一年余りの考古発掘で、考古学者は遂に一連の謎を明らかにした。この墓葬群は前漢時代のあの有名な大司馬衛将軍、張安世の家族の墓地であると。

● 掲開 jie1kai1 明らかにする
● 赫赫有名 he4he4you3ming2 名声が非常に高いことの形容。 /赫赫:目覚ましく盛大である様子。
● 大司馬:官名。《周礼》では、大司馬を夏の官吏の長とする。漢の武帝(劉徹)は元狩四年(前119)に太尉を罷め、初めて大司馬を置き、大将軍、驃騎将軍の号の前に加え、例えば大司馬大将軍・衛青、大司馬驃騎将軍・霍去病のように呼んだ。
● 衛将軍 漢代、文帝は代王から帝位を継いだ際、衛将軍を設け、信任していた宋昌を衛将軍に任じ、京城の各軍を統括させた。防衛部隊の統帥であり、二品の位であった。後に驃騎将軍、車騎将軍が将軍府を開設し、官属を設置、禁兵を掌握し、政務を執った。

■ 南郊驚現両座“甲”字大墓
[訳]西安南郊で二つの“甲”字型大墓が発見される

 2008年7月,陝西省考古研究院在考古勘探時,大型“甲”字墓的出現引起了考古専家的特別関注。而随着墓葬的発掘,一系列的驚喜更是扑面而来。

[訳]2008年7月、陝西省考古研究院が考古調査をした際、大型の“甲”字墓の出現は考古学者の関心を集めた。そして墓の発掘が進むにつれ、一連の驚きが顔をなでた。

● 勘探 kan1tan4 (地下資源などを)調査する。探査する。
● 驚喜 jing1xi3 驚きと喜び
● 扑面 pu1mian4 真正面から顔に当たる。[例]清風扑面:そよ風が顔をなでる

 昨日,在対外公布正在発掘的鳳栖原西漢家族墓地考古情况時,負責該墓葬群発掘的領隊省考古研究院副院長張仲立説,這一西漢墓地規模大、規格高,其中最引人注目的是墓園中部的大型“甲”字大墓,専家為其編号M8。M8大墓総長有60多米,而其中的墓室部分長35米,寛24.5米,距離地面有15米。考古専家説,只有王侯級別的人員才可能具有如此“甲”字大墓。

[訳]昨日、現在発掘中の鳳栖原西漢家族墓地の考古調査状況の対外発表時、この墓葬群の発掘隊の責任者である陝西省考古研究院副院長、張仲立が言うところでは、この前漢の墓地の規模は大きく、規格が高く、最も注目されるのは墓園中部の大型の“甲”字型大墓で、専門家はそれにM8という通し番号を付けた。M8大墓は総延長が60m余り、その中の墓室部分の長さは35m、幅24.5m、地面からの距離は15mである。考古学者の説明によれば、王侯クラスの人物のみがこのような“甲”字型大墓を作ることができた。

 而在墓室東、南、西三个壁面,均有“之”字状的台階,考古専家推測可能為修復時往上運土的道路。在M8的周囲則分布着6座大小不一的陪葬坑,最長的有38米,最短的有6米。而在距离M8不遠処,又現一座“甲”字大墓,但与M8相比,明顕小了很多,専家推測為墓主夫人墓。

[訳]墓室の東、南、西の三つの壁面には、全て“之”字型の階段があり、考古学者は建設時に上方へ土を運ぶ道路であった可能性があると推測する。M8の周囲には6基の大小異なる陪葬坑が分布し、その最も長いものは38m、最も短いものは6mである。そしてM8から余り遠くないところに、もう一基の“甲”字型大墓が見つかったが、これはM8と比べると、明らかにずっと小さく、専門家は墓主の夫人の墓であろうと推測する。

■ “駟馬一車”疑為皇帝所賜
[訳]“4頭立ての馬車”は皇帝から賜ったものではないか?
 ● 駟馬 si4ma3 4頭立ての馬

 昨日在考古現場,考古専家史全平向記者描述大墓内的発掘更譲人驚喜。
[訳]昨日発掘現場で、考古学者の史全平は記者に大墓内の発掘は更に人を驚かすものであったと述べた。

 在墓道中部的前箱,両千年過去了,色的木炭、周囲的粘網依然保存完好,而底部則舗設着整斉的方磚。“這里出土了実用的‘駟馬一車’両駕,極其珍貴。此外,還有很多冥車馬。”史全平説,“駟馬一車”是当時真的車馬陪葬,両千年后,馬匹只剰下白骨,車早已腐朽,幸運的是車馬遺跡十分完整,依然可以看出当年的華麗。“車的豪華装飾、漆皮、華蓋、青銅構件等物件,都具有帝王身份。”考古専家推測,該“駟馬一車”応該為皇帝御賜。

[訳]墓道中部の前室は、二千年が経過しているが、黒色の木炭、周囲の粘網は依然としてよく保存されており、底部にはきちんとした方形の磚が敷かれている。「ここで実際に用いられた“4頭立ての馬車”二輌が出土したのは、極めて珍しい。この他、たくさんの陪葬された車馬があった。」史全平の説明では、“4頭立ての馬車”は当時の本当の車馬を陪葬し、二千年後、馬は白骨だけが残り、車はとっくに朽ち果てていたが、幸いにも車馬の遺跡は完全にそのまま残っており、依然として当時の華麗さを見ることができる。「車の豪華な装飾、漆の破片、華蓋、青銅の部品等は、帝王の身分を示している。」考古学者は、この“4頭立ての馬車”は皇帝から下賜されたものにちがいないと推測している。
● 華蓋 hua2gai4 帝王の車につけた絹がさ

■ 陪葬坑驚現“千軍戦俑”

 在M8的周囲,考古専家先后発現6座大小不一的陪葬坑。掲開一座座陪葬坑,驚現“千軍戦俑”,有陶俑、木俑。正在発掘的k6号坑内,数以万計的陶俑雖倒在坑内,却個個精神抖擻,面部清晰,紅紅的嘴唇,濃的眉毛,還有着各種髪式,有的神情凝重,有的面容祥和。“雖然陶俑這麼多,却很難找到同様的臉。”史全平説。

[訳]M8の周囲で、考古学者は前後して6基の大きさの異なる陪葬坑を発見した。一基一基の陪葬坑を調べると、驚くべきことに“千軍の兵士俑”が現れ、その中には陶俑、木俑があった。現在発掘中のk6号坑内では、数万体あると見積もられる陶俑が坑内に横倒しになっているが、その一体一体は生き生きとして、顔は表情がはっきりして、真赤な唇、漆黒の眉毛、またいろいろな髪型をし、ある者は表情に威厳があり、ある者は温和な顔つきをしている。「陶俑はこんなにたくさんあるのに、同じ顔を捜すのは難しい」と史全平は語った。
● 抖擻 dou3sou3 (元気などを)奮い起こす。奮い立つ
● 凝重 ning2zhong4 荘重である。厳かで重々しい

“這些陶俑与漢陽陵的陶俑相似,大約60厘米高。”張仲立説,現在雖然看着陶俑都是赤身裸体,没有胳膊,但在胳膊処都留有孔,而在坑内専家們還発現了盔甲的残片,可見這些陶俑原先都穿有各種各様的衣服。而在坑内,出土了大量的兵器銅鏃、刀、箭等,還有十分少見的6金6銅的青銅鐘,還有做飯用的陶釜。

[訳]「これらの陶俑と漢陽陵の陶俑はよく似ており、大きさは約60cmの高さである。」張仲立の説明では、現在は陶俑は皆裸であり、腕が無いが、腕のところには穴が残っており、坑内で専門家は甲冑の残片を発見しており、これらの陶俑は元々は様々な衣服を着ていたものと思われる。坑内で、大量の銅の矢じり、刀、弓矢等が出土し、またたいへん珍しい6金6銅の青銅鐘が発見され、また炊事用の陶釜も出土している。
● 盔甲 kui1jia3 甲冑(かっちゅう)
● 青銅鐘 qing1tong2zhong1 青銅でできた釣鐘
● 陶釜 tao2fu3 古代の陶制の炊事器具。口と底が円形で、蓋ができるようになっていた。

■“長楽未央”瓦当現身祠堂

 此次墓園祠堂的発現也顕得十分珍貴。考古専家丁岩説,在祠堂還発現了“長楽未央”的瓦当,這種皇家才用的瓦当,可見墓主人尊貴的身份,可能為御賜之物。

[訳]今回の墓園の祠堂の発見はたいへん貴重である。考古学者、丁岩の説明では、祠堂で“長楽未央”の瓦当が発見されており、こうした皇室でのみ用いられる瓦当から、墓主は高貴な身分であると思われ、下賜されたものである可能性が高い。
● 祠堂 ci2tang2 一族の先祖を祭ってあるところ。祠堂(しどう)。
● 長楽未央:漢代の長楽古瓦上に“長楽未央”四文字が刻まれている。“長楽”の意味は: 国君は親和力により臣民を導き、国を永続させなければならない。前漢の宮殿は漢帝国の統治の中心として“長楽”を宮殿の名前にしていた。帝王自らも君と臣民の永久の親和を願いとしていた。“未央” は「尽きない」という意味。前漢の宮殿に“未央”と命名し、漢帝国の永続を願った。
● 瓦当 wa3dang1 瓦当(がとう)。軒瓦の先端の模様や文字が刻まれている部分

■ 有望掲開古代軍事秘密

 大小不等的6個陪葬坑,目前還有3座没有発掘,這3座内是否還存在着“千軍戦俑”?是否也站立在坑内接受人們的検閲?

