いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

日本の没落:日本が日本でなくなる日・・・

2011-10-17 16:07:56 | 日記

木綿:

 ローマ帝国の衰亡、
 カルタゴやヘレニズム諸国との戦争に勝利したローマの資産家たちは、新たに獲得した海外領土に大規模な農場を営み、そこで生産された安価な作物をイタリア本土に持ち込んだ。

結果、海外からの安価な商品に競争で負け、ローマを支えていた中産階級である自作農民は没落。彼らが支えていたローマ軍はいつしかゲルマン人傭兵にかわっていく。

 日本国は、経済戦争に勝利して、海外に工場を保有すつようになると、そこで生産された製品を国内に輸入することになった。

ところが、国籍・通貨は統一されていないなど、関税を含め、様々な障壁があって、簡単には持ち込むことができない。

 おお、ならば米国の尻馬に乗って、関税を撤廃させてしまえばいいじゃないか、と気付いた国際的企業の経営者たち。 あほか。

いかりや:
>結果、海外からの安価な商品に競争で負け、・・・

>ならば米国の尻馬に乗って、関税を撤廃させてしまえばいいじゃないか、と気付いた国際的企業の経営者たち。 あほか。

勿論、TPPは、農産品だけが対象ではない、あらゆる商品から、医療や介護サービスなど労働力も自由化される。円高によって日本産品は締め出され、日本の産業は益々空洞化が進む。日本企業はやむを得ず、安い労働力として外人労働者を雇うことになり、日本の労働者の賃金は低いままに据え置かれるか、嫌われて締め出されることになる。

 介護の世界では、インドネシアやフィリピンの安い介護士たちが介護の現場に入ることになるだろう(現在、そのための研修制度が実施されている)。
そうなれば、それでなくとも、日本の介護士たちの賃金が低いのに、益々低いままに抑え込まれる。JALは経営不振に陥り、多くの日本人パイロット、スチューワードはリストラされた、不足が生じれば、外人パイロット、外人スチューワードに切り替えるらしい。

 そこにあるのは「儲かりさえすればいい」というモラルを喪失した自由な競争だけ、つまり究極の市場原理主義(儲け第一主義)が闊歩する世界になり、グローバルな経済戦争が激化するだろう。

 筆者はTPPはおろか、「自由貿易」とグローバリゼーションそのものさえ考え直すべき時にきていると思っているが、事態は悪い方向へ逆行している。

トッペイ:

 共産主義が約70年で消滅しましたが、新自由主義は20年で滅びようとしています。

 新自由主義の総本山、アメリカでその矛盾が爆発しデモが頻発しています。この流れは誰にも止められないでしょう。しかしこの日本では未だこのパーリアキャピタリズムを信奉している馬鹿が多いのは辟易します。ゼロサムゲームのようなことをやっていては貧乏人が増えるのは当然のことです。

 分厚い中間層がいてこそ経済は発展し所得や雇用が増えるのがなぜ経団連や小泉残党にはわからないのでしょう。

 共産主義も新自由主義も結局机上の空論で人間に対する洞察が欠けた欠陥品です。

いかりや:

>共産主義も新自由主義も結局、机上の空論で人間に対する洞察が欠けた欠陥品です。

 この世のなかに理想的な政治もなければ、理想的な政治家もいない。「共産主義社会」は理想的と思っていたが、それは理想的と錯覚していたに過ぎなかった。共産主義の社会であれ、どんなに素晴らしい思想に基く社会であれ、生身の人間の誰かが統治しなければならない。欲望に満ちた人間が統治するのだから、「統治すれども君臨せず」などと綺麗ごとなんてことはあり得ない。

 新自由主義というのは裏を返せば欲望主義でしょ? 人間は元々欲望の固まりですから、やりたい放題の欲望主義(新自由主義)は弱肉強食の動物の世界と変わりない、強いものが支配する世界になります。そして強い者からみれば、弱者に向かって「お前たちは努力が足りなかったんだから・・・」、そう言うお前らこそあほか。

その欲望をコントロールするのが政治の役割の一つ、その欲望をことさら奨励するなどという馬鹿げた新自由主義がうまくいはずがない。そんなことは「ど素人」でも最初からわかっていた。利己主義者(欲望主義者)たちが、新自由主義というオブラートをかぶせて格好をつけていたに過ぎない。我欲を奨励する考えですから、そんなものが思想に値するものではないし、うまくいくはずもない。その行き着く先は、社会的大混乱(民衆のデモ)の発生となる、必然的な流れだと思います。

 新自由主義とゼロサムゲームについて、
 地球は狭くなった。国際市場と言えども限られた市場や資源である、「国際競争」すれば、勝ったものが資源や市場を占有する。負けた側は傷つく、「誰かが儲ければ、誰かが損する世界」です。

 自由もまたゼロサム構造、支配者と被支配者の関係は、支配者の自由は被支配者の自由度を狭くしている。他人が自由を謳歌すれば、もう一方は不自由になる。トータルすればプラス・マイナスでゼロになる。この世の中は、基本的にゼロサム構造になっていることは以前にも述べましたが、一番典型的な例はバランスシート、左側資産の部の合計と右側負債の部の合計は必ず同じであり、あらゆる企業がこの原則からはずれることはあり得ない。

 >「分厚い中間層がいてこそ経済は発展し所得や雇用が増える・・・」、

 豊かさ『所得』は、平均値を中心にして左右対称型、つまりおおまかには正規分布型の経済構造が最も自然な姿であり、経済も発展しやすく社会も安定するというのが私の持論です。平均値を中心に考えれば、左右「ゼロサム構造」ということになります。

 それはトッペイさんの言う「分厚い中間層がいてこそ経済は発展し所得や雇用が増える」ということとほぼ同じことを意味すると思います。

以上長々と、いかりやの独断と偏見に満ちた怪説におつきあいくださり、ありがとうございました。



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4 コメント

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Unknown (ママ)
2011-10-19 14:00:23
正論。

TPPに日本が参加しなければ、アメリカは崩壊するのでは。

ともかく、20日からの国会。どうなるか。

小さいけど毎日毎日、議員にTPP反対メールを送る日々です。



英語考 (明け烏)
2011-10-19 15:59:27
英語なぞ必要はない、と中学生の頃から半ば以上本気で思ってきた。したがって同級生などが英検を受けるだの何だのと騒いでいるときも全く無関心だったゆえ、未だに無級である。算盤が9級で終わったことともに如何にも自分らしいと意外に気に入っている。ヘソと性格が捻じ曲がっているのだ。

2ヶ月ほど前の「文藝春秋」に塩野七生さんが、自分は日本に帰ったときには、文章の校正、出版社との打ち合わせ、対談などで分刻みのスケジュールなのにイタリアにいるときよりもストレスを感じない旨を述べてソニーやユニクロが社内用語として英語を採用することをたしなめたエッセイがあって、この方の見識に感心した。

昨日、ソウルにいる息子から久しぶりに連絡があった。韓国の経済状況がさらに悪化してこのままでは、生活できないので日本に戻る予定だという。ソウルでは韓国語のほかに英語・日本語ができることが最低条件だがそれをクリアしたところでろくに就職さえ出来ないとのこと。息子いわく「英語のできるホームレスなぞいくらでもいる。治安が悪化してしまって英語でホールドアップされかねない」。こういう動静がまったく日本に伝わってこないのは報道機関のどこかが間違っているからだろうが、明治以来、是正されたことはなかったと思う。アメリカの事情についても同様であろう。

巷間、騒がしくなっているTPPを結べば遅かれ早かれ、そして程度の差こそあれ、今、ソウルで起こっていることが本邦にも必ず起こる。属国は収奪を受けるのが当たり前だからである。日本のあちこちで英語を使っての就職活動が行われて長蛇の列ができるというような地獄絵図が展開されるのは何としても避けなければなるまい。そしてこういう厳しい身分に落ち込んだときに、これにもっとも耐えられないのはTPPを推進している民主党執行部、とくに七奉行と呼ばれた政治家やこれを操り人形にしている官僚たちであると信じる。まあ、自分たちだけは何とか1%の支配階級に残ろうと必死になるのは理解できるが。
英語ねぇ・・・ (木綿)
2011-10-19 16:48:35
昔、地方訛りがある人を馬鹿にする人達がこの国にはたくさんいたような気がする。今も、いないわけではないけど、お笑い界などは、関西系日本語が席捲しまくっているように、どっちかというと、それも個性?みたいな位置づけになって、かえって、訛りを売り物にすらできる社会になった。国内だけでなく、外国の人が話す訛りのある日本語もそうで、訛りがあるからといって、その人を見下すような人は大分少なくなってきたように思う。日本人もだいぶ、民族的に練れてきたんだなぁと思う。

で、英語だ。現状は頭がいたい。

英語を公用語にするのは、いいんだけど、民族にはそれぞれ独自の発音というものがあるから、方言はなくならない。私には非常によく聞き取れるジャパニーズイングリッシュ(当たり前か)もあれば、文法勝手なピジンイングリッシュも、世界中の聞き手に脅威を与えるヒンドゥーイングリッシュもある。最近はフランス人まで英語使うようになったけど、フランス人の英語は聞き取りやすい。それは母音の発音が私たちのそれととても近いからだ。

おそらくビジネスなどで、英語を使わざるを得ない人達にとって、最も何いってるのかわからなくて悩まされるのは、米国と英国の人間が早口でまくしたてているときの英語だろう。何いってるのかさっぱりわからん。

そんな状況なのに、英国上流英語やアメリカ東部訛りの英語だけが偉くて、ほかは頭わるいんちゃうか、なんて見下すなんつうのは、たまらんのですな。米英に行くと、その偏見を結構濃厚に味わされる。特に、最近、そうした「標準英語」を身に着けたばかりの移民二代目とか三代目の金融経済界や行政組織の中に鼻持ちならんやつがいる。知能は明らかにこっちの方が上なのに、あいつら日本の大学の偏差値分布なんぞ、よう知らん。(まぁ、これは私たちが途上国の大学を軽く見るのと同じですけどな)

 そんなに、標準英語が話せるのは偉いのか?たまたまそこで育っただけのことのくせに。まだ、アメリカ人は民族的に「練れていねえなぁ」と思う。

英語なんか簡単だ。向こうじゃ子供だって話してる、というのはジョークだけど、実際、簡単。問題なのは、ネイティブの人間が話す英語が、訛り(!)がきつくてききとれないだけのことだ。そいうときは

I BEG YOUR PARDON とか
SORRY,PLEASE SPEAK AGAIN とかいってるからなめられるんだ。普通に、

I CAN'T GET IT.SPEAK MORE PLAIN.でいいと思うよ。
ママさん (いかりや)
2011-10-21 06:39:28
ママさん、
>小さいけど毎日毎日、議員にTPP反対メールを送る日々です。

結局、国民一人ひとりが声をあげること、意思表示することしかないと思う。

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