いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

為替は投資対象になるのかどうか? 円高を外国人の側からみれば、

2011-10-26 19:16:13 | 日記

 「タイの洪水では、これまで中部アユタヤの5つの工業団地と新たに浸水したバンコク近郊の「ナワナコン工業団地」の合わせて6つの工業団地でおよそ430社の日系企業が浸水の被害を受けています」(NHKニュース)。タイの工業団地に日系企業430社余りが進出しているとは、驚きである。「円高」がもたらした日本国内経済・産業の空洞化をあらためて認識せざるを得ない。

 この世のなかにうまい儲け話はない、とくに今の日本は。

 「為替は投資対象になるのかどうか?」は、具体的に言えば今大はやりの「FX取引で儲けられるのかどうか」ということに尽きると思う。 筆者は「金で金を売ったり買ったりすることはそのものずばりの投機である」と思っているので、FX取引は賛成しない。

 FX取引会社の宣伝文句によれば、200倍~300倍のハイレバレッジで取引可能なFX会社も珍しくない、余りにリスクが大きい。円高によって、殆どの日本人個人投資家は損しているのではないだろうか。天罰だとは言わないが、気の毒なことだと思う。

何故FX取引が日本人の場合損するのか、7月2日の日記のなかで述べた具体例でわかり易く再説明を試みます。

例えばの話をいたします、
プラザ合意前に日米両国のサラリーマンがそれぞれ老後にそなえて25年ものの外貨定期預金をしたとします(米サラリーマンは円の定期、日本人サラリーマンはドルの定期預金)。その当時の為替レートは1usドル250円でした、それぞれの金利をドル預金の年利率3%(複利)、円預金の金利は1%(複利)といたします。

 米サラリーマンA氏は当時の為替レート1usドル250円で1千万円(4万ドル相当額)の外貨(日本円)を年利1%、日本のサラリーマンB氏は1千万円相当のドル預金:4万ドルを利率3%で預金したとします。

 25年後満期となった今日二人の結果はどうなったでしょうか。
 米側のA氏の場合の手取りは1千万円→1282万円です。日本のB氏の手取りは、4万ドル→8万3751ドルでした。当然のことながら、見かけ上は高い金利を利用したB氏の勝ちです。しかし、この25年間に為替レートが1usドル、250円→80円に変化しました。

 その結果A氏の場合、自国通貨ドルに換算すれば、4万ドル→16万250ドル となり12万ドル以上も増えました。日本人B氏の場合は1千万→670万円と300万円以上も目減りしたことになります。当然のことながら、いかに為替による影響が大きいかということを示しています。

蛇足:うまい儲け話はない。

昔なら、長期の定期預金なら、金利は4、5%は当たり前だったが、庶民は危ない橋を渡る必要もなく手堅く定期預金でささやかな楽しみがあったが、いまはそれさえもなくなった。

ゴルフ会員権、
10年以上前の或るゴルフ場での昼食時の話題である。
その日、ハーフを終えて昼食時の知人との会話でゴルフ場の会員権が暴落していることが話題になった。バブルの頃に定年退職した人が、退職後の楽しみと利殖を兼ねて退職金を注ぎ込んで夫婦二人分の会員権を買った。ところがそのゴルフ会員権は1/3~1/4に暴落、利殖どころか老後の資金まで失ったと嘆いているという。それから10年以上も経過した今日、会員権は更に下がっている。

株価はバブル時の日経平均最高値は、38,915円である。それが1/4~ 1/5であるから、ゴルフ会員権の暴落と似たり寄ったりである。

TPP導入の場合、

関税障壁だけでなく労働力も自由化されるだろう。つまり、安い外人労働力が気軽に使えることになる。

人手不足の介護現場に救世主か?インドネシア人介護士受け入れは、

 母子家庭で幼い子供を託児所にあずけて、母親は介護の現場で働いて生計をたてているとしよう。彼女は時給1000円で、1日8時間勤務で月25日働いたとすれば、彼女の月収は20万円になります。この20万円から、託児料を払い、家賃や電気・水道料や電話料を払えばぎりぎりの生活になります。

 一方、この時給1000円を外国人からみるとどうみえるか、1usドル150円の時代なら、時給1000円は、6.67ドル、それが現在1usドル77円、従って現在の1000円は彼らの側からみれば、12.99ドルに相当する。日本人にとっては1000円であることには変わりないが、外国人介護士からみれば円高によって、ほぼ2倍になっている。

外国人介護士からみれば、日本の介護の仕事は極めて高級取り、魅力的な仕事に映るだろう。更に言えば、インドネシア通貨ルピアは、usドルに対しても1997年の通貨危機以降約1/4にルピア安になっている。都合日本円は彼らからみると約8倍になっているのである。

 これは介護の現場ばかりではありません。円高は外人からみれば、非常に魅力的な理由はそこにある。この現象はTPPに参加すれば、大企業から中小企業にいたるまで外人労働力導入の垣根が撤廃され、外人労働者が押し寄せてくるだろう。そして日本人労働者の賃金は低く抑えられたままになるのではないかと危惧される。



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2 コメント

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自由 (木綿)
2011-10-27 11:15:01
自由はアメリカやフランスの好きなワーディングですよね。私も自由を愛する者の一人なのですが、修辞学として使われる「自由」は、嫌い(dialike)どころではなく、大っ嫌い(hate)ですねぇ。

為替の円転規制や実需取引の原則が撤廃されて取引が自由化されたのは、84年だったかしら。「流動性を与え、市場を適正化させる」という美名の下に、投機(supecuration)取引まで、自由にできるようになった。規制が外されたからには「投機と投資の区別を見分けることは実質的に不可能」ゆえに「投機が入り込むことはやむをえない。」と容認され、野放図になった投機筋は雪だるま式に巨大化し、現代に至る。賭博罪の条項をもう一度読み直してほしいものだ。

それはともかく、市場が本当に機能しているのなら、一番強い「円」が世界の基軸通貨になっても、いいはずなのに、この四十年世界で一番強い円がそうならないのはなんでだろう?世界中の商品が円建てで取引されてしかるべきだと思うのにそうならないのは、なんでだろう。為替の世界に、本当の「自由」なんかないからだ(笑)。

それでも「自由」に対して、物申すことは容易ではない。戦前、カシコキあたりに物申すことが難しかったのにも似る。「自由貿易」に物申すのもそうだ。保護を口にする者は、アメリカの敵、つまりは人類の敵となる。されど、国として平均関税5%取ってる国が、関税2%しかとっていない国に、自分の強い分野だけで「自由」な貿易を要求して関税ゼロにせいというのは、強欲であきれるというか、本来なら噴飯ものだろう。

自由貿易やりたいならガットがある。でも、そんなの理念だけで、実際にはありえないことだから、世界中がなんらかの形で「保護貿易」をしている。どこにも存在していない「自由貿易」をあたかも、存在しているがごとく振りかざして恥じない修辞学。そのお先棒を担ぎたがる動機か性根が不純な事大主義者たち。

「自由」とは何か。また自由の濫用・跋扈をどう防いでいけばいいのか。頭いてえ。
Unknown (トッペイ)
2011-10-27 12:13:54
自由貿易といえば、聞こえがいいがこれは関税自主権の撤廃でしょう。
江戸幕府が、米国と結んだ不平等条約を改正するため先人たちがどれだけの苦労を強いられたかアホのマエバラやメタボはわかっているのでしょうか。日清、日露の戦役で民草の血が流されてやっと勝ち取った権利を弊履のごとく捨て去ろうとする売国奴はこの日本に必要ありません。ついでに自分のことしか考えないあの頭のおかしい経団連は解体すべきだと思います。

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