創作日記&作品集

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「わたしなりの枕草子」#336

2012-03-05 08:00:53 | 読書
【本文】
二百七十九段
 節分違へなどして夜(よ)深(ぶか)く帰る
 節分(せちぶん)違(たが)へなどして夜深く帰る、寒きこといとわりなく、頤(おとがひ)などもみな落ちぬべきを、からうじて来着きて、火桶引き寄せたるに、火の大きにて、つゆ黒みたる所もなく、めでたきを、こまかなる灰の中より、起こし出でたるこそ、いみじうをかしけれ。
 また、ものなど言ひて、火の消ゆらむも知らずゐたるに、こと人の来て、炭入れて熾(お)こすこそ、いと憎けれ。されど、めぐりに置きて、中に火をあらせたるは、よし。みなほかざまに火をかきやりて、炭を重ね置きたるいただきに、火を置きたる、いとむつかし。

【読書ノート】
 夜(よ)深(ぶか)く=夜がまだ明けないうちに。夜明けを念頭において。
 めぐりに置き=(炭を)周りに置いて。
 注文が細かい!