1946 13
額
突然大きな音がした。地震。
蛍光灯の紐を見つめたが動いていない。
額が落ちていた。
妻を呼んだ。
こういう時の僕は危険だ。
硝子の破片が飛び散っていた。
大きな破片を取って、後は掃除機で吸い取る。
手際よく片付いた。
「気いつけや」と、僕は言うばかり。
額の中身は、薬剤師免許妻と二人分。
その他卒業証書等。
「もうええねえ」と妻が言った。
丸めて賞状筒になおした。
飾っていることもないか。
【一句】額落ちる割れた硝子の余寒かな
額
突然大きな音がした。地震。
蛍光灯の紐を見つめたが動いていない。
額が落ちていた。
妻を呼んだ。
こういう時の僕は危険だ。
硝子の破片が飛び散っていた。
大きな破片を取って、後は掃除機で吸い取る。
手際よく片付いた。
「気いつけや」と、僕は言うばかり。
額の中身は、薬剤師免許妻と二人分。
その他卒業証書等。
「もうええねえ」と妻が言った。
丸めて賞状筒になおした。
飾っていることもないか。
【一句】額落ちる割れた硝子の余寒かな
落ちた原因を知りたがるのが読者の心情では?
額落ちて壁の余白の余寒かな