なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

大文字山を大いにタンノしてきました。(T_T)

2011-02-22 08:52:11 | 大文字山&周辺
大文字山を歩こう―里山で自然観察
クリエーター情報なし
ナカニシヤ出版

 さて今回のミッションは、前回道に迷ってしまった法然院ルートを完歩してマスターすることと、新規ルート開拓として中尾城跡ルートを完歩してマスターすることなのだ!

                    ○

2月21日(月)

7:30 やって来ました北白川今出川交差点。

↓ いつものとおりここからスタート。

 以前、法然院ルートで「カブトムシの森」(善気山)まで行っているので、今回はまず善気山を突っ切って火床をめざしてみたいと思う。

↓ 疎水沿いの一角にだけツバキの花が咲いていた。諸君、春はもうすぐぜよ!

↓ 6:00に開門している法然院に立ちよってみた。今日の白砂壇(びゃくさだん)はこんな模様だった。

↓ 境内で黒猫発見! フラッシュの光に驚いて逃げていったよ~(@_@)

 それじゃあ山へ行きましょうか。

7:50 法然院の墓地にあるアショカ王の仏舎利塔を左に曲がり、

山道に入っていく。

↓ いきなり急な山道が続き分岐ポイント(左コース、直進コース、右コース)へ到着。右の階段を選ばず、左の山道を進む。

↓ 「大文字山」と「観察の森」との分岐標識。どちらを進んでも大文字山へ行けそうだが、尾根道の大文字山方向を選んだ。

 歩きやすい尾根道はすぐ終わり、またもや急な登り道となる。

↓ またも分岐ポイント。左(写真中央の道)に行けば月待山なのか? 苛酷な右の道を選んでひたすら登るのだ。あゝ、汗がにじんできたぞ(゜ε゜;)

↓ 善気山に向かう道中で標識があった。観察の森経由でもここまで登れるようだ。

8:10 心臓破りのピークを登り詰めてやってきましたカブトムシの森(善気山)。

 以前は暑さと体力消耗のためにここで法然院に引き返したのだが、今回は直進。

 あっけなく千人塚付近の森に出た。

↓ 大の字の左の払いの字画に沿った階段に出たら、ひたすら懸命に登る。

8:20 火床の金尾(かなわ)に到着。

弘法大師堂の温度計は3℃。

 ここでしばし休憩。買っておいたおにぎりを食す。今日は平日なので登山者の数も少ない。オイラ一人だけが火床にいる状況にもなって、プライベートビーチならぬプライベート大文字山を満喫したぜよ。スゥッ・・・(ーoー)y゜゜

                    ○

 さあ次は中尾城跡ルートを新規開拓だ。

8:40 火床~大文字山山頂の間にある中尾城跡ルートの取り付きに向かった。何回か通っているがそんな分岐があったのか定かではないので、直接現地に行って確かめるしかないのである。

8:50 最初のピークを越え、取り付きらしきところを発見。ナゼかこの辺だけ道がぬかるんでいるのが怪しい。多分ここだと思い写真右下の尾根道を下ることにした。

 はたしてこの道が正しいのかはわからない。一定の間隔で木に巻きつけてあるリボンをたどっていくことにする。途中T字路に出くわしたがリボンこそが道しるべなのさ、と左コースを選択。

 おお、先週に引き続きまたもや鹿を発見! だが鹿の方が素早く、「キィーン」と鳴きながら森の中に逃げ込んでしまい、またしても写真撮影できなかった。

 道はクッキリはっきりしているので、進めばどこかへ通じているはずだ。リボンを追ってドンドン突き進んでいくと、またしても道なき道の急斜面に出くわしてしまった。降りるべきか戻るべきかを逡巡していると、急斜面の下の茂みの向こう側には道があって、一人のおばちゃんハイカーが歩いている姿が見えた。

 もし、おばちゃんハイカーを見つけていなかったら、オイラは更なる人外魔境へと突き進んでいたかもしれぬ。平日で登山者が少ない日に、メインルートではない人気のない道を歩いている人と出会えたということは、オイラの常日頃の品行方正な行いに対する天の計らいと言わざる得ないであろう。さらにもう一つ言えば、時間が1分違っていただけで出会えるか否かの運命の分かれ道が待っていたのだぞ。

「あの人こそ運命の人!」

 道を訊ねようと思い立ち急斜面を滑走したのだが、道に出たときにはおばちゃんは通り過ぎてしまった後だった。走って登り道を追いかけたが、道はクネクネしていておばちゃんの姿が見えない。あれは幻だったのか? ようやくおばちゃんの姿を捕捉したので呼び止めようとしたら、百段ほどある階段の登り口まで来ていた。「この道はここに通じてたんか!」と叫んでしまった。

 おばちゃんハイカーが来た道を逆行してみることにした。

 約10分ほど歩くと砂防ダムが見えてきた。

↓ そして銀閣寺ルートにぶち当たった。オイラは「山火事注意」の看板の裏から出てきたことになる。この看板が旧道と呼ばれてる道の取り付きだったのだ。もっけの幸いで旧道ルートも制覇してしまった。

 看板の写真を撮ってたら、写真左側にも細い裏道があって、そこから一人のおっちゃんハイカーが登ってきた。裏道通なら中尾城跡ルートを知っているかも、と訊ねてみることに。

「中尾城跡やったら、火床の上の山頂までのピークを二つ超えたとこから北へ入る道があるからそこから行くか、朝鮮学校のとこから行くかやな」
「火床の上から道を間違えてここまで来てしもたんです。朝鮮学校のところから行ってみます」
「中尾城跡って何にもないとこやで。朝鮮学校のとこは登りが急やし、中尾城跡から火床~山頂ルートに出るのも道が入り組んでてややこしいで」

 親切にアドバイスしていただきありがとうございました。丁重にお礼を言い、オイラは銀閣寺ルートのスタート地点へと向かった。

                    ○

9:40 銀閣寺ルートのスタート地点である駐車場に到着。
↓ 奥に見える看板のところが中尾城跡ルートの取り付き。

 5分間、タバコ休憩。スゥッ・・・(ーoー)y゜゜

9:45 中尾城跡ルートに進行開始。

 いきなり険しい急坂だ。振り返ると背後には京都朝鮮学園の校舎が見える。

9:57 最初のピーク(「支峰」と呼ばれている)に到着。木々の向こうに北白川の街並みが見える。

↓ 東南方向に道があるので進んでみた。

↓ アバウトな表示を発見。木の幹にマジックで書き込まれている。

10:10 中尾城跡に到着。見晴らしはなく、木が植わっているだけで何もない。探せば城の遺構があったのかも?

 再度大文字山をめざすことにする。
↓ アバウトな表示をもう一個発見。

↓ 尾根道を軽快に歩いていたら、分岐ポイントに出くわした。道しるべはない。どっちを選ぶべきか?

 左の方が落ち葉の量が少ない。それだけ人が歩いているということだ。左を選んでみた。

↓ しばらく下ると沢に出た。先達のブログによると中尾の滝と呼ばれている場所があるようなので近いのか?

 もうこれが道なのか、道でないのかが判別できないので、さっきの分岐まで引き返し、右の登り道を進んでみた。落ち葉がモフモフしており、あまり人が踏み込んでいる気配がないのであるが……。

 尾根道を進んでいるとまたもや分岐に出くわした。今度も左の道を選ぶと枯れ沢のようなところに出た。またしても道が途絶えてしまっている。ここまでの道中、誰一人として出会う人がいなかった。四方は見渡す限り山、山、山のアドベンチャーワールドなのだ。今自分がどの辺りにいるのかがまったく分からないので、携帯電話のGPS機能を使ってみた。現在位置は「吉田神楽岡町」だと! オー、マイガー!!

 またもや分岐まで戻って右の道を進んだ。進んで進んで急な坂を登り詰めていると、前方の木々が少なめになって空がのぞいているのが見えた。あそこには何かがある!
 ビンゴ!

10:55 火床~山頂ルートに出ることができた。

↓ 119番通報の立て札「A-17が目印だ。

11:00 本日2度目の火床。もう汗だくなのだ。服を脱いでクールダウン。

 2度目の弘法大師堂。

 温度計は8℃になっていた。

 またしての休憩タイム。スゥッ・・・(ーoー)y゜゜

 残る霊鑑寺(れいかんじ)ルートを制覇すれば、ほぼ大文字山の火床へのルートは手中に収めたことになるぞ。それじゃ行っとこう。

11:15 大の字の右の払いの字画に沿って階段を降りる。

↓ 道なりに降りると「道しるべ」。前回はここを直進してしまい大失敗だった。今日は左へ行く。

 倒れた木が道をふさいでいたり、急な岩場があったりで歩きにくいなあ。

10:30 もうすぐアスファルト道に出るという場所で聴き慣れた歌が流れてきたぞ。

♪雪やコンコ アラレやコンコ
 シューワ石油のタンクローリー車だった。

11:35 霊鑑寺門跡に到着。

11:38 安楽寺前を通過。

11:43 本日2度目のアショカ王仏舎利前。水道の水で顔を洗ったら、ちめたくて気持ちがいい。

11:45 本日2度目の法然院。

↓ 法然院の前にある法然院森のセンター

11:50 哲学の道

↓ コメントを書き込みしていただいた臣又貝士口さんも喜んでくれるかと思い、疎水沿いにいたネコを撮影。

 何だか橋の下をしきりに気にしているぞ。

 鴨を狙っていたらしい。

 銀閣寺界隈の食事処へ入ってみようと思ったが、ちょうど12時過ぎのお昼時で満員だった。

 もう疲れたので大阪へ帰ることにした。

↓ 子安観世音。

12:30 出町柳駅前から大文字山を撮影。

                    ○

 今回の歩行距離=20.0km

 裏道を記載している詳細な地図は市販されていないので、自分で地道に調べていくしかないのかなあ。
 最近、山へ行けば人外魔境をさまようことがデフォになっているので、最低限コンパスは必携であるなと感じたけれど、今回歩いてみて、もう蜘蛛が巣を張りかけていたり、羽虫が所々で飛んでいたので、次回からは自重しないと虫どもに襲われそうだ。。。。タタタッ。ヘ(;・・)ノ

 最後に火床までのルートを私的に歩きやすさでランキングしてみよう。

1位 銀閣寺ルート…整備が行きとどいており道に迷うことはない。人通りが多いのも心強い。
2位 霊鑑寺ルート…今回は下山だけだったが道に迷うことはない一本道。岩場に気をつけよう。
3位 法然院ルート…健脚の人向け。善気山までたどり着ければ、火床までは目と鼻の先。
4位 中尾城跡ルート…健脚かつ本気の人向け。ディープな大文字山がキミを待っているぞ。遭難しても良いという人は行くがよろしい。 


松本さん、グラミー受賞おめでとうございます。

2011-02-16 07:35:00 | 音楽

 2月14日(現地時間13日)、アメリカ、ロサンゼルスで開催された第53回グラミー賞授賞式で、最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞に「B’z」のギタリスト松本孝弘さんとアメリカのギタリスト、ラリー・カールトンさんによる共作アルバム『TAKE YOUR PICK』が選ばれましたね。

 最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞にはピアニストの内田光子さん、最優秀ニューエージアルバム賞には、大阪出身の松山夕貴子さんが参加したポール・ウィンター・コンソートによるアルバム『ミホ:ジャーニー・トゥ・ザ・マウンテン』が、最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞には上原ひろみさんが参加したバンド「スタンリー・クラーク・バンド」が、それぞれ選ばれ日本人の受賞が相次ぎました。

 みなさん、おめでとうございました。

TAKE YOUR PICK
クリエーター情報なし
バーミリオンレコード

↓ このアルバム、オイラはまだ未聴であるが、なんだか良さそうだぞ。

                     ○

 今回の授賞式では、京都市出身みうらじゅんさんも敬愛するボブ・ディラン師匠のゲスト・パフォーマンスもあったのだ。

  おめでたい席上で何故「マギーズ・ファーム」という選曲なんだろうか?

 