【本文】
二百九十七段
便(びん)なき所にて
便(びん)なき所にて、人にものをいひけるに、胸の、いみじう走りけるを、
「など、かくある」
と言ひける人に、
逢坂(あふさか)は胸のみつねに走り井の
みつくる人やあらむと思へば
【読書ノート】
便(びん)なき所=具合の悪い場所。人にものをいひける=男と逢っていたところ。
「など、かくある」=(男が)。
つねに=常に。走り井=清水がこんこんと湧き出る泉。
みつくる=「見」と「水」を掛ける。
二百九十七段
便(びん)なき所にて
便(びん)なき所にて、人にものをいひけるに、胸の、いみじう走りけるを、
「など、かくある」
と言ひける人に、
逢坂(あふさか)は胸のみつねに走り井の
みつくる人やあらむと思へば
【読書ノート】
便(びん)なき所=具合の悪い場所。人にものをいひける=男と逢っていたところ。
「など、かくある」=(男が)。
つねに=常に。走り井=清水がこんこんと湧き出る泉。
みつくる=「見」と「水」を掛ける。