[訳]大小異なる6基の陪葬坑は、これまで3基はまだ発掘されていないが、これら3基にも“千軍の兵士俑”が存在し、坑内に立って人々の観閲を受けるのだろうか。

 考古専家説,此次発掘中完整的軍旅用品極為罕見,在我国古代軍事史上具有劃時代的意義。専家対陶俑的修復和墓葬的進一歩発掘,是否能掲開古代軍事秘密,目前還不得而知。

[訳]考古学者の説明によれば、今回発掘された完全な軍隊用品は極めて珍しいもので、我国の古代軍事史のうえで画期的な意義を持つであろう。専門家の陶俑の修復と墓の今後の発掘により、古代の軍事的な秘密が明らかになるかどうかは、現在は知る由もない。
● 不得而知 bu4de2er2zhi1 知る由がない

■ 縁何認定大墓主人是張安世

“現在可以肯定地説,大墓的主人為西漢宣帝時的重臣,被封富平侯的大司馬衛将軍張安世。”張仲立説。

[訳]「現在確実に言えることは、墓の主人は前漢の宣帝の時の重臣で、富平侯に封じられた大司馬衛将軍、張安世であるということだ。」と張仲立は語った。

 墓室内没有墓志銘縁何認定為張安世之墓呢?考古専家丁岩告記者,在這個時期并没有墓志銘,通過多方資料均証実該墓葬為張安世之墓。

[訳]墓室内に墓志銘が無いのにどんな理由で張安世の墓だと認定するのか?考古学者の丁岩が記者に語ったところでは、この時期には墓志銘が無くても、各種の資料からこの墓が張安世のものだと実証できるとのことである。

 張仲立説,史書対張安世墓葬記載得十分詳細,安世賜茔杜東,将作穿復土,起塚祠堂。此次発掘地剛好与此験証。同時,在陪葬坑内発現了多枚軍的印章,上面刻有“衛将長史”、“軍侯之印”等,而更為重要的一枚特殊的大型銅印,上面僅刻着一个字“張”,蓋印章為4乗以7厘米,如此大的印章十分少見。另外,従墓葬的形制、規模及出土的文物分析,該墓葬応該属于“列侯”級別。従種種資料験証,為大司馬衛将軍張安世的家族墓。

[訳]張仲立の説明では、史書では張安世の墓の記載がたいへん詳細で、安世は墓の東の土地を賜り、土を盛り、祠堂を作ったとある。今回の発掘地は、ちょうどそれを証明した。同時に、陪葬坑で多くの軍の印章が発見され、その上に“衛将長史”、“軍侯之印”等と刻まれており、更に重要なのは一個の特殊な大型の銅印で、上には一文字“張”とだけ刻まれ、印章を押すと7cm四方になり、このような大きな印章はたいへん珍しい。この他、墓の形式、規模、出土文物から分析すると、この墓は“列侯”クラスに属する。種々の資料の検証から、大司馬衛将軍、張安世の一族の墓としたのである。

● 賜茔杜東:《漢書・張安世伝》注:“塚地也。 茔:形声。従土,熒(yíng)省声。本義:墓地

■ 張安世,何許人也

 据史書記載,張安世是西漢重臣。字子儒。杜陵(今陝西西安東南)人。張湯之子。性謹慎,以父蔭任為郎。漢武帝時,因其記憶力強,擢為尚書令,遷光禄大夫。漢昭帝即位,拜右将軍,以輔佐有功,封富平侯。昭帝死后,他与大将軍霍光謀立宣帝有功,拜為大司馬。

[訳]史書の記載によれば、張安世は前漢(西漢)の重臣である。字(あざな)は子儒。杜陵(今の陝西省・西安市東南)の人である。張湯之の子。性格は慎み深く、父のお陰をもって任官した。漢の武帝の時、記憶力が良いとの理由から、尚書令に抜擢され、その後、光禄大夫になった。漢の昭帝が即位すると、右将軍を拝命し、皇帝を輔佐し功績があったことから、富平侯に封じられた。昭帝の死後、彼と大将軍霍光が共謀して宣帝を擁立する功があったことから、大司馬を拝命した。

 張安世還是個為官廉潔之人。他曾挙薦一人為官,后来該人来向其道謝,張安世説自己是以為挙賢達能,乃是公事,豈能私謝,于是与之絶交。

[訳]張安世は官吏としては清廉潔白の人であった。彼は嘗て一人の人物を官吏に推挙したことがあったが、後にその人が彼にお礼を言いに来ると、張安世は自分は賢人や能力のある人を推薦しただけで、公事に私謝をする必要があろうか、と言い、それからその人とは関係を絶ったという。

*********************************

 1985年くらいに咸陽博物館を訪れたことがあるが、そこで展示してあった前漢時代の兵馬俑を見たことがある。正にここで書かれているように、等身大の秦の兵馬俑とは違い、高さ60cm程度の小ぶりなものであったが、やはりその数の多さには圧倒されるものがあった。
 今回、張安世という人物のことを初めて知った。前漢は、外戚の力が強かったりし、皇帝への権力の集中が後世のようには進んでいなかったので、このような功臣は大きな財力を持っていたのだろう。
 今後、研究が進んで新たな事実が発見される可能性が大きい。

同義語の使い方

2010年01月30日 | 中国語
 前回に続き、間違い易い語句の使い方を、例文の間違いから見ていく。種本は、張広信著 《字詞句語 病誤五百例》 1981年内蒙古人民出版社である。

(三)同義語の使い方  

 同義語の意味の違い、使い方の違いは、なかなか微妙で難しく、それゆえ辞書にもその比較説明が記されていたりする。間違い易い事例として、以下いくつかの例が紹介されている。

1、升入高中以后,我就下決心学好各門功課。考上大学――這是我的夢想

“夢想”というのは現実離れした妄想のことで、けなす意味合いを持つ(“貶義詞”という)。未来のことへの希望をいう場合は“理想”を使い、これはほめ言葉(“褒義詞”という)である。ここは、“夢想”を“理想”に変えなければならない。

2、霸権主義者貌似強大,実際上是很胆小的,在世界公正輿論面前,他們已経成了過街老鼠。

“胆小”はことを恐れる意味で、感情的な色合いはあまりない。ことに当たって恐れているが、見かけは強がってみせることは“怯懦qie4nuo4”といい、これは“貶義詞”であり、感情的な色合いが濃い。ここは、“胆小”を“怯懦”に変えなければならない。
● 貌似 mao4si4 ~らしく見える。うわべはよく似ている
● 過街老鼠 guo4jie1lao3shu3(通りを横切るネズミの意味から)皆に憎まれている悪人のたとえ。嫌われ者。鼻つまみ者

3、你応該明白,経常抄襲別人的作業,這様做的結果是相当厳重的。

“結果”は一般の事物の発展の最後の状態で、それ自身に良い悪いのニュアンスは無い。しかし、この文で言っているのは悪辣な行為であるので、貶義詞の“后果”や“悪果”を用いるのがふさわしい。ちなみにその反対に褒義詞は“成果”である。
● 抄襲 chao1xi2 剽窃(ひょうせつ)する。盗作する

4、隣居家的王奶奶已経七十多歳了,她年邁体弱,歩履艱難,可是五個儿子你推我,我推你的,誰也不扶養王奶奶,虧了王奶奶贍養他們的一片辛苦。

 本来の意味は、“扶養”fu2yang3 は夫婦間で生活の面倒を見ることであり、“贍養”shan4yang3 は子女が父母の生活の面倒を見ること、“撫養”fu3yang3 は父母が子女を養育することであるが、最近は“扶養”が幅広い意味で使われているようだ。この例では、“贍養”は明らかに使い方がおかしく、本来の意味では“撫養”だし、或いは“扶養”で統一すべきである。
● 年邁 nian2mai4 年をとる。高齢になる

5、因为上学期考试両門功课不及格,爸爸狠狠地批判了我一顿。

“批判”は語気が強く、誤った思想や行為を系統だって分析し論駁することで、ここでは適当でない。ここは、相手の誤りを指摘して注意したり意見を言うことなので、“批評”が適当である。
● 狠狠 hen3hen3 厳しく尚、“功课”は授業のことだが、教科を数える量詞は“門”である。

6、他雖然是班干部,但也不能欺圧同学。

“欺圧”は侮って圧迫するという意味で、語気がたいへん強く、戦いや国家間の争いの時などに用いられる。同級生をいじめる、というような使い方では、“欺負”qi1fu、“欺侮”qi1wu3 を用いる。

7、完成家庭作業,這是毎個同学的使命

“使命”は企業の事業の使命、人生の使命、といった、重要な任務について使われる。一方、例で言っているのは、もっと軽い、一般的な、「やるべきこと」を言っている。したがって、“任務”を使うのが適当である。

8、薛明同学長得很,走起路来,一摇一晃的,脚歩也顕得很重。

“肥”というのは、ふつう、肉類などの脂肪分が多いことを言い、人が太っていることを言う時には、“”を使う。

9、弟弟冒着大雨,臉色慌張地跑回家里説:“不好了!李奶奶家的屋里全是水,箱子都漂起来了!”

“臉色”は一般に顔に現れた色を指し、“他臉色蒼白,象閙了一場大病”(彼は青白い顔をしているが、大病をしたかのようだ)などという時に使う。驚愕、不安、憤怒、猜疑などの内心の動きが顔に現れることをいう時は、“神色”を使う。

10、這是一个美麗的小村庄。春天,燕子従南方飛来,和人們一起歓楽地歌唱。村外,各種花草繁華地生長起来,是那様的可愛。

“繁華”は都市や街がにぎやかで繁栄している様を表し、“上海是我国最繁華的大都市”という言い方をする。この場合は、草木が盛んに生い茂る様なので、“繁茂”を使わなければならない。

11、這座城市擁有悠久歴史。

“擁有”は、土地、人口、財産などを持つ、領有する、という意味である。“我国擁有九百六十万平方米的土地”などという時に用いる。対象は具体的な物である。これに対し、例のように抽象的なものの場合は、“具有”を用いなければならない。

12、校門外是一条寛敞的油漆馬路。

“油漆”はペンキのことであり、ここはアスファルトの舗装道路のことだから、“柏油”を使うのが正しい。尚、アスファルト、コールタールは正式には“瀝青”li4qing1 といい、“瀝青路”という言い方もある。

13、暑假我乗火車去奶奶家,沿路車窓外一望無際的田野上,社員們繁忙的景象浮現在我的眼前。

“浮現”というのは、過去に経験した情景が頭の中に現れることであり、“看着遺像,爺爺慈祥的面孔又浮現在我的眼前”という使い方をする。この場合は、実際の情景が眼の前に展開されることなので、“出現”や“展現”を使うべきである。

14、我覚得絵画、撮影藝術也応当百花斉放,不能光時髦,一窩蜂。弄得美人画、美人照充満報刊雑誌。

“充満”はいっぱいつまっている、敷き詰められている、という意味で、これ自身には、ほめたり、けなしたりする意味あいはなく、使用範囲も広く、“教室里充満了熱烈的気氛”のように使う。一方、例文は“時髦”、流行を追うだけではいけないと言い、「美女の絵や写真が新聞や雑誌に氾濫している」状況を批判的な口調で言っているのだから、“充満”ではなく、貶義詞の“充斥”chong1chi4 をつかうことで、「はびこる、氾濫する」、という意味合いが出てくる。
● 一窩蜂 yi1wo1feng1 一群のハチのように、群れをなす様。

15、小弟弟做完作業,問我:“哥哥,我長大了是考文,還是考理工呢?”他才上小学,就提出這様的問題,使我感到很忽然

“忽然”は副詞であり、突然、思いがけずに事が起こる、という意味である。しかし副詞は同じ副詞の“很”の修飾を受けることはできないし、動詞“感到”の賓語になることもできないので、ここに使うのは正しくない。“突然”であれば、副詞だけでなく形容詞として使えるので、ここで使うのにふさわしい。

16、上自習的鈴声響了,同学們都坐好了,王彬回過頭来問我:“呂強,目前你準備做物理作業嗎?”

