木綿:
誰の為の貿易なのさ
日本の自動車・精密機器企業は国際競争力がある立派な会社が多い。それは、それらの企業が一生懸命企業努力をしてきたからだとは思う。
だからといって、国際競争力のない分野が「努力が足りない」とばかりの言い方は、金持ちが「貧乏人は、所詮、努力が足りんのだ。」という論法に似て、鼻持ちならない。
そりゃあ、努力が足りないで貧乏しているヤツは、それなりにいるだろうが、貧乏している人全員が、努力不足というわけではないだろうに。奮闘努力のかいもなく、生活苦にあえいでいる人の方が実際には多いと思う。
同じように、今、うまくいってる企業が全て「100%自社努力」だったわけではあるまいに。
日本人の利益なんか二の次の米国が日本をいじるのは、ある意味わかるが、日本人でもある経団連の会長ともあろう人が、日本全体のことを見ずに、「自社を含む勝ち組」だけの利益しか、考えていないかに聞こえる発言は、なんちゅうか、頭が痛いですわ。
いかりや:
>経団連の会長ともあろう人が・・・なんちゅうか、頭が痛いですわ。
今の日本は、「偉くなるほどバカになるという法則(笑)」が成り立つのではないかと思っています。小泉・竹中氏ら、麻生、菅をはじめ、東電の会長や九電の社長などあげればきりがない。
巨悪を眠らせないと豪語し、法を遵守すべき検察が裏金疑惑、しかも具体的な証拠もないままに、自分たちがでっちあげたシナリオに沿った供述調書で起訴する。それをバカな裁判長が裁くから、いったん起訴されれば99%は有罪になる。どれだけ多くの人が冤罪に泣かされていることか、それでも検事も裁判官も、無謬の存在として誰も罪も責任も問われない。しかも彼らは高給取り、税金に寄生する害虫?ほんまに・・・なんちゅうか、頭が痛いですわ。
世間では「国際競争力」という言葉をを安易に使いますが、私に言わせればいろいろな意味で、極めて胡散臭い言葉だと思っています。
そもそも基本的条件がそれぞれ異なるものを一緒くたに比較しても意味がありません。例えば「米作」は、起伏の多い日本と、だだっ広いアメリカとでは、効率よく作れるアメリカのコメが安いに決まっています。それに、為替レートという妖怪が介在して値段を歪めています。
『勝ち組』という言葉をよく耳にしますが、これほど不愉快な言葉はありません。(スポーツの世界なら、競争を楽しむことが基本ですから、勝者に拍手を送りたいと思うが)。
例えば、トヨタやホンダの車がアメリカの市場で『勝ち組』になったけれど、その陰でデトロイドの自動車産業は衰退して何万人かの労働者が職にあぶれて泣いている。
ニッサンのカルロス・ゴーン社長の昨年の年収が9億8200万円だった。国際的に普通のレベルの報酬だという。しかし、その陰で子会社や関連企業を含め何万人かの人がリストラされ、非正規労働やアルバイトやパートの生活を余儀なくされた多くの人がいる。日本人が嫌がる首切りを、血も涙もなく率先して実行した斬首係長カルロス・ゴーンに一日でも早く弔鐘のゴーンが鳴る日が来ることを・・・。
農業の衰退は日本人の努力が足りないからではない、
日本の食料自給率は40%以下に下がっています。日本の農業は国際競争に敗れて、日本農業は年々衰退し、後継者不足(現在農業従事者の60%以上が65歳以上)である。
農業を採算に合わなくしたのは、農家の努力が足りないからではない。アメリカの為替政策に乗せられた政治が悪いからです。かって日本の農業人口は1400万人を越えていた、現在は約260万人。農業を採算ベースに乗せれば、雇用も100万人以上は増やせる、食料自給率も70%くらいにはなるだろう。毎日の食品くらいは、安心して日本産を食べたいと思う。
スーパーの食品売り場では、日本品を探すのが難しいくらい。肉はアメリカ産、オーストラリア産、カナダ産ばかり、ノルウエー産ニシン、チリ産サケ、アジはオランダ産などなど、野菜は相変わらず中国産が多い。スーパーの惣菜は原産地は記載されていませんが、100%近くが輸入食材だと思う、外(レストラン)で食べる食材の殆どは安い輸入食材ではないでしょうか。ほんまに・・・なんちゅうか、頭が痛いですわ。
蛇足:中国は急速に経済発展しています、その一方でかっての日本でも起こった公害問題が深刻だそうです。野菜をつくるのに病害虫を防ぐ多量の農薬の使用、養殖ウナギに禁止薬物などなども・・・・。
例えば、このままではさらに、
中国 化学肥料依存症が出現
【新唐人2011年10月2日付ニュース】中国で化学肥料の使用量が急増しています。政府は化学肥料の生産を後押ししているものの、使用基準などの正しい情報を伝えていないため、各地で農民の「化学肥料依存症」が生まれています。
中国 鉛中毒の子供が数十万
新唐人日本2011年6月18日付ニュース】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)は15日、中国で蔓延する鉛中毒に関する報告書を発表。何十万人もの子供たちが工場から排出される鉛にさらされ、心身に永久的な傷害を負う恐れがあると指摘しています。
中国南部 6割の米でカドミウム汚染
【新唐人日本2011年2月17日付ニュース】最近、南京農業大学の農業専門家は、ショッキングな情報を暴露しました。中国で市販されている米のうち、10%はカドミウムが基準を超え、特に南部では基準以上の米の割合が60%に達したというのです。
中国 重金属汚染著しく悪化
【新唐人2011年4月22日付ニュース】広東省の経済地域・珠江デルタの鉛汚染が更に悪化していることが、調査でわかりました。中国の南方地域には、鉛精錬や鉛蓄電池企業が多く、汚染物質の排出や使用済み蓄電池の低回収率が、汚染の主な原因だと言われています。
新自由主義の総本山、アメリカでその矛盾が爆発しデモが頻発しています。この流れは誰にも止められないでしょう。しかしこの日本では未だこのパーリアキャピタリズムを信奉している馬鹿が多いのは辟易します。ゼロサムゲームのようなことをやっていては貧乏人が増えるのは当然のことです。
分厚い中間層がいてこそ経済は発展し所得や雇用が増えるのがなぜ経団連や小泉残党にはわからないのでしょう。
共産主義も新自由主義も結局机上の空論で人間に対する洞察が欠けた欠陥品です。
結果、海外からの安価な商品に競争で負け、ローマを支えていた中産階級である自作農民は没落。彼らが支えていたローマ軍はいつしかゲルマン人傭兵にかわっていく。
日本国は、経済戦争に勝利して、海外に工場を保有すつようになると、そこで生産された製品を国内に輸入することになった。
ところが、国籍・通貨は統一されていないなど、関税を含め、様々な障壁があって、簡単には持ち込むことができない。
おお、ならば米国の尻馬に乗って、関税を撤廃させてしまえばいいじゃないか、と気付いた国際的企業の経営者たち。
あほか。