中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

危中有机,事在人為 (危機の中にチャンスあり。事の成敗は努力次第)

2009年08月29日 | 中国語成語
危中有机,事在人為
wei1zhong1you3ji1, shi4zai4ren2wei2
危機の中にチャンスがある。事の成敗は人の努力如何による

今日、取り挙げるのは、
人民日報人民論壇:危机孕育成功的種子
(危機が成功の種を育む(はぐくむ))
陳家興 2009年08月21日08:02 来源:人民网-《人民日報》

在経済全球化的大趨勢下,面対洶涌的国際金融危机,没有一個経済体能(句多)置身其外,作為市場主体的企業更是如此。
[訳]経済のグローバル化の趨勢下、激しい国際金融危機に対し、一つの経済体も身をその局外に置くことはできない。市場主体の企業は尚更そうである。
● 置身其外 zhi4shen1qi2wai4 (【類】置身事外)事件や潮流に巻き込まれないよう、身を局外に置くこと

しかし、そういう危機は一面、それをうまく対処できた企業にとっては、新たな飛躍のチャンスになる、ということを、ここでは二つの例を挙げて述べている。

ひとつは、世界最大の小物商品卸売市場、義烏の例である。義烏はこの不況下、今年1~6月の取引額が222億元と、前年より13%増加させているそうだ。

義烏是如何突出重囲、化危為机的?当地政府和企業打出的是一套組合拳。政府推動企業加快転型升級,促進“小商品、義烏造”向“小商品、義烏創”転変。
[訳]義烏は如何にして何重もの包囲を突破し、危機をチャンスに変えることができたのか?当地の政府と企業が打ち出したのは一連の合わせ技である。政府は企業に経営スタイルを変革、グレードアップし、「小物商品、義烏製造」から、「小物商品、義烏創造」へ転換するよう、促した。
● 化危為机 hua4wei1wei2ji1 危機をチャンスに変化させる
[例]“危中求進、化危為机,努力克服暫時困難、嬴得更大発展”
危機の中に進化を求め、危機をチャンスに変え、一時的な困難を努力、克服し、より大きな発展を勝ち取ろう(7月25日から28日まで、胡錦涛総書記が雲南省視察をしたことを伝える新華網の記事から)
● 組合拳 zu3he2quan2 合わせ技

もちろん、そのため、企業側では新商品開発のスピードを早め、技術や設備を改善、企業の内部管理を強化し効率を高める、という努力をし、また積極的に需要先の海外にも出ていって、新たな商機を求めていった。

国際経済前景仍不明朗,危机考験并未結束,就此断言義烏小商品已経戦勝危机為時尚早。但従其応対危机初見成效的実践中,我們懂得了一个深刻的道理:危中有机,事在人為。
[訳]国際経済の見通しが尚不明朗で、危機の試練は未だ終わっていない。ここで義烏の小物商品は危機に打ち勝ったというのは、時期尚早である。しかし危機に対する対応が初めて成果をみた実践の中で、私たちは深い道理を理解した。危機の中にチャンスがある。事の成敗は人の努力如何によると。

二番目は、危機管理対応についてである。
GEのジャック・ウェルチのことばで、以下のようなものがある。

“在這個瞬息万変的現代社会中,反応比予測更重要。”
[訳]刻々と変化する現代社会で、反応は予測よりもっと重要である。
● 瞬息万変 shun4xi1wan4bian4 きわめて短い時間に目まぐるしく変化する

面対危机,反応是霊敏還是遅鈍,秉持什麼様的危机管理理念,採取什麼様的管理危机策略,便成為企業興衰的関鍵。
[訳]危機に直面し、反応が敏捷か遅鈍か、どのような危機管理の理念を持っており、どのような危機を管理する戦略を採用しているかが、企業の盛衰のカギとなっている。

ここで紹介されているのが、1986年ジョンソン・アンド・ジョンソンのタイノール毒物混入事件での対応である。問題が発生するや、J&J社は直ちに全ての広告宣伝を打ち切り、商品の回収に全力をあげ、情報を公開した。このため、事故発生の直後は市場シェアの8割を失ったが、その後5か月で元の90%までシェアを戻した。

毎一次危机,既包含導致失敗的根源,也孕育着成功的種子。
[訳]毎回の危機には失敗に導く根源が含まれているだけでなく、成功の種も育(はぐく)んでいる。

強生公司的成功則在于,它選択了“従最壊的可能謀求最好結果的危机管理方案”,這一方案的重点就是,“在遇到危机時,公司応首先考慮公衆和消費者利益”,正是這一信条最終拯救了強生的信誉。
[訳]ジョンソン・アンド・ジョンソンの成功は、「最も悪い可能性から最も良い結果を追求する危機管理方法」を選択したことにあり、この方法の重点は、「危機に遭遇したら、会社は最初に公衆と消費者の利益を考慮しなければならない」ということであり、まさにこの信条がJ&J社の信用を救った。

「危中有机,事在人為」、この例は日本でも枚挙にいとまがない(「不勝枚挙」)。