“目前”は目下、現在の意味ではあるが、話をしている現在の状況のみを指し、その時間的な範囲は狭い。例では、物理の宿題をする準備をしているのだから、時間の範囲は少し前の過去にまで遡り、やや不自然な感じがする。“現在”であれば、話をしている時点の前後のある程度の時間をさすことができ、この場合に使うのにふさわしい。

17、開学初,同学們都準備好了上学所必須的文具。

“必須”は必ずそうしなければならない、という意味の副詞であり、通常は動詞の前に置いて状況語(副詞性修飾語、或いは連用修飾語)として用いる。ところが、例文は助詞“所”+動詞(形容詞)+“的”で名詞“文具”を修飾させる構文になっており、副詞“必須”を使うのは正しくない。ここは、形容詞(動詞)の“必需”、或いは“需要”を使うべきである。

18、我們不好好学習,怎麼対得起祖国和人民対我們青年一代的希望?

“希望”は自分に対しても他人に対して幅広く使うことができるものの、意味は幾分軽い感じがする。例文は組織全体から見た個人に対する期待、或いは年長者から見た後輩に対する期待、という意味合いであり、こうした場合、“期望”がよりふさわしい。ちなみに、“期望”は自分から他人に対する希望、期待にのみ用いることができ、自らに対しては用いることができない。

19、在這個向“四化”進軍的偉大時期,我們青年人応該珍惜時刻,発奮図強,刻苦学習,使自己成為有用的人才。

“時期”というのは、一般にある一定の長さの年月を指し、その年月は比較的短いことが多い。一方、歴史上のある時期の政治、経済、文化等の状況が他の時期と異なる場合に、その時期を称して“時代”といい、比較的長い年月を指すことが多い。例文では、この本が書かれた、中国が四つの現代化を進めていた当時の状況で、その前の文革時代と状況が明らかに異なり、かつ今後もそれが長い間続くという思いが込められていることから、“時代”を使うのがふさわしい。“時刻”は時間の中のある一点を指す。青年が時間を惜しまなければならない、大切にしなければならない、というのは、一般的な概念で、あらゆる時間がそうであり、ある限られた時間のみをいうのではないから、ここでは“時間”、或いは“時光”を使わなければならない。

20、生物課上,老師給我們解剖小兔,拉開小兔的肚皮以后,我一看到里面的腸子肚子就有点害怕,老師還想解剖它的脳袋,但怎麼也不開。

“拉開”、“肚皮”、“腸子肚子”、“脳袋”、“擘”bai1 は全て口語で使うことばだが、例文は“解剖”jie3pou1 という学術行為の話なので、使うべき用語は異なる。腹を開くのは、“拉開”ではなく、“切開”qie1kai1 でなければならない。腹は、“肚皮”ではなく“腹部”を使う。胃腸は“腸子肚子”ではなく“腸胃”である。ちなみに、胃腸薬は“腸胃薬”である。頭は“脳袋”ではなく“頭顱”tou2lu2 である。開くのは“擘”bai1 ではなく“”pou1 である。ちなみに、“擘”bai1 という動作は、物を両手で持ってふたつに割ることで、たとえば饅頭を両手でふたつに割る動作がこのことばの意味である。

 同義語の間違った使い方のお話は以上であるが、こういう内容も、自分で本を読みながら整理していくと、理解の再確認ができ、おもしろい。ただ、ことばの使い方は、時代とともに変わっていくので、20年前にはこうだったが、今は多少使い方が異なっているかもしれない。何かサンプルがあれば、教えていただきたい。

【原文】 張広信著 《字詞句語 病誤五百例》 1981年内蒙古人民出版社

《2009年GDP増長8.7% 中国経済“保八”成功》を読む

2010年01月25日 | 中国ニュース
 先週、中国の2009年度のGDP成長8.7%と、主要国で唯一の8%超の高成長を達成、2010年はいよいよGDPが日本を抜き、世界第2位になるというニュースが報道された。その元になったのが、中国国家統計局の発表である。今回はそれを報じる《人民日報》の記事の用語解説をしてみたい。

 2009年GDP増長8.7% 中国経済“保八”成功
 2010年01月21日 来源:人民網

 人民網北京1月21日電(記者 曹華)国家統計局今日挙行新聞発布会,発布2009年全年的系列国民経済数据。統計顕示,2009年全年国内生産総値(GDP)335353億元,按可比価格計算比上年8.7%,増速比上年回落0.9个百分点。中国経済増長“保八”成功。

● 新聞発布会 “記者招待会”ともいう。記者会見のこと。
● 可比価格:価格の変動要因を除いた価格のことで、計算にはふたつの方式があり、ある製品の過去のある年の単価を現在の総量にかけるやり方と、価格指数を決めて調整する方法が採られる。
● 中国経済増長“保八”:中国のGDP成長の“8%維持”。後で出てくる国際金融危機に対応する“一攬子計劃”を2008年末に中国政府が発表した際、その達成目標の第一に挙げられ、また続く2009年春の全人代での政府活動方針の中でも、温家宝首相が目標値として挙げ、中国の2009年の経済政策の公約になった。

 2009年是新世紀以来中国経済発展最為困難的一年,面対百年不遇的国際金融危机的厳重衝撃和極其複雑的国内外形勢,党中央、国務院審時度勢,科学決策,帯領全国人民万衆一心,共克時艱,堅持実行積極的財政政策和適度寛松的貨幣政策,全面実施并不断完善応対国際金融危机的一攬子計劃,較快扭転了経済増顕下滑的局面,実現了国民経済総体回升向好。

● 審時度勢 shen3shi2duo2shi4 時期を判断し情勢を推し量る。“度”は多音字で、この場合、“duo2”と発音し、“推測する”という意味になる。
● 決策 jue2ce4 [動詞]戦略や方針を決定する。
● 万衆一心 wan4zhong4yi1xin1 [成語]すべての人が心をひとつにする
● 時艱 shi2jian1 困難な時局。困難な局面。共克時艱:共に困難な局面を克服する
● 寛松 緩和する
● 一攬子計劃 一攬子:なにもかも区別せず、ごちゃまぜにすること。全てを一括する。
一攬子計劃は英語で言うと、Package Programになる。
 2008年の国際金融危機に対応するため、中国政府が打ち出した一連の経済政策で、その内容には、総額4兆元を2年間にわたり投資し、かつ減税等の実施による内需拡大をする等の四つの重点施策、マクロ経済施策、内需振興、三農問題対策などの七つの方面の対策、そしてGDPの8%成長維持、都市部での900万人の雇用創出、失業率4.6%以内実現、など14の経済目標指標を掲げた。これを“応対国際金融危机的一攬子計劃”という。

 初步測算,全年国内生産総値335353億元,按可比价格計算,比上年増長8.7%,増速比上年回落0.9个百分点。分季度看,一季度増長6.2%,二季度増長7.9%,三季度増長9.1%,四季度増長10.7%。分産業看,第一産業増加値35477億元,増長4.2%;第二産業増加値156958億元,増長9.5%;第三産業増加値142918億元,増長8.9%。

● 測算 ce4suan4 測量し計算する。推計する
● 増長、増速 増長:成長。増速:成長速度
● 回落 hui2luo4 水位や相場が一度上がったあと下がる、下向きになること。下押しになる。ここでは、GDP成長率が2008年の9.6%から0.9ポイント下がったことをいう。
● 季度 四半期

 ここで注目すべきは、GDP成長が年間で8.7%になった他、四半期ベースでみると、成長比率が次第に高くなっていき、第4四半期にはついに二桁成長にまで乗ったことである。また産業分野であ、第二次産業、すなわち製造業が成長を牽引していることがわかる。


農業生産継続穏生定発展,糧食実現連続六年増産

 全年糧食総産量達到53082万吨,比上年増長0.4%,連続6年増長。其中,夏糧産量12335万吨,増長2.2%;早稲3327万吨,増長5.3%;秋糧37420万吨,下降0.6%。油料産量預計増長5%左右,糖料下降9%左右。肉類産量保持穏定増長,全年猪牛羊禽肉産量7509万吨,増長5.0%。其中,猪肉産量4889万吨,増長5.8%。生猪出欄6.4億頭,増長5.7%;生猪存欄4.7億頭,増長1.5%。

● 糧食 食糧。穀物。食用にする穀物、豆類、イモ類の総称
● 夏糧 夏季に収穫する穀物。主に冬小麦を指す。一般に、万里の長城線以南で栽培される。
● 早稲 栽培時期が季節的に早く、かつ収穫も通常の晩稲より短時間で済み、主に中国南方で栽培されるインディカ種の米
● 秋糧 秋に収穫する穀物。
● 禽 鳥類。鶏、アヒル等。
● 出欄 羊やブタが成長し、して食肉にする重量に達することを“出欄”という。
● 存欄 飼育中の家畜で、まだ出荷する重量に達していないことを“存欄”という。

