創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

TOKKO(特攻)リサ・モリモト監督作品

2008-04-25 10:32:53 | 映画・舞台
TOKKO(特攻)を観た。日系二世アメリカ人のリサ・モリモト監督の長編ドキュメンタリーである。とても悲しい物語だ。私達に出来ることは、一人として特攻を出さないこと。是非、若い世代に観てもらいたい。
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時の廻廊41-50

2008-04-07 09:49:19 | 創作日記
時の廻廊

 「時の廻廊」は完結しました。左のリンクをクリックして下さい。沢山の方に読んで頂いてありがとうございました。感想を期待しています。右クリック、対象をファイルに保存で、ダウンロードも出来ます。
もし見られないならアクロバットリーダーの最新版をダウンロードしてください。75%表示が見やすいと思います="http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/readstep2.html">ここをクリック
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時の廻廊 50

2008-04-07 09:19:49 | 創作日記
時の廻廊

 「時の廻廊」は完結しました。左のリンクをクリックして下さい。沢山の方に読んで頂いてありがとうございました。感想を期待しています。右クリック、対象をファイルに保存で、ダウンロードも出来ます。
もし見られないならアクロバットリーダーの最新版をダウンロードしてください。75%表示が見やすいと思います
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「ムッシュ」を書き終えて

2008-04-04 09:31:54 | 創作日記
最初を書いたときは、1回で終わるかなあと思っていた。2回目を書いて、最初を1に書き直した。5回まで書き続けて、やっと終わりが見えた。僕は多分、この短篇から、かなり長い物語を紡ぎ出すだろうと思う。キーワードは敦賀だった。去年と今年、2回通過している。賢明な読者はお気づきだと思うが、発想と言うより、書いているうちに、「2001年宇宙の旅」、デイブとハルの会話を思い出していた。読んでいただいた方に感謝します。
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ムッシュ 14 最終回

2008-04-04 09:25:21 | 創作日記
春になった。私は春が嫌いだ。春は生殖のにおいに満ちている。性器である花は咲き乱れ、生殖を担う虫や鳥が飛び交う。なんていやな季節だろう。優と私とムッシュは一日中部屋の中にいた。珍しく休みが一致したのだ。テレビも一日中桜を映している。昼食後、私達にとっての事件が起こった。後片付けに動き出すはずのムッシュが動かない。二人はムッシュを見つめた。ムッシュが動かなくなった。
「ムッシュ」
語りかけても無反応だ。
「電池切れかなあ」
優が首をかしげた。
「ムッシュは電池で動いていたの?」
「さあ。でも、energyはfull だよ」
「死んだ」
私がぽつりと言った。
「死んだ」
優は繰り返した。私は少し泣いた。オブジェになってしまったムッシュを寝室に運んだ。優は私の肩を抱いた。私は目を閉じた。無数の桜の花びらが舞っている。優の涙が私の胸に落ちた。強いものに突かれた。気の遠くなるエクスタシーが私の全身を震わせた。二人は満開の桜の下にいた。優の身体が離れ、やがて、降り注ぐ無数の桜の花びらの中に消えていった。彼は私の身体にしるしを残した。生まれた瞬間に死が約束される「いのち」。
私はその命と一緒に生きていこうと思った。
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ムッシュ 13

2008-04-03 09:02:27 | 創作日記
月曜日の午後8時。優はきっかりにやって来た。ダイニングに通す。ムッシュがお茶を運んでくる。
「ムッシュ、こんにちは」
「いらっしゃいませ、店長」
「店長はいいよ。優と呼んで」
「こんにちは、ゆう」
その日は、30分ほどして優は帰った。
「また、来てもいい」
「いいよ、この時間ならほとんどいる。いない時はメールする」
「ありがとう」
一週間に2回ぐらい優は来た。時々泊まっていく。一つしか布団がないので、彼は寝袋を持ってきた。私は吹き出した。私とムッシュは寝室で眠り、優は書斎で眠った。書斎のパソコンは寝室に移した。二つの部屋はダイニングに面していて、手洗いに行く時お互いの部屋を通ることはなかった。部屋の個別性は保たれていた。
私は彼のことをなんにも知らない。結婚しているのか、子供がいるのか、何も知らない。年令さえ知らない。私達は向かい合う。相手が何者かは関係がない。前にいる人が彼だ。私が知っている以外の彼を知りたくない。私達は向かい合い、とりとめのないことを喋る。テレビのニュースだったり、新聞だったりする。私達の間にセックスはない。だから、向かい合うことが出来る。優は時々朝ご飯を作る。おいしいというと、とても嬉しそうな顔をする。夜はムッシュと私は枕を並べて眠る。平穏な一日が過ぎていく。
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ムッシュ 12

2008-04-02 10:11:56 | 創作日記
日曜日にムッシュが送られてきた。
「ムッシュ(ロボ・ボーイ)が来ました」と優にメールを送った。
「月曜日の午後8時に伺います。ムッシュとの再会が楽しみです」
「OKです」
久しぶりに再会してスイッチを入れた。メニューボタンを押した。当然お子様ランチ。
「お子様ランチお一つですね。ありがとうございます」
懐かしい声が聞こえてきた。
「ムッシュ。君の名前はムッシュ」
「私の名前はムッシュ。名づけていただいてありがとうございます」
「ムッシュ」
「はい」
「聞いてもいい。君には心があるの」
「こころ…。分かりません。プログラムされていません」
私はムッシュをキッチンに連れて行く。コップをとり、蛇口を押す。
「できる?」
「はい」
ムッシュは正確に私の行為をまねる。私は拍手する。
「完璧だよ、ムッシュ。私についてきて」
私のマンションは2DKだ。一部屋は机とパソコンを置いて書斎ふうに使っている。もう一つの部屋は寝室。
「掃除をお願いね」
彼自身が掃除機になっている。掃除をし始めたので慌てて言った。
「いいの、明日からで」
ムッシュは頷いた。
「分かりました。あなたの名前は?」
「私は村瀬瞳」
「私はなんて呼べばいいのでしょう」
「瞳でいいよ。ひとみって呼んで」
「ひとみ」
「はい」
「とても素敵な名前ですね」
私は再会を祝して、ワインを抜いた。
「ムッシュ、君と私に乾杯」
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ムッシュ 11

2008-04-01 09:50:06 | 創作日記
敦賀まで一緒のタクシーで帰った。車内では一言も喋らなかった。
駅に着くと、
「僕はもう少し先に行ってみようと思います」
と、言った。
私は京都に帰ると言った。
一回だけあの長いトンネルを通ったことがある。出口がないような長いトンネル。ずーと暗闇の中にいるようで怖かった。敦賀は私の終着駅だ。
「それと」
彼は言いよどんだ。
「あなたの家に行っていいですか?私は水村と言います」
彼は名刺を出した。水村 優。優の字にユウとふりがながあった。
私はしばらく黙っていた。彼も言葉を続けなかった。私は手帳を出し、私の住所と名前を書いた。携帯の電話番号も書いた。電車の時間が迫っていたので、私はホームへ急いだ。振り返ると彼が手を振っていた。私は無視して、ホームへの階段を上がった。柳原さんが、帰りがけに言った言葉が突然頭に浮かんだ。
「ロボ・ボーイが死ぬ日が来ます」
「死ぬ…」
「全機能を停止する日です」
私は何故か分かるような気がした。彼は続けた。
「明日かも知れないし、100年後かも知れない」
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