慎始而敬終 終以不困
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中国のマカオ特別行政区の行政長官(首長)選挙で、崔世安・前社会文化官(閣僚に相当)が投票権を持つマカオ各界代表300人の票の282票を獲得し、当選した。崔世安氏は、早速北京を訪問し、温家宝首相から、同氏を中華人民共和国澳門特別行政区第3代行政長官に任命する国務院令を手渡された。 その会見の際の話題である。
温家宝引用《左傳》勉励崔世安“慎始而敬終”
2009年8月11日 中国新聞網より
国務院総理温家宝今日上午在中南海紫光閣会見新当選並獲任命的澳門特別行政区第三任行政長官崔世安時,引用《左傳》引逸周書“慎始而敬終,終以不困”,勉励崔世安開始就把工作做好。
[訳]国務院総理温家宝は本日午前、中南海紫光閣で新たに当選し任命されたマカオ特別行政区第三代行政長官崔世安と会見した際、《左傳》の逸周書からの引用、“慎始而敬終,終以不困”を引用し、崔世安が最初から行政長官の仕事をうまくやるよう激励した。
温家宝対崔世安説,“当前金融危机還在加深和蔓延,你面臨的困難還很大。有句話是‘慎始敬終,終以不困’,就是開始就要把工作謀劃好、做好,這様你在任期内就可以克服各種困難,団結澳門各界群衆,取得新成績。”
[訳]温家宝は崔世安に対して言った。「目下の金融危機は尚深まり蔓延しており、あなたが直面している困難はたいへん大きい。「慎みて始め慎重に終われば、遂に困らず」ということばがある。つまり、はじめに仕事をうまく計画を立て、うまくやらないといけない。そうすれば、あなたの任期中に各種の困難を克服し、マカオ各界の人々を団結させ、新たな業績を残すことができる。」
“慎始而敬終,終以不困。”語出《左傳》引古逸周書。意思是謹慎地開始,不怠慢地終結,就不会有窘迫之患。(記者 邢利宇)
[訳]「慎みて始め慎重に終われば、遂に困らず。」ことばは《左傳》の古逸周書の引用から出たもの。意味は、慎重に事を始め、気を抜かずに終わらせれば、行き詰って困る心配はないということである。(記者 邢利宇)
● 窘迫 jiong3po4 ひどく窮迫する。行き詰る
《左傳》とは、《春秋左氏伝》のこと。孔子が魯国の歴史の記録をまとめたといわれる《春秋》の注釈書で、左丘明が著したと言われている。その中で、孔子が理想とした周国の歴史を著した《周書》の、その当時文字として伝わっていた《逸周書》の内容を引用したことばである。
ところで、上記の温家宝・崔世安会談の報道には後日談があって、
慎始敬終終以不困出自《左傳》逸周書
澳門日報 8月12日
温総理毎毎有語出古籍典故之句,尤其普通話発音,対于生活于広東一帯慣于粤語“煲bao1冬瓜”一族,確実帯来不少考験。事前已有傳媒預言若温総語出句典如何是好?果応其言,一衆港澳傳媒初聴此“八字真言”,有人一時未能確切領会,争相探問,互相推敲,各自的“煲冬瓜”発音不同,一時間出現多个版本,各人為之搲wa1頭,真切感受到“書到用時方恨少”。
[訳]温総理の古典の典籍の文句から引用したことばのひとつひとつは、とりわけ普通話で発音されており、広東一帯で生活し、広東語「普通話」に慣れ親しんだ人々にとっては、確かに少なからず試練を受けている。事前にマスコミの中ではもし温総理が古典を引用されたらどうしたらよいか、と予言する者がいた。果たしてその通り、香港、マカオからのマスコミは初めてこの「八文字のことば」を聞いて、当初確かな意味を理解できない者がいて、質問をしあったり、互いに推敲しあったり、各自の「普通話」の発音が違うので、一時はたくさんのバージョンが出現し、各人このために頭をかかえ、本当に「知識は必要な時になってはじめて足りないことを後悔する」と実感したのである。
●bao1(保の下に火)冬瓜 普通話(標準語)の別称。広東語で「普通話」の発音、「Pou Tong Wa」がトウガン・スープの発音と似ていることから。
●搲 wa1 手で物をつかむ。引っ張る。
●書到用時方恨少 書:知識。到:等到。用:需要。方:才。恨:悔恨。少:少ししか知らない。書物で得た知識は、本当に必要になった時にはじめて自分の読書量が少ないことがわかる。
〔原文〕書到用時方恨少、事非経過不知難
後半の「事非経過不知難」は、多くの事は自ら経験したことでないと、如何に難しいかはわからない、の意味。これは、勉強に励むため、掲げた対聯で、作者不詳。一説には、宋の陸游が言ったともいう。
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中国のマカオ特別行政区の行政長官(首長)選挙で、崔世安・前社会文化官(閣僚に相当)が投票権を持つマカオ各界代表300人の票の282票を獲得し、当選した。崔世安氏は、早速北京を訪問し、温家宝首相から、同氏を中華人民共和国澳門特別行政区第3代行政長官に任命する国務院令を手渡された。 その会見の際の話題である。
温家宝引用《左傳》勉励崔世安“慎始而敬終”
2009年8月11日 中国新聞網より
国務院総理温家宝今日上午在中南海紫光閣会見新当選並獲任命的澳門特別行政区第三任行政長官崔世安時,引用《左傳》引逸周書“慎始而敬終,終以不困”,勉励崔世安開始就把工作做好。
[訳]国務院総理温家宝は本日午前、中南海紫光閣で新たに当選し任命されたマカオ特別行政区第三代行政長官崔世安と会見した際、《左傳》の逸周書からの引用、“慎始而敬終,終以不困”を引用し、崔世安が最初から行政長官の仕事をうまくやるよう激励した。
温家宝対崔世安説,“当前金融危机還在加深和蔓延,你面臨的困難還很大。有句話是‘慎始敬終,終以不困’,就是開始就要把工作謀劃好、做好,這様你在任期内就可以克服各種困難,団結澳門各界群衆,取得新成績。”
[訳]温家宝は崔世安に対して言った。「目下の金融危機は尚深まり蔓延しており、あなたが直面している困難はたいへん大きい。「慎みて始め慎重に終われば、遂に困らず」ということばがある。つまり、はじめに仕事をうまく計画を立て、うまくやらないといけない。そうすれば、あなたの任期中に各種の困難を克服し、マカオ各界の人々を団結させ、新たな業績を残すことができる。」
“慎始而敬終,終以不困。”語出《左傳》引古逸周書。意思是謹慎地開始,不怠慢地終結,就不会有窘迫之患。(記者 邢利宇)
[訳]「慎みて始め慎重に終われば、遂に困らず。」ことばは《左傳》の古逸周書の引用から出たもの。意味は、慎重に事を始め、気を抜かずに終わらせれば、行き詰って困る心配はないということである。(記者 邢利宇)
● 窘迫 jiong3po4 ひどく窮迫する。行き詰る
《左傳》とは、《春秋左氏伝》のこと。孔子が魯国の歴史の記録をまとめたといわれる《春秋》の注釈書で、左丘明が著したと言われている。その中で、孔子が理想とした周国の歴史を著した《周書》の、その当時文字として伝わっていた《逸周書》の内容を引用したことばである。
ところで、上記の温家宝・崔世安会談の報道には後日談があって、
慎始敬終終以不困出自《左傳》逸周書
澳門日報 8月12日
温総理毎毎有語出古籍典故之句,尤其普通話発音,対于生活于広東一帯慣于粤語“煲bao1冬瓜”一族,確実帯来不少考験。事前已有傳媒預言若温総語出句典如何是好?果応其言,一衆港澳傳媒初聴此“八字真言”,有人一時未能確切領会,争相探問,互相推敲,各自的“煲冬瓜”発音不同,一時間出現多个版本,各人為之搲wa1頭,真切感受到“書到用時方恨少”。
[訳]温総理の古典の典籍の文句から引用したことばのひとつひとつは、とりわけ普通話で発音されており、広東一帯で生活し、広東語「普通話」に慣れ親しんだ人々にとっては、確かに少なからず試練を受けている。事前にマスコミの中ではもし温総理が古典を引用されたらどうしたらよいか、と予言する者がいた。果たしてその通り、香港、マカオからのマスコミは初めてこの「八文字のことば」を聞いて、当初確かな意味を理解できない者がいて、質問をしあったり、互いに推敲しあったり、各自の「普通話」の発音が違うので、一時はたくさんのバージョンが出現し、各人このために頭をかかえ、本当に「知識は必要な時になってはじめて足りないことを後悔する」と実感したのである。
●bao1(保の下に火)冬瓜 普通話(標準語)の別称。広東語で「普通話」の発音、「Pou Tong Wa」がトウガン・スープの発音と似ていることから。
●搲 wa1 手で物をつかむ。引っ張る。
●書到用時方恨少 書:知識。到:等到。用:需要。方:才。恨:悔恨。少:少ししか知らない。書物で得た知識は、本当に必要になった時にはじめて自分の読書量が少ないことがわかる。
〔原文〕書到用時方恨少、事非経過不知難
後半の「事非経過不知難」は、多くの事は自ら経験したことでないと、如何に難しいかはわからない、の意味。これは、勉強に励むため、掲げた対聯で、作者不詳。一説には、宋の陸游が言ったともいう。