創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

時のながめ・高井有一著

2015-12-17 15:35:27 | 読書
エッセイは作者の性格や人となりが自然と滲み出るものだと思います。
作者はいわゆる文化人、文壇の人と言ってもいいかもしれません。交
際範囲は意外と狭く、自尊心は強い。これは私の推測だから間違っていたらご容赦下さい
文章は素晴らしく、歴史的仮名遣いも気にならない。すらすらと、気持ちよく読めます。
話を少し変えます。
エッセイには様々な空白があります。読者の思考を促したり、余韻を生じたり、音符と音符の間に置かれる空白であったり、小節と小節の間に置かれたり、最後に置かれたりします。
「時のながめ」はその空白の置き方が巧みです。「時のながめ」という題自体が一つの空白のような気がします。
一方、私が長い間拘わった「枕草子」にはその空白がないと思います。
春はあけぼの。終わりです。やはり、エッセイは作者の性格や人となりが自然と滲み出ています。

三冊の本

2015-12-15 15:37:22 | 読書
枕草子が一区切りがついたので、久しぶりに図書館で三冊の本を借りました。
1.新しい十五匹の鼠のフライ・島田荘司著
2.時のながめ・高井有一著
3.シャッフル航法・円城塔
1.は、最近の二作(アルカトラズ幻想と幻肢)は最後まで読み通せなかったがこの作品は楽しめた。
2.は、図書館の新刊書の棚に一月以上置かれたままだったので、何故か同情して借りてしまった。
本の箱が変わっている。箱の底がない。実に取り出しにくい。
3.は、円城塔の入門書らしいと新聞で読んだから。「屍者の帝国」はきっちり挫折しています。
「オブ・ザ・ベースボール」は読みました。途中挫折間違いなし。
その通りになりました。でも一つは読みましたよ。認知的ニッチ=個人かなあ。
本の値段は、「時のながめ」は薄い本なのに、本体二千円。
「新しい十五匹の~」は弁当箱のように厚いのに、同じく本体二千円。
「シャッフル航法」は本体千七百円で一番高い。読めなかったから。
「時のながめ」については稿を改めます。


野坂昭如さんの死

2015-12-14 08:48:53 | Weblog
野坂さんのことで最初に思い出すのは、鼻の下の長さである。多分僕の知っている人の中で最長だと思う。勿論テレビや写真でしか見たことがないし、実物を見たいとも思わないけれど、サングラスをかけて喋ると鼻の下が喋っているように思う。
野坂さんをテレビで初めて見たのは深夜番組である。教育委員会のおばさん風の婦人とやり合っていた。トルコ風呂(今のソープランド)論争? である。
「とにかく一人前の男女が密室で行う契約行為が規制されるのはおかしい」と鼻の下はまくし立てていた。あの人焼かれたら、鼻の下だけが残るのではないだろうか。合掌。