 農業は6年連続成長でも、成長率は0.4%とわずか。しかし、農作物別では、夏収穫の小麦や早生の稲の生産が伸びている。量的に一番多い秋収穫の作物が逆に若干減少している。これだけではそれ以上のことはわからないが、この要因分析は必要だろう。

工業生産逐季回升,実現利潤由大幅下降転為増長

 全年規模以上工業増加値比上年増長11.0%,増速比上年回落1.9个百分点。其中,一季度増長5.1%,二季度増長9.1%,三季度増長12.4%,四季度増長18.0%。分経済類型看,国有及国有控股企業増長6.9%;集体企業増長10.2%;股份制企業増長13.3%;外商及港澳台投資企業増長6.2%。分軽重工業看,重工業増長11.5%,軽工業増長9.7%。分行業看,39個大類行業全部実現同比増長。分地区看,東、中、西部地区分別増長9.7%、12.1%和15.5%。工業産銷銜接状况良好,全年規模以上工業企業産銷率達到97.67%。

● 規模以上 工業では年間販売額が200万元以上、商業では年間販売額が500万元以上を、“規模以上項目”という。但し、国有企業は全て“規模以上項目”に属する。
● 国有控股 国家が権限を移管し、一部の国有資産に対し、資産からの利益の受け取り、重大な政策決定、管理者の選挙の実施等、出資者の権利を行使する特殊企業法人のこと。
● 集体企業 集団所有制企業のことで、郷鎮企業もこのカテゴリーに属する
● 股份制企業 株式会社組織の企業であるが、中国の場合、登録資本金の最低額が500万元と定められている。
● 産銷 生産と販売。“産銷率”という指数があり、ある期間内の総生産量に対する販売額の割合である。
● 銜接 xian2jie1 つながる、連携する、かみ合う。“工業産銷銜接状况良好”は工業の生産量と販売量がうまくかみ合っている、ということ。

 工業生産でみると、第3四半期で二桁成長に乗せ、第4四半期には18%成長に達している。これは、内需拡大策で、家電や自動車の農村普及優遇等の政策を打った成果であろう。

 1-11月份,全国規模以上工業企業実現利潤25891億元,同比増長7.8%,比上年同期加快2.9個百分点。在39個工業大類中,30個行業利潤同比増長。

● 同比 tong2bi3 前年同月比

投資持続快速増長,渉及民生領域的投資増長明顕加快

 全年全社会固定資産投資224846億元,比上年増長30.1%,増速比上年加快4.6個百分点。其中,城鎮固定資産投資194139億元,増長30.5%,加快4.4個百分点;農村固定資産投資30707億元,増長27.5%,加快6.0個百分点。在城鎮投資中,第一産業投資増長49.9%,第二産業投資増長26.8%,第三産業投資増長33.0%。分地区看,東部地区投資増長23.9%,中部地区増長36.0%,西部地区増長35.0%。渉及民生領域的投資大幅増長。全年基礎設施(釦除電力)投資41913億元,増長44.3%。其中,鉄路運輸増長67.5%,道路運輸増長40.1%,城市公共交通業増長59.7%。居民服務和其他服務業増長61.8%,教育増長37.2%,衛生、社会保障和社会福利業増長58.5%。全年房地産開発投資36232億元,増長16.1%,4.8个百分点。

● 基礎設施 インフラ

 この部分は、中国政府が行った各種の向上投資の成果の部分である。特に、鉄道や都市の公共交通の伸びが著しい。

市場銷售増長平穏較快,部分産品銷售快速増長

 全年社会消費品零售総額125343億元,比上年増長15.5%;釦除価格因素,実際増長16.9%,実際速比上年同期加快2.1個百分点。其中,城市消費品零售額85133億元,増長15.5%;県及県以下消費品零售額40210億元,増長15.7%。分行業看,批発和零售業消費品零售額105413億元,増長15.6%;住宿和餐飲業消費品零售額17998億元,増長16.8%。在限額以上批発和零售貿易業商品零售中,除通訊器材類外,其他20類商品零售均実現較大幅度増長。其中,服装、鞋帽、針紡織品類増長18.8%,家具類増長35.5%,汽車類増長32.3%。

● 釦除価格因素 上記の“可比価格”と同様、物価指数等の変動要因を控除すること

居民消費価格和生産価格全年下降,年底出現上升

 全年居民消費価格比上年下降0.7%。其中,城市下降0.9%,農村下降0.3%。分類別看,八大類商品価格四漲四落:煙酒及用品上漲1.5%,医療保健和個人用品上漲1.2%,食品上漲0.7%,家庭設備用品及維修服務上漲0.2%;居住下降3.6%,交通和通信下降2.4%,衣着下降2.0%,娯楽教育文化用品及服務下降0.7%。居民消費価格11月份同比漲幅由負転正,当月上漲0.6%,12月份上漲1.9%。全年工業品出厂価格下降5.4%,12月份由負転正,当月上漲1.7%。全年原材料、燃料、動力購進価格下降7.9%;商品零售価格下降1.2%。

 物価は落ち着いているが、11月くから上昇に転じており、今後はインフレへの警戒が必要になるかもしれない。

進出口総額全年下降,自11月份由降転升

 全年進出口総額22073億美元,比上年下降13.9%。11月份進出口総額同比漲幅由負転正,当月増長9.8%,12月份増長32.7%。全年出口12017億美元,下降16.0%;進口10056億美元,下降11.2%。進出口相抵,貿易順差1961億美元,比上年減少994億美元。

● 相抵 xiang1di3 相殺する。差し引く
● 貿易順差 輸出超過。“順差”に対する反対語は、“逆差”である。

 2009年は海外貿易、特に輸出は欧米向けを中心に大きく落ち込んだが、その結果が出ている。しかし11月より増加に転じ、12月は32.7%増というのは、輸入が牽引しているのか輸出が牽引しているのかわからないが、注目点である。

城郷居民收入穏定増長,就業形勢好于預期
● 形勢 情勢
● 好于預期 予想より良い

 全年城鎮居民家庭人均総收入18858元。其中,城鎮居民人均可支配收入17175元,比上年长8.8%,釦除価格因素,実際増長9.8%。在城鎮居民家庭人均総收入中,工資性收入増長9.6%,経営浄收入増長5.2%,財産性收入増長11.6%,転移性收入増長14.9%。農村居民人均純收入5153元,比上年増長8.2%,釦除価格因素,実際増長8.5%。其中,工資性收入増長11.2%,第一産業生産経営收入増長2.2%,二、三産業生産経営收入増長10.0%,財産性收入増長12.9%,転移性收入増長23.1%。全年城鎮就業人員比上年浄増910万人。年末農村外出務工労動力1.49億人,比一季度末加170万人。

● 可支配收入 GDPが国内の生産総量であるのに対し、“可支配收入”、或いは“国民可支配收入”は国内の収入総量である。
● 財産性收入 銀行預金、有価証券等の動産、家屋、車両、収蔵品等の不動産を通じて得た収入のこと。家賃収入や使用料収入、銀行利息、株式売買益などが含まれる。
● 転移性收入 退職金、失業救済金、保険賠償金、住宅積立金、財産の売却収入など。
● 農村外出務工労動力 農村の出稼ぎ労働の労働力。いわゆる民工の労働力である。

 ここで、政府の公約の雇用創出が、目標を達成したことを言っている。給与収入も二桁の伸びで、これは内需振興で企業の稼働が上がり、業績が好転した成果であろう。


貨幣供応量増長較快,新増貸款大幅増加

 12月末,広義貨幣(M2)余額60.6万億元,比上年末増長27.7%,増幅同比加快9.9個百分点;狭義貨幣(M1)22.0万億元,増長32.4%,加快23.3個百分点;市場貨幣流通量(M0)38246億元,増長11.8%,回落0.9个百分点。金融機構各項貸款余額40.0万億元,比年初増加9.6万億元,同比多増4.7万億元。当前世界経済復蘇的基礎還比較脆弱,国内経済運行中還存在一些不確定因素。面対困難和机遇并存的複雑形勢,我們要堅定不移地貫徹中央経済工作会議的各項部署,深入貫徹落実科学発展観,保持宏観経済政策的連続性和穏定性,着力提高政策的針対性和霊活性,進一歩提高経済増長的質量和効益,加快推動経済発展方式転変和経済結構調整,積極推進改革開放和自主創新,注重改善民生和保持社会和諧穏定,加強統筹国内国外両個大局,努力実現国民経済平穏較快発展。

● 広義貨幣 英語でBroad moneyという経済学の概念。狭義貨幣(M1)は、流通している貨幣+当座預金。広義貨幣(M2)はM1+銀行預金。一般にM1が実際の購買力を反映し、M2は現実の購買力とともに潜在的な購買力を反映しているといわれる。M1が成長している時は消費市場が活発で、M2が成長する時は投資が活発になっているといわれ、中央銀行の通貨政策の目安として使われている。
● 余額 残高
● 机遇 ji1yu4 チャンス
● 宏観経済 マクロ経済
● 和諧 he2xie2 調和がとれている
● 統筹 tong3chou2 統一して計画按配する


 以前から、中国の統計発表については、用語の解説がないとわかりづらいと思っていた。今回、試みとして、記事に用語解説を添付してみた。ご一読いただき、お役にたてば幸いである。また、ご意見もお聞かせいただきたい。

間違い易い語句の使い方について<実詞、虚詞篇>

2010年01月24日 | 中国語
 中国語の認定試験の問題の中に、文章の間違いを見つけて訂正する問題がある。こういうものを時々やってみるのも、文法上で間違い易い語句の使い方を理解し、より正しい中国語を話したり書いたりする上で役に立つ。今手許に《字詞句語病誤五百例》張広信著、1981年内蒙古人民出版社刊という本がある。これは、中学生の文法学習教材として書かれたもので、用例は時代がかっているものもあり申し訳ないが、外国人学習者も間違い易い事例が解説されており、この内容を紹介したいと思う。今回は、名詞や動詞等の実詞と、副詞、接続詞等の虚詞の使い方についての部分である。

