創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

『こちらあみ子』・今村夏子著

2017-02-13 12:33:20 | 読書
主人公のあみ子には類型がない。
これは大変なことだと思う。
まず作品が目にとまることが少ない。
類型がないから評論家に無視される。
僕は運がよかったと思う。
ゴッホだってほとんど無視された。
こんな例は枚挙にいとまがない。
運よく認められたら、作者は次の作品に苦しむことになる。
新作『あひる』を読んでみたい。
が、この頃、本を買いすぎて節約に迫られている。
村上春樹の新作も買うだろうし。
だけど、読みたい本が増えることは幸せなことだと思う。


こちらとあちら2

2017-02-12 15:56:48 | 読書
『こちらあみ子』・今村夏子著の二回目の読書は二時間足らずで終わった。
「こちら」にいるあみ子の世界は豊かである。
だが、「あちら」の心を知ることは苦手である。と言うより関心がない。
キモイと言われても気にならない。
家族を破壊したのが自分であることも知らない。
人を傷つけたことも知らない。
反省なんかは彼女の中に存在しない。
そんなあみ子を知っているから、「あちら」はあみ子に優しい。
だが、あみ子に対する負の感情が頂点に達した時、「あちら」は爆発する。
それをあみ子は理解出来ない。
ただ、こちらの「あみ子」があちらの「のり君」が好きなのは、あみ子にはよく分かる。
「好きじゃ」
と満を持していった言葉と同時に
「殺す」
体調が最悪な「のり君」が爆発する。
最後に坊主頭が登場する。
「あちら」の典型的な人間で通行人みたいにあみ子が無関心だった同級生。
その心にそっと触れる。
「卒業しても忘れんなよう」と言って去って行く。でも、すぐに忘れてしまう。
だが、誰かが少しずつ「あちら」からあみ子に近づいてくる。
竹馬に乗って少しずつ。

こちらとあちら

2017-02-12 10:26:01 | 読書
こちらにいるあみ子とあちらにいる他人。
繋がっているようですれ違っている。すれ違っているようでしっかり繋がっている。
あみ子だけでなく人間は全てそうである。
こちらには自分一人しかいない。
一人で生きて一人で死んでいく。
絶対的な孤独。
あちらには千人いるかも知れない、百人かもしれない、一人かもしれない。
誰もいないのかも知れない。
『こちらあみ子』・今村夏子著はとても深い小説だ。
いい加減に読み飛ばしたら、あみ子の姿を見失う。
表紙もステキだ。
これはあみ子だと思う。
二回目を読む。
あみ子の姿を見失ったから。
いい加減に読み飛ばしたから。
もう一度あみ子を探しに行く。
読書って『旅』ですね。
何に出会うか分からない。

突然、ウイルスが

2017-02-11 17:04:52 | Weblog
夕食後の一番落ち着く時間、outlookをクリック、
友達がFacebookに投稿しているのでチェック、
つながったとたん、画面に英語がスクロールして、
「あなたのコンピュータはウィルスに感染しました。再起動しないで下さい」
外人の片言の日本語が流れた。
何じゃこれ。
×を押しても表示されたウィドウは消えない。
音声は続く。
「はい」も「いいえ」も押すのはいやだ。
電話番号が書いてあるなあ。
「再起動しないで下さい」
相手はこれが嫌なのだ。
落ち着いてシャットダウン。
ログオフの画面になったが、コンピューターは切れない。
ままよと、電源を切った。
五分待って、電源を入れると、
何事もなく立ち上がった。
友達の投稿も読めた。
一晩かけてウィルスチェック。
結果ウィルスは見つからなかった。
思い当たることが二つ。
20日程前、Facebookから
「いつもと違う場所からFacebookにログインしましたか?」
とメールが来てパスワードを変更したことがあった。
outlookを立ち上げると、パスワードの確認の画面が表示された。
みんなつながっているように思う。
この処置でよかったのかどうかも自信がないけれど、一例報告です。


『熊と踊れ』 A・ルースルンド、S・トゥンベリ〈著〉

2017-02-05 13:04:36 | 読書
読破。どっぷりとつかった一週間であった。
読み終わっても、まだ登場人物たちが私の中で動いている。
一人一人の人間が丹念に描かれているからだろう。
まるで友人や家族のように。
おすすめです。

本屋の時間

2017-02-01 14:21:02 | 読書
久しぶりにイオンの本屋に入った。
本の購入(電子書籍を含めて)は、ほとんどアマゾンである。
妻が買い物をしている間、ふらふらと本をながめて廻った。
久しぶりの感触である。
とても懐かしい感触である。
自由な感触である。
探す本もなく、目についた本をパラパラめくる。
こんな時間は、情報検索では得られない。
妻の買い物も終わる時間になった。
本屋の時間の記念に一冊の本を買った。
平積みにされているからベストセラーなんだろう。
上下二巻の上だけを買った。
『熊と踊れ』 A・ルースルンド、S・トゥンベリ〈著〉である。
夢中になって一気に読み切り、もうすぐアマゾンから届く下巻を待っている。