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ロジィスティックスの事

2006年06月29日 | アパレル放談

今日久し振りに航空貨物と海上貨物事業の会社の部長が尋ねて来てくれました。

私が海外担当になった時に、貿易の事は素人だった私にとって、大変お世話になった部長です。

クォータ制が厳しかった頃のアメリカに、カルネで持ち込んだ10数パッキンのサンプルが、ケネディー空港で通関拒否で空港で立ち往生した時のことや、夜遅くまでインボイスの作成など思い出の多い方です。

久し振りの昔話とお互いの近況を話し合いました。

氏の勤める会社は当時の繊維製品輸出入の運輸業務から大きく変わり、液晶パネルや精密部品などの海外運輸だけでなく、国内外の工場のロジィスティックスまでを行なう会社に変化(進化)しているようです。

他産業の生産がSCM化に進化し、運輸業の体質も変化を迫られた結果で、今更ながら、アパレル業界との違いを再認識しました。

昔のイメージの氏は夜遅くまで、真面目に働く印象から一変し、アジアとアメリカの生産現場のSCMを支えているような感じでした。

話しをしている間に、佐川急便の10年程前のことを思い出しました。
昨年退職されましたが、佐川急便の支店長と食事をした時、私が支店長に「貴社のドライバーは他社の送り状の荷物まで自社扱いにして持っていくほど現場の営業力は凄いですね。集配運送は貴社の寡占状態ですね。」と、お食事の接待のお礼?も兼ねて話しました。

其のとき支店長は「それが佐川急便の危機なのです。集配には強いが、将来的には日本の流通が路線運送と宅配運送が主流となることが予測される。その時は集配だけの当社の危機となる。今後宅配の強化が急務となる。」と話していました。

その後テレビのCMが野口五郎の「我ら熱血セールスドライバー」からEーコレクトのユーモラスなコマーシャルに変わったことを思い出します。

同時に佐川のドライバーが他社送り状の分捕り営業から、カタログや書類など宅配的な小さな封書をセッセと集荷し出しました。
佐川の宅配E-コレクトの強化の始まりでした。


その後、氏の予測どうりに、流通チャネルが、路線運送と宅配物流の方向へ変化しだしました。

アパレル製品の流通が集配を中心としたチャネルからアパレルや小売店のSPA化が新しい路線物流を生み、新規チャネルのTVショップやWeb・Mobileショップなどは、宅配物流を前提とした仕組といえます。

他産業はこのロジィスティックスは進んでますが、アパレルのロジィスティックスは、まだ取り組み出したところのようです。

他産業の事例が大いに参考になるような気がします。