(一)実詞の使い方の間違い
● 実詞 単独で文の主要成分になることができる、比較的具体的な概念を表す単語。通常、名詞、動詞、形容詞、数詞、量詞、代詞の6品詞をいう(⇔虚詞)

 中国語は構造上、名詞、動詞等の区分が難しく、また往々にして名詞にも動詞にもなる語句が多いことから、名詞を動詞のつもりで使ってしまうという過ちを犯しやすい。以下はその例である。

1、韋婷同学出身于一个鉄路工人家庭。
“出身”は名詞であり、名詞は一般に補語を伴うことができないが、文中の“出身”は介詞構造で構成される補語“于一个鉄路工人家庭”を伴っている。“出身”を動詞“出生”に変えることで、補語を伴うことができる。或いは、“出身”を“鉄路工人家庭”の後ろにつけて、“韋婷同学是一个鉄路工人家庭出身”と繋詞“是”を用いた体言述語文にしてしまうかである。

2、今年九月二十五日,是我国偉大的革命家、思想家、文学家魯迅(一八八一-一九三六)誕辰一百周年。
“誕辰”は“生日”の文語で、名詞である。名詞“誕辰”は補語“一百周年”を伴うことができない。“誕辰”を補語“一百周年”を伴うことのできる動詞“誕生”に変える必要がある。

3、媽媽説:“你姥爺旧社会成年累月在井下挖煤,衣服破得不能再補了,褲子膝盖上補了両塊破胶皮,現在你們已経穿得很好了,不要忘記過去。”這些話,多少年来一直烙印在我的心里。
“烙印”は名詞で、赤く熱した鉄のこてで焼きつけた印のことである。ここでは、“在我的心里”という補語を伴い、“刻みつける”という意味の動詞であるべきで、“記”、或いは“銘記”に変えるべきである。

4、粉砕“四人幇”以后,年近花甲的田老師心情無比舒暢,越老越青春了。
“青春”は名詞であり、副詞“越”の修飾をすることができない。越+形容詞で、益々若い、という意味であるので、“年軽”に変えるべきである。
● 花甲 hua1jia3 還暦。満60歳

5、対那些青少年的知識性、故事性読物,他很興趣
“興趣”は名詞であり、名詞は一般に副詞の修飾を受けることができない。副詞“很”は動詞、もしくは形容詞しか修飾できない。したがって、“興趣”は動詞“喜愛”に変えるか、“興趣”の前に動詞“有”を付け、“有興趣”という動詞句にする必要がある。

6、社会是充満矛盾的,旧的問題解决了,新的問題又会出現,但是不管怎様,我决不会演変自己的志向。
“演変”は自動詞のため、賓語(目的語)の“志向”を伴うことができない。そこで、“演変”を他動詞“改変”に変える必要がある。

7、社会主義的江山是無数革命先烈用流血換来的。
“用……換……”の連動構造の構文になっている。前半の動詞“用”の後ろに来る語句は、後半の動詞“換”の動作の手掛かりとなるもので、用+名詞、或いは名詞句でなければならない。ところが、“流血”は動賓構造の動詞句であるので、“用”の後ろにつなげることができない。ここは、例えば名詞句“鮮血”に変えるべきである。
● 江山 jiang1shan1 山河。国家や国家の支配権を指す

8、我們青少年都是積極要求進歩,但是社会上総有一些不三不四的人在我們面前設置種種阻碍
“阻碍”は一般に他動詞として使われ、後ろに名詞を賓語として伴う。一方、“設置”は動詞で、名詞を賓語として伴う。したがって“阻碍”を名詞“障碍”に変えるべきである。“阻碍”は名詞としても使われるが、修飾語を伴うことが多く、ここでの「障害」そのものの意味では使えない。

9、最使我可愛的是家郷田野里的小路,我和妹妹塔娜跑過的地方,草地上留下了一道凝碧的波痕。
“可愛”は形容詞であり、ここは使役構文、“使我+動詞”で動詞が来なければならない。したがって、形容詞“可愛”を、動詞、例えば“喜愛”に変えなければならない。或いは、“使我”を削除することで、“最可愛的”という名詞句を主語とし、“是”以下を述語とする体言述語となる。

10、清代銭鶴灘有一首《明日歌》:“明日復明日,明日何其多!我生待明日,万事成蹉跎。世人若被明日累,春去秋来老将至。朝看東流水,暮看日西墜。百年明日能几何?請君聴我《明日歌》。”這首詩歌説的是,不論学習還是工作都不要拖拉,要珍貴“現在”這個宝貴時間。
“珍貴”は形容詞であり、一般に形容詞は賓語を伴うことができない。しかし、この文では、“珍貴”は述語になっていて、賓語“時間”を伴っている。したがって、“珍貴”を動詞“珍惜”に変えなければならない。

11、我們姐妹三人中数我小,個姐姐都上班了,我才上初二。
現代漢語で数詞“二”と量詞との結合は比較的特殊な場合で度量単位を表す量詞、“升、斗、斤、両、尺、寸、畝、顷qing3”等との結合に限定され、例えば“二升”、“二両”、“二畝”とは言うが、度量を表さない量詞とは結合せず、“二口猪”、“二張嘴”、“二盆花”、“二床被”とは言わない。“二個姐姐”という言い方は言語習慣に合わない。これらは一般に“両”が使われ、“両口猪”、“両張嘴”、“両盆花”、“両床被”という。ここも、“両個姐姐”に変えるべきである。

12、我家搬入了新居,住在紅星路両号楼単元五号。
上記で、数詞“二”は一般に度量単位を表さない量詞とは結びつかず、“両”を用いなければならないと書いたが、序数詞として用い、量詞と結合する場合は、“二”しか用いることができず、“両”は使えない。例えば、“第二斤”、“第二尺”、“第二畝”、“第二盆花”、“第二床被”と言うことはできるが、“第両斤”、“第両尺”とは言えない。ここでは、“両号楼”、“両単元”は“二号楼”、“二単元”に変えなければならない。

13、在十天緊張的労働中,我們平整了一个長二十多,寛五、六的大場院,還移筑了一条通往場院的一百多公尺的土路。
ここで、“米”、“公尺”は同じメートル法の単位だが、“丈”は市制、或いは市用制の単位で、ふたつの度量衡単位の併用はおかしい。どちらかに統一して使わねばならず、ここは、“丈”をメートルに換算し、“米”に変更しなければならない。

14、為了在挽会上写謎語用,李老師譲我和玉剛上街去買十張彩色紙張
“紙張”は不確定の複数の紙を表すが、この文では既に前で“十張”と枚数を特定しており、ここでは“紙張”は使えない。“張”を消して“紙”に変えるべきである。

(二)虚詞の使い方の間違い
● 虚詞 機能語。文法上の働きをするだけで、単独では文成分にならない単語。副詞、介詞、接続詞、助詞、感嘆詞、擬声語をいう。(⇔実詞)

 これについても、私たち日本人は、なまじ漢字を常用しているので、漢字の意味からの使い方の間違いを犯しやすい。

1、“甚矣,汝之不惠!”把它翻訳成白話文就是:“呀,你不聡明!”
中国語古文で“甚”は“很”、“太”の意味である。“很”、“太”は副詞で、現代漢語では単独では使用できず、動詞、形容詞、否定を表す副詞の前に前に置く。この古文を翻訳する時も元々の語句の語順を変え、“你不太聡明了!”と訳すべきである。

2、王老師為了培養下一代,総是辛勤工作着。
助詞“的”は通常、定語(限定語)の後ろについて、限定語が後ろの名詞の修飾成分、或いは限定成分になるのを助ける働きをする、つまり連体修飾語を構成する。したがって通常後ろに名詞を伴う。一方、前の語句の後ろについて、後ろの動詞、形容詞の状語(状況語)となり、連用修飾語を構成する働きをする助詞は“地”である。この例では、動詞“工作”の前で連用修飾語を構成する働きをとるので、“的”は“地”に改めなければならない。ちなみに、“辛勤的園丁”であれば、連体修飾語を構成しているので“的”で正しい。

3、奶奶最会説笑話,一説起那“新姑爺学話”来,就逗人們笑前仰后合。
この例で、“笑”という動詞は“人們”の述語であり、“地”の後ろの“前仰后合”は“笑”の程度を表す補語である。したがって、この場合は助詞“地”は使うことができない。動詞や形容詞の後ろについて、後ろの形容詞、その他の補語と結びつける働きをする助詞は“得”であり、ここは“得”に改めなければならない。
● 前仰后合 qian2yang3hou4he2 体が前へのめったり後ろへのけぞったりすること。笑い転げることの形容。“前俯后仰qian2fu3hou4yang3”ともいう。

4、那挺拔塔松象威厳的衛士一様,整斉地站立在路的両旁。
助詞“得”は、上で書いたように、動詞や形容詞の後ろに付き、前の動詞や形容詞の程度を“得”の後ろの形容詞、その他の補語で補充説明する作用をする。ところが、この例では、形容詞“挺拔”を定語(限定語)として後ろの名詞“塔松”と結びつける必要があり、“得”は使えず、“的”に変えなければならない。

5、我心象大海的海涛,久久不能平静。
“底”は嘗ては従属関係を表す助詞として用いられていたが、現在は“的”を使わなければならない。したがって、“底”を“的”に変えなければならない。

6、我土生土長在這茫茫的草原上,這里的一草一木我都是很熟悉的。
介詞“対”は動作の対象を表す。この例で、“熟悉”の対象は“我”ではないので、この位置で“対”は使えない。削除しなければならない。“熟悉”の対象は“這里的一草一木”であるので、“這”の前に“対”を置いてもよいし、なくても構わない。
● 土生土長 tu3sheng1tu3zhang3 その地で生まれその地で育った

7、這個二元一次方程,我已経解過几次了。
介詞“対”は、あまり使うと文章がくどい感じになるので、使わないで済む場合は使わない方がよい。この例では、“這個二元一次方程”は“解”の動作の対象、目的語であるが、“対”が無くても文章は成り立つ。よって“対”は削除した方がよい。

8、老師説,上文科班上理科班,可以自己選択。
連詞(接続詞)“和”は文章の接続するふたつの部分が、通常は併存する場合に用いる。ところがこの例では、接続するふたつの部分、“上文科班”と“上理科班”は選択内容であるので、選択を表す連詞の“或”、“或者”に変えるべきである。

9、包頭呼和浩特集寧大同張家口北京在一条鉄路線上。
“和、与、同、跟”は連詞(接続詞)としても介詞としても使うことができるが、混ぜて使うと文章に誤解を生じたりするため、使い方にある程度のルールが設けられている。一般に“和”、“与”は連詞として用いられ、うち“与”は書面、特に表題などで用いられる。“同”は介詞として用いられる。“跟”は使われるケースが比較的少なく、主に口語で用いられる。語句中で3つ以上のことばの接続がある場合、一般に“和”は最後のふたつのことばの間に用い、それより前のことばは読点(、)で区切る。上記の例は、“包頭、呼和浩特、集寧、大同、張家口和北京在一条鉄路線上”と直すべきである。

10、九月一日,我們開学了。
時間、場所、方位を表す介詞“在”の使い方の問題である。複文の従節、主述文の句首の状況語には、一般に“在”は使わない。例えば、“家里有五口人。”で“家里”の前に“在”を付けるのは、文法的には間違いではないだろうが、くどい感じになり、一般には使わない。例の冒頭の“在”も同様で、削除すべきである。

11、魯迅先生的妙筆阿Q這一典型人物躍然紙上。
介詞“把”は名詞と組み合わさり、後ろの動詞の前に置かれる。“把”の後ろの名詞は、たいていが後ろの動詞の賓語である。“把”と名詞を組み合わせる場合、通常その後ろに形容詞や自動詞を置くことはできない。例えば“把茶杯打了”と言えるが、“把茶杯壊了”とは言えない。“把它消滅了”とは言えるが、“把它滅亡了”とは言えない。例文で、“躍然紙上”は形容詞句であり、“阿Q這一典型人物”のことを述べている。したがって、ここで“把”を動詞“使”に変え、全体を兼語式の文にするか、或いは“把”を使うのであれば、後ろの“躍然紙上”を動詞句“写活了”に変えなければならない。
● 躍然紙上 yue4ran2zhi3shang4 紙上で生き生きと描写されていること。躍然:ありありと。生き生きと。

12、我房頂上下来,看到房檐下有个鳥窩。
介詞“在”は動作の発生した時間や場所を表すが、動作の起点や開始時間といった意味は持っていない。こういう意味を持つ介詞は“従”である。したがって、例文の“在”を“従”に変えなければならない。

13、張明徳同学為了響応党中央的号召,為了祖国実現四個現代化而勤奮学習,一年来取得了優秀成績。
“為了”は原因、目的を示す介詞であるが、“響応党中央的号召”は“勤奮学習”の原因や目的ではなく、独立した行為であるので、ひとつ目の“為了”は削除しなければならない。

14、我愛花卉,而且愛那撒満草原的山丹丹花,因為它是純潔、美好、淳朴、自然的象征。它既不想嬌柔造作地与別人争芳斗艶,也不願自暴自棄地不給人們放出光華。
“而且”は前で述べたことに更にもうひとつ付け加えることを表す接続詞で、それゆえ“不但”や“不僅”と呼応して用いられるのだが、ここでは、「花が好き」で、その中でも「山百合の花が好き」と、好きな花を比較して、特に突出していると言っているので、接続詞には“尤其”を用いなければならない。

15、不管你説得多好聴,但是在行動上不厳格要求自己,那麼還是入不了団。
接続詞“但是”は逆接を表すが、“在行動上不厳格要求自己”の意味は仮定を言っているので、接続詞には“如果”を使わなければならない。

16、張磊不但毛筆字写得好,即使画画在全校也是数第一的。
接続詞“即使”は仮定、譲歩を表すが、ここでは“不但”と呼応し、“毛筆字写得好”に更に付け加えて“画画在全校也是数第一的”と言っているので、接続詞は“而且”を用いなければならない。

17、臨摹書画応当有一個持之以恒的精神,一遍不行,就臨摹両遍,而遍不行,就臨摹三遍,以致上百遍,総可以摹仿得很象。
接続詞“以致”は最後にはこういう結果になるという意味で、前の文で述べてきた状況がもたらした結果を述べるものである。ところが例文では、“臨摹書画”(書画を模写する)という行為を根気よく続け、その結果が百回にまで至る、と言っている。このように、小から大に至るというような場合は、接続詞“以至”を用いなければならない。
● 持之以恒 chi2zhi1yi3heng2 根気よく続ける、あくまでもやり通す

18、林彪、“四人幇”反党叛国,倒行逆施,以至落得个身敗名裂的可耻下場。
接続詞“以至”は動作がある状態、程度になる、ということを表すだけでなく、上の文で述べた状況により生じた結果を表す意味もあり、この点では接続詞“以致”と同じ意味あいを持つが、その結果が好ましくない、或いは希望していなかった結果を生じた場合は、“以致”を用いなければならない。この例は、正によくない結果がもたらされたので、“以致”に変えなければならない。
● 倒行逆施 dao4xing2ni4shi1 正義にもとる。時流に逆行する
● 身敗名裂 shen1bai4ming2lie4 地位を損ない名誉を傷つける。地位も名誉も失う

19、陸永年見義勇為、智擒盗賊的行為,受同学們的賛揚。
“頗”は“很、甚”の意味であるが、「少し」「やや」というニュアンスがあり、手放しで称賛するという意味ではない。ここでは、陸永年の行為が皆の賞賛を受けているのだから、もっと意味の強い“很”を使うべきである。
● 見義勇為 jian4yi4yong3wei2 正義にかなったことをするのに勇敢である。義を見て勇敢にこれをなす

20、五月四日青年節,我校団委組織了一次十分有意義的活動――野游,参加的団員恐怕不只一百人。
“不只”は接続詞で、“而且”や“并且”と呼応し、前で述べた事柄の他に、更に一層の事柄を後ろの文で述べる働きをする。ところが、例文は活動に参加する団員の人数が百人を超えるだろう、と言うのであり、接続詞ではなく、一定の数量、範囲を超えることを表す動詞の“不止”を使わなければならない。

21、人們在生理上是有差異的,人脳作為一種器官,是有差別的。従重量上説,正常成年人的脳重平均在一千四百克左右。有的人重一些,可達二千克以上,有的人軽一些,只有一千克左右。
“人們在生理上是有差異的”と“人脳作為一種器官……是有差別的”のふたつの文は並列関係にあり、話題の転換はみられない。“則”は対比や転換を表す接続詞で、ここで用いるのは不適切である。ここは“也”を用いなければならない。“也”は、副詞だが、接続詞的に用いられ、「同様に」という意味がある。一方、後半の“有的人重一些,可達二千克以上”と“有的人……軽一些,只有一千克左右”の間には話題の転換が見られ、ここには“也”ではなく“則”を用いなければならない。 

22、我們只看到最后的成功的結果,而那些逐步被抛棄了的中間階段則従不為我們所知,這是很可惜的,然而其中蘊藏着許多経験和教訓。
“我們只看到最后的成功的結果……這是很可惜的”と“……其中蘊藏着許多経験和教訓”のふたつの文の間は因果関係にあり、前の文の結果に対し、後ろの文は原因が書かれている。したがって、“然而”は“因為”に変えなければならない。
● 蘊藏 yun4cang2 埋蔵する。~を潜ませている

【原文】張広信《字詞句語病誤五百例》1981年内蒙古人民出版社

 以上、長々と引用したが、このように語句の使い方を文法的に見ていくことは、語学力アップのために必要である。皆さんの学習の一助になれば幸いである。

数字を含む成語の特徴

2010年01月17日 | 中国語成語
 中国語の成語には、数字を使ったものが数多くある。前回、成語の対句構造について紹介した際、数量詞の形で成語になっている例は少ないが、数詞は非常に多いと書いた。今回は、その数詞を使った成語の特徴について、紹介してみたい。
内容は、意味からの分類。文法構造。修辞方式の三つである。
尚、下記内容は、中国語WEBサイトの百度知道の数字成語から採らせていただいた。
(http://zhidao.baidu.com/question/82742228.html)

(一)意味からの分類
1. 大多数の成語の中で使われている数字は、本来の数の意味を表さなくなっているが、成語の中では、その数自体が重要な意味を持つものがある。このケースでは、故事に出典があるものが多い。
例:一字之師、二竪為虐、三綱五常、三足鼎立、三元及第、三従四徳、三皇五帝、
三姑六婆、四時八節、四大皆空、四体不勤、五谷不分、五体投地、六神無主、七竅生煙、七擒七縦、八仙過海、九鼎大呂、十悪不赦

● 一字之師 yi1zi4zhi1shi1 詩作で用いる。添削して一文字を直してくれた先生の意味。良い詩はそれを聞いてくれた人の意見で一文字直すことで、もっとすばらしくなることから、そうしてくれた人を“一字師”或いは“一字之師”という。
[出典]《唐詩紀事》:唐代の僧、斉己は詩作が好きで、自分の作った詩を鄭谷に見てもらった。《早梅》という題で、「前村深雪里,昨夜数枝開」と詠んだが、鄭谷は「昨夜数枝開」では時期が早いと言えないとし、‘数’を‘一’に換えた方がよいとした。斉己はこれを聞きたいへん喜んだ。文人たちがそのことを知り、鄭谷は斉己の“一字之師”だと言ったという。
● 二竪為虐 er4shu4wei2nve4 病が身にまとわりつくこと。竪:童、子供のこと。二竪で病魔を指す。虐:侵す
[出典]左丘明《左伝・成公十年》:春秋時代、晋の景公が重病となり、秦国に緩という名の医術のたいへん優れた医者がいると聞き、人をやって来てもらうことにした。緩がまだ到着しない時に、景公はふと夢を見た。夢で二人の童子が彼の傍でこっそりと話をしていた。ひとりが言った。「あの医者がもうすぐやって来る。医術がたいへんすぐれているそうで、私たちは今回は逃げられないのではないかと思う。どこに行って隠れようか。」もうひとりが言った。「心配することはない。私たちは盲の上、膏の下に隠れれば、彼の医術がどんなにすぐれていても、私たちをどうすることもできない。」しばらくして緩が到着し、すぐに宮中に入り、景公の診察をした。緩は景公に言った。「この病はもう治療することができません。病は盲の上、膏の下にあり、灸でも、針でも、薬でも治すことができません。この病は私ではどうしようもありません。」晋の景公はそれを聞いてたいへん驚いた。自分が夢で見たふたりの童子の話を果たして緩は検証したのだ。「あなたの医術は本当に優れている。」そういうと、緩に厚く礼を与え、秦に送り帰した。それからしばらくして景公は亡くなった。ここから、二竪為虐、ということばが生まれたという。
● 三綱五常 san1gang1wu3chang2 三綱:君臣、父子、夫婦の道。五常:人の常に守るべき五つの道徳。通常、仁、義、礼、智、信を指す
● 三足鼎立 san1zu2ding3li4 鼎は三本脚で立っていることから、三つの勢力が並び立つこと。
● 三元及第 san1yuan2ji2di4 科挙の郷試、殿試、会試の全てで首席で合格すること。三元とは、三回の試験のそれぞれの首席合格者の呼び名で、郷試の“解元”、会試の“会元”、殿試の“状元”のこと。
● 三従四徳 san1cong2si4de2 女性が従うべき三つの道と四つの徳目。昔、女性の徳目とされた。三従:家にあっては父に従い、嫁(か)しては夫に従い、夫の死後は子に従う。四徳:婦徳(品徳)、婦言(言葉)、婦容(容姿)、婦功(家事)を指す
● 三皇五帝 san1huang2wu3di4 古代中国の伝説上の三天子、五聖君のこと。三皇:伏羲、燧人、神農。五帝:黄帝、顓頊(せんぎょく)、帝嚳(こく)、唐堯、虞舜。
● 三姑六婆 san1gu1liu4po2 正業以外の職についている女性。これらの女性が出入りすれば、その家にはろくなことがないと言われた。三姑:尼姑(尼)、道姑(道教の尼)、卦姑(八卦見)。六婆:牙婆(周旋屋)、媒婆(仲人)、師婆(巫女)、虔婆(やりてばば)、薬婆(薬売り)、穏婆(産婆)
● 四時八節 si4shi2ba1jie2 四時:春夏秋冬。八節:立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至。広く一年の各節季一般のことを指す。
● 四大皆空 si4da4jie1kong1 「四大皆空(くう)なり」。或いは「四大空に帰す」と言い、世界のすべてのものは空虚である、ということ。仏教で、地、水、火、風を宇宙を構成する4元素とし、これを“四大”という。
● 四体不勤 五谷不分 si4ti3bu4qin2 wu3gu3bu4fen1 手足を働かせず、五穀の見分けもつかない。古い読書人をけなしていう。四体:四肢。両手と両足。五谷:五穀。穀類。五穀については、米、麦、豆などいろいろな穀物を当てる
● 五体投地 wu3ti3tou2di4 チベット仏教などの宗教儀礼で、額、両膝、両肘を地につけて、尊者、仏像などを拝する、最高の礼法。また、それから転じて、心から感服すること。
● 六神無主 liu4shen2wu2zhu3 六神:道教でいう心臓、肺臓、肝臓、脾臓、腎臓、胆嚢を支配する六体の神。この六神がいなくなることから、驚きあわてて気が動転すること。
● 七竅生煙 qi1qiao4sheng1yan1 目、耳、鼻、口から煙が出る。憤慨、立腹するさま。
竅:穴のこと。七竅:人の顔にある七つの穴。目、耳、鼻、口の穴の数を合計すると七になることから。そこから、目、耳、鼻、口の総称。
● 七擒七縦qi1qin2qi1zong4 七度捕えて七度逃がす。策略を用いて相手を心から心服させるたとえ。諸葛孔明が南夷の酋長孟獲を七度捕えて七度逃がし、遂に心服させたという故事から。“七縦七擒”ともいう。
● 八仙過海 ba1xian1guo4hai3 普通は、“八仙過海 各顕神通”或いは“八仙過海 各顕其能”と続く。各々独自のやり方がある。各自がそれぞれ腕を振るって競う。
[語源]西王母の誕生祝いの帰りに、酒に酔った八仙が海の中の仙女をからかったところ、仙女は怒って海を荒らし、八仙に戦いを挑んだ。八仙は各自の持ち物で戦い、やっと海を渡ることができたという伝説から。八仙:漢鐘離、張果老、呂洞賓、李鉄拐、韓湘子、藍采和、曹国舅、何仙姑(何仙姑のみ女仙)を指す。めでたいものとしてよく絵画の題材や美術装飾の絵柄となる。
● 九鼎大呂 jiu3dingda4lv3 九鼎:夏の禹は九つの鼎を鋳造し、夏が九州、つまり全中国を治めていることを象徴した。九鼎は夏、商(殷)、周三代の伝国の宝となった。大呂:周代、周の祖先を祭る廟にあった大鐘。話に重みがあり、説得力があることをたとえて言う。
● 十悪不赦 shi2e4bu4she4 極悪非道で許すことができない、重大な犯罪行為をいう。十悪:謀反mou2fan3、謀大逆mou2da4ni4、謀叛mou2pan4、悪逆e4ni4、不道bu4dao4、大不敬da4bu4jing4、不孝bu4xiao4、不睦bu4mu4、不義bu4yi4、内乱nei4luan4を指す

2. 数の多いことを表す。特に“三、五、百、千、万”を含む成語に多い。
例:接二連三、三番五次、三令五申、九死一生、百錬成鋼、百孔千瘡、千方百計、
千夫所指、千頭万緒、万変不離其宗、億万斯年

● 接二連三 jie1er4lian2san1 次から次へと
● 三番五次 san1fan1wu3ci4 何度も何度も。“三番両次”“両次三番”“三番四復”ともいう。
● 三令五申 san1ling4wu3shen1 令:命令する。申:説明する。再三訓戒を与えること。
[出典]《史記・孫子呉起列伝》:“出宮中美女得百八十人,孫子分為二隊……約束即布,乃設鉄鉞,即三令五申之。”春秋時代、孫武が呉王闔閭に召された際、呉王が孫武に、「あなたの書いた兵書を読んだが、その内容を宮中の女性を軍隊に見立てて試してほしい」と言われ、呉王の依頼で宮女百八十人を集め、孫武はそれを二隊に分けた。軍令は既に発布され、当時の刑具の鉄の鉞(まさかり)を運んで来ると、何度も訓戒を与えた(“三令五申”)。そこで、太鼓を打ってまわれ右の号令をかけたが、宮女たちは命令通り行動しないだけでなく、面白がってケラケラと笑った。孫武は、「軍令の説明が不十分で、引き継ぎがうまくできないのは将軍の責任である」と言って、もう一度詳細に説明をした。そうやってまた太鼓を打って今度は左を向けの号令をかけたが、やはり宮女たちは命令を聞かず笑うので、孫武は、「既に引き継ぎはなされたのに命令に従わないのは隊長と兵士の責任である」と言い、隊長の首を刎ねるよう命じた。呉王は、孫武が自分の愛姫を殺そうとしているので、慌てて孫武にやめるように言ったが、孫武は「私は既に将軍となるよう命を受けた。今は軍中にある、軍中では君の命とて受けることはできない」と言い、二人の愛姫の首を刎ねて殺してしまった。その後は、宮女たちは、整然と、より複雑な動きも行い、ふざける者はいなくなった。
● 九死一生 jiu3si3yi1sheng1 九死に一生を得る。危ないところをかろうじて死なずにすむ。
● 百錬成鋼 bai3lian4cheng2gang1 百度鍛えて鋼になる。鍛錬に鍛練を重ねてりっぱな人になるたとえ。
● 百孔千瘡 bai3kong3qian1cang1 穴だらけ傷だらけ。破壊が著しく被害が大きいこと。または、欠陥が多いこと。“千瘡百孔”ともいう
● 千夫所指 qian1fu1suo3zhi3 多くの人に後ろ指を指される(人)
● 千頭万緒 qian1tou2wan4xu4 考えや物事が雑然としている様。事柄が入り乱れている様。
● 万変不離其宗 wan4bian4bu4li2qi2zong1 形式上いろいろに変っても本質は変わらない
● 億万斯年 yi4wan4si1nian2 斯:語気助詞、特に意味は無い。億万年:長い年月を形容。昔は国運が長く続くことを祈るのに用いた。

3. 数の少ないことを表す。特に“一”を含む成語に多い。
例:一絲一毫、一毛不抜、一点一滴、一朝一夕、一針一線、一知半解、一鱗半爪、
三三両両、三言両語、九牛一毛

● 一絲一毫 yi1si1yi1hao2 一分一厘。ごくわずか
● 一毛不抜 yi1mao2bu4ba2 髪の毛一本抜くのさえ惜しむ。ひどくけちであるたとえ。
[語源]孟子・尽心上:抜一毛而利天下、不為也(毛一本抜けば天下の利益になるのにそれをしない)
● 一点一滴 yi1dian3yi1di1 少しずつ
● 一朝一夕 yi1zhao1yi1xi1 一朝一夕。短い日時。わずかな期間。
● 一針一線 yi1zhen1yi1xian4 非常にちっぽけなもの
● 一知半解 yi1zhi1ban4jie3 生半可。生かじり
● 一鱗半爪 yi1lin2ban4zhao3 物事の断片。片鱗。ごくわずかな部分
● 三三両両 san1san1liang3liang3 三々五々
● 三言両語 san1yan2liang3yu3 二言三言。わずかな言葉。
● 九牛一毛 jiu3niu3yi1mao2 九牛の一毛。大多数の中のごく少数。

4. 煩雑、雑然、乱れていることを表す。特に“七、八”を含む成語に多い。
例:七零八落、横七竪八、七上八下、乱七八糟、七手八脚、七嘴八舌、七拼八凑、
雑七雑八、七折八扣、五花八門、五光十色、千頭万緒

● 七零八落 qi1ling2ba1luo4 散り散りばらばらである
● 横七竪八 heng2qi1shu4ba1 ごちゃごちゃに入り乱れている
● 七上八下 qi1shang4ba1xia4 心が乱れる。心を決めかねる
● 乱七八糟 luan4qi1ba1zao1 めちゃくちゃ。ひどく混乱している
● 七手八脚 qi1shou3ba1jiao3 誰もかれもが一度に手を出す。寄ってたかって何かをする
● 七嘴八舌 qi1zui3ba1she2 多くの人が方々から口を出す。口々に言う。
● 七拼八凑 qi1pin1ba1cou4 方々から寄せ集める。やりくり算段して金や物を集める。
● 雑七雑八 za2qi1za2ba1 ごちゃまぜである。ごちゃごちゃしている
● 七折八扣 qi1zhe2ba1kou4 値引きが大きいこと
● 五花八門 wu3hua1ba1men2 (物事が)多種多様で変化に富む
● 五光十色 wu3guang1shi2se4 色とりどりであでやか。

5. 強調する。突出していることを表す。
例:一模一様、一絲一毫、独一無二、一清二楚、一干二浄、一刀両断、一落千丈、
五大三粗、九九帰一、十拿九穏、十全十美、百戦百勝、千真万確、万無一失

● 一模一様 yi1mu2yi1yang4 瓜二つ。よく似ている
● 独一無二 du2yi1wu2er4 唯一無二
● 一清二楚 “清楚”の意味を強めた言い方
● 一干二浄 “干浄”の意味を強めた言い方
● 一刀両断 yi1dao1liang3duan4 一刀両断。断固として古い関係を断ち切る
● 一落千丈 yi1luo4qian1zhang4 急激に落ち込む。がた落ちになる
● 五大三粗 wu3da4san1cu1 体が大きく頑丈。筋骨たくましい
● 九九帰一 jiu3jiu3gui1yi1 とどのつまり。結局のところ。“九九帰原”ともいう。
● 十拿九穏 shi2na2jiu3wen3 十分に自信がある。十分に見込みがある。“十拿九准”ともいう
● 十全十美 shi2quan2shi2mei3 完全無欠である。非の打ち所がない
● 百戦百勝 bai3zhan4bai3sheng4 戦えば必ず勝つ。百戦百勝
● 千真万確 qian1zhen1wan4que4 状況が確かである。確実である

6. さげすみ、けなす意味あいを持つ。特に“三、四”を含む成語の多くがそうである。
例:説三道四、不三不四、低三下四、丢三落四、朝三暮四、推三阻四、顛三倒四、
欺三瞞四、調三窩四
● 説三道四 shuo1san1dao4si4 無責任にむちゃくちゃ言うこと
● 不三不四 bu3san1bu4si4 ろくでもない
● 低三下四 di1san1xia4si4 やたらにぺこぺこする。こびへつらう。卑屈なさま
● 丢三落四 diu1san1la4si4 よく物忘れをする
● 朝三暮四 zhao1san1mu4si4 移り気である。考え方や方針が定まらず、当てにならない
● 推三阻四 tui1san1zu3si4 あれこれ口実を設けて断る。“推三委四” “推三推四”ともいう
● 顛三倒四 dian1san1dao3si4 (することや話すことの)つじつまが合わない。でたらめである
● 欺三瞞四 qi1san1man3si4 何度も隠しごまかす
● 調三窩四 tiao2san1wo1si4 あることないことを告げ口して争いを起こさせる。“調三斡wo4四”ともいう

これらの成語の数字には、多少「良かれ悪しかれ」とか「あれや、これや」という意味を含む。

(二)文法構造
これらの成語を文法構造から見ると、その中の数字は成語の中で次のような文法成分になっている。
1. 主語になっている
例:一了百了、一之謂甚、万無一失;
● 一了百了 yi1liao3bai3liao3 主な事さえ解決すれば、他はそれにつれて解決できる。“一了”はひとつの事が解決する、“百了”は多くのことが解決する、と、それぞれの句が主述構造になっている。
● 一之謂甚 yi1zhi1wei4shen4 一回やったら、たくさんだ。過ちを二度犯してはいけないことのたとえ。“一之”は一回行う、という意味で主述構造。
● 万無一失 wan4wu2yi1shi1 万に一つの失敗もない。絶対に間違いがない。
“万”を主語と考えるか副詞と考えるか悩むところだが、ここでは「多くのケース」という意味の主語と考え、この分類に加えた。

2. 述語になっている
例:言行不一、気象万千、人一己百
● 言行不一 yan2xing2bu4yi1 言うことと行うことが裏腹である。“不一”で一致しない、という意味で述語になっている。
● 気象万千 qi4xiang4wan4qian1 景色や事物が変化に富み、壮観を極める。“万千”:種々様々である。多種多様であるという意味の述語。
● 人一己百 ren2yi1ji3bai3 他人は一回でできるが、自分は百回やらないといけない。他人の百倍の努力でやっと他人に追いつくことができること。“人一” “己百”は何れも主述構造で、“一”“百”はそれぞれ述語。

3. 賓語(目的語)になっている
例:挙一反三、殺一儆百、略知一二
● 挙一反三 ju3yi1fan3san1 一つの事から類推して多くの事を知る。四角な物の一隅を取り上げて教えることで、他の三隅を類推して理解するよう、積極的に自分で考え求めること。
[語源]《論語》:“挙一隅yu2不以三隅反,則不復也”
“挙一” “反三”はそれぞれ動賓構造で、“一”“三”は賓詞
● 殺一儆百(殺一警百)sha1yi1jing3bai3 一人を殺して大勢の見せしめにする。
● 略知一二 lve4zhi1yi1er4 多少は知っている。一二:少しばかり。“一二”は“知”の賓語

4. 定語(限定語。連体修飾語)になっている
例:八面玲瓏、百家争鳴、万象更新
● 八面玲瓏 ba1mian4ling2long2 (人とのつきあいに)如才がない。八方美人。(悪い意味で使われることが多い)
● 百家争鳴 bai3jia1zheng1ming2 百家争鳴。春秋戦国時代、諸子百家が学術論争を重ねたために学術の繁栄をもたらしたこと。
● 万象更新 wan4xiang4geng1xin1 万象が新たになる。万象:あらゆるもの。“春回大地 万象更新”(春が大地を訪れ、万象が新たになる)という使い方をする。

5. 状況語(連用修飾語)になっている
例:耳目一新、勢不両立、三思而行
● 耳目一新 er3mu4yi1xin1 目に触れ耳にするものすべてが新しく変わる、新鮮に感じられる。
● 勢不両立 shi4bu4liang3li4 (敵対するものが)両立できない(情勢にある)。
● 三思而行 san1si1er2xing2 三思ののちに行う。熟考の上実行する

6. 補語になっている
例:低三下四、推三阻四、行百里者半九十
● 行百里者半九十 xing2bai3li3zhe3ban4jiu3shi2 百里を行く者は九十を以て半ばとする

(三)修辞方式
成語の中の数字は一定の修辞作用があり、各種の修辞格(修辞方式)を構成している。
1. 形を真似る
例:十字街頭、八字打開
● 十字街頭 shi2zi4jie1tou2 十字路。四つ辻
● 八字打開 ba1zi4da3kai1 八の字のように両側に広がること。方法はいくらでもあることの形容

2. 誇張する
例:入木三分,垂涎三尺
● 入木三分 ru4mu4san1fen1 字の筆力が力強いことの形容。現在は、議論の深さや観察の鋭さをたとえるのに使われることが多い。[語源]晋の王羲之が板に書いた字の墨が木に深くしみ込んだという故事から。
● 垂涎三尺 chui2xian2san1chi3 喉から手が出る

3. 緊縮句
“緊縮句”というのは、複合句を、接続詞等を省略して結びつけ、それがすきなく結びついているものをいう。
例:三姑六婆、三綱五常
“姑”と“婆”はそれぞれ独立した句であるが、三、六という数詞が入ることで、意味が特定され、“三姑六婆”という複合句の成語が形成されている。

4. 際立たせる。引き立てる
例:千鈞一発,一本万利
● 千鈞一発 qian1jun1yi1fa4 一触即発。危機一髪。鈞:昔の重量単位。1鈞は30斤に相当、重いことのたとえ。“千”と“一”の対比
● 一本万利 yi1ben3wan4li4 わずかな資本で巨利を占める。ぼろ儲けをすること。“一”と“万”の対比。

5. はめ込み
例:四平八穏,一干二浄;
“平穏”、“干浄”ということばの間に数字をはめ込んでいる

6. 重ねて言う(繰り返し)
例:三三両両,千千万万;
● 三三両両 san1san1liang3liang3 三々五々。日本語と同じ、“三三五五”もある。
● 千千万万 qian1qian1wan4wan4 幾千幾万の。無数の

7. 前の句の最後の語を、次の句の最初の語に用いる
こういう修辞を“頂真”といい、語句の調子を整え、前後の結びつきを強め、意味がよくわかるようにする働きがある。
例:一而再 再而三
● 一而再 再而三 yi1er2zai4 zai4er2san1 再三再四。何度も何度も

8. 同じことばを二回使う
例:一物降一物,一是一 二是二
● 一物降一物 yi1wu4jiang4yi1wu4 どんな物でもそれに打ち負かされる一物がある。上には上がある
● 一是一 二是二 yi1shi4yi1 er4shi4er4 非常に几帳面である。“丁ding1是丁 卯mao3是卯”(“釘是釘 鉚是鉚”とも書く)ともいう


[参考]百度知道 “数字成語”(http://zhidao.baidu.com/question/82742228.html)

数字を使った成語で、例えば“乱七八糟”のように“七、八”を使うと、雑然としている、乱れている、といった意味合いを持ち、“不三不四”のように“三、四”を用いると、さげすみの意味合いを持つということは、上で記したが、なぜこれらの数字の組み合わせでそういう意味が出てくるかということは、よくわからない。本来の意味から派生して、習慣的に使われるようになったということは、歴史的に何らかの出典があるのではないかと思うのだが。このことについて、お考えをお持ちの方、ヒントになりそうな事例をご存じの方はお教えいただきたい。