ここからが長いと思うはつふゆの白湯にくわえるひと匙の蜜
すまないと思うばかりだ 立冬の候、と書いては淋しがらせて
羹を啜る男をみていたら百年なんてすぐよ、と祖母は
ただここにいるだけのこと あなたには冬の厚みを見せてあげよう
りるびっ って今啼いたよねどの枝かわからないけどじゃすたりるびっ
鳥のことは何も知らないこのまんま知らなくていい あ 飛びました
護られてふくらんでいるこどもたちふゆだふゆだと絡まりながら
よく動くちいさな膝を武器にして玄冬の手前を跳ねている
削られて少しずつかたちをかえてあなたはふるい岬のようだ
肉体を繕いながら夜にいるわたくしごとを波にほぐして