つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

土井慈功住職からの手紙(3)

2011年10月30日 | 日記
                       億萬山七福尊真延寺本堂内部

七福尊からみた東日本大震災について

文明と災害
 五濁悪世の世の中、善も悪も偶然も混在して人それぞれの価値観も違う、科学が進歩してもすべての人間を統制できない。宇宙の森羅万象は巨大で複雑である。現代の学問はこれらの現象のほんの一部分を解明しているにすぎない。未知の世界で幸を求めるために自然の脅威を知り自然を崇め慰撫するために自然神の存在を想像してその実在を確信して宗教が生まれてきた。
 自然の脅威は想像に絶するほど巨大化してゆくらしい、文明の発達は未開地を開拓して危険な土地を整備して住環境として利用する。文明の進歩は自然を搾取して発達する。
 文明は災害を防御しているように思うが、文明の発達と災害の巨大化は同行している。それは文明が自然を搾取し乱開発をして発達するからだ。文明と自然のバランスが重要だ。そのバランスが崩れると災害が発生する。見方をかえるが文明が発達すると新たな文明病が発生した。難病、登校拒否、ひきこもり、そううつ、自殺の増大などの文明病である。災害も文明病のように拡大している。仏教ではこの世は諸行無常、すべての現象が変化してゆく、生者必滅、造物壊滅、人も物もその姿を変容してゆき、壊滅してゆく想定外という捉え方はしない。日本は地学的に地震、台風、火山の噴火などが多く、このために地震、津波、高潮、洪水、土石流、山津波、溶岩流、干ばつ、渇水、凶作、冷害、疾病などの自然災害が多い。先祖はこの被害を減少するように対策を講じてきたが、それをすべて防御することが不可能と知り、自然災害を慰撫する神仏を祈願することになり、民間の信仰として七福神の信仰が広まった。一説に七福尊を整理集合したのは大徳寺管長の一休禅師と言われた。(つづく) 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 土井慈功住職からの手紙(2) | トップ | 土井慈功住職からの手紙(4) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。