なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

陰獣(2008年・仏)(日本公開:2009年)

2013-10-13 12:28:12 | 映画
陰獣 [DVD]
ブノワ・マジメル,源利華,石橋凌,西村和彦,藤村志保
Happinet(SB)(D)

 監督・脚本:バーベット・シュローダー
 原作:江戸川乱歩『陰獣』
 出演:ブノワ・マジメル、源利華、石橋凌、西村和彦、藤村志保、菅田俊

 【あらすじ】 form amazon
 日本の作家:大江春泥を敬愛してやまないフランスの犯罪小説家アレックス(ブノワ・マジメル)は、大江の作品を非常に意識した新作を発表し、日本にプロモーションにやってくる。もちろん大江にもできれば会いたいという思いを抱え来日するが、この大江という作家、世界的に有名であるのに、誰一人として姿を見たものはいないという。
 京都でプロモーションを続けるアレックスは、ある日、出版会社の接待で御茶屋へ行くことになる。そこで流暢なフランス語を話す美しい芸妓(源利華)に出会う。彼女との出会いがアレックスの運命を大きく変えていくことになるが…。

 ▼ 予告編。よい子は見ちゃダメ。(>_<)

陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション4 (角川ホラー文庫)
江戸川 乱歩
角川グループパブリッシング

 原作小説を読んだのは20代だったかなあ?

 犯人は印象的だったので覚えているが、ストーリーはなんとなく覚えているようで覚えていない。

 けれど、原作の時代背景は昭和初期で、舞台は東京でありました。もちろんフランス人の推理小説家なんて登場しないし、舞妓はんも出てこない。

 原作のエッセンスを残しつつも大幅に脚色した、フランス人による現代京都を舞台にしたサスペンス映画であります。

 多少エロ・グロシーンはあるものの、R指定にはなっていません。でも、よい子は観ない方がイイかなあ。一家団欒で観るのはむろん厳禁! 茶の間が凍りつくこと必定なり。(;゜Д゜)ぐは

 カメラの性能? 照明の当て方? 外国人がニッポンを撮ると、なぜか別世界のニッポンになってしまいますよね。

 ご多分にもれず、この映画もどこか異質なトーンの画面なのでありますが、逆にそれが乱歩センセが描いた「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」という現実と虚構のはざまを表現しているかのようであります。

 ▼ 映画の冒頭に映るおなじみの祇園・辰巳大明神も、なんか違う雰囲気である。


 ▼ 洋画にしては、日本の文化をトンデモに表現していないぞ。

 ▼ 八坂神社の神紋に似ている提灯の紋。描写設定が細かい。

 ▼ さりげなく京都市伏見区出身の西村和彦氏を起用しているところもトレビア~ン。

 日本製の京都ドラマで、登場人物たちが標準語を話しまくる違和感に比べたら、この映画はかなりの京都通ざんす。
 フランス人が勉強しているのか、日本人スタッフのアドバイスなのかは存ぜぬが、この映画、フツーに京言葉が使われているのもトレビアン。
 ▼ ただ、このCGはいただけない。(奧に富士山がなくて良かったが、)高層ビルと五重塔と新幹線の取り合わせ。なんじゃこりゃ~!

 ▼ 現代の芸妓さんは、へそピアスしてはってもフツーなのか? オイラの偏見か?

 ▼ 平安神宮。

 京都が舞台となっているが、ロケ地は京都以外に金沢、横浜、東京のようである。

 ▼ 仁丹風の町名表示もあり、いかにも京都のお家という雰囲気であるが金沢ロケ。

 ▼ 下鴨東元町? 架空のバス停と架空のバス。

 ▼ 横浜市の弘明寺(ぐみょうじ)商店街。

 ▼ ヒロインの芸鼓を演じる源利華さん。いかにも外国人が好みそうなアジアン・ビューティーな風貌である。

 最初、ニッポニア・ニッポンのオイラの好みではなかったのだが、映画を観るにつれ、段々引き込まれていく味わいのある魅力的な女性であることに気づいたざんす。

 ▼ 現役モデルさんだけにスタイルも良い。 (;゜∀゜)=3 手足が長い!

 ▼ 芸鼓姿も艶やかでありました。

 もしこのヒロインを、日本サイドが推す宮沢りえさんや寺島しのぶさんが演じていたのなら、日本での観客動員数は増えたかもしれませんが、映画の価値は半減していたのではないだろうか?
 日本で馴染みのなかった源利華さんが演じることで、謎めいているヒロイン像がよりリアルにオイラに迫ってくるのでありました。

 この映画を酷評する方々もおられるようですが、天知茂氏の明智小五郎シリーズをかつて観ていたオイラにとっちゃ豪華絢爛、夢のような映像美!
 制作費がまったく違うんでしょうな。(;´д⊂) グスン

 ちなみにオイラは、『少年探偵団シリーズ』を読みふけっていた小学生だったのである。

 大人になって、デビュー作『二銭銅貨』を発表時の大正12年(1923年)、江戸川乱歩センセは門真市の借家にお住まいだったことを知った。
 オイラの故・じいちゃん、ばあちゃんも門真市在住であった。

 じいちゃん・ばあちゃんの家から乱歩センセの借家跡まで、徒歩四~五分の距離だったのにはビックリしたな~もう。

 Jadis, si je me souviens bien……オイラの記憶が確かならば、昭和40年代、借家跡にほど近い小さな商店街の一角で、トラが巨大な檻に入れられて飼われていたように思う。
 あれはうつつかまぼろしか……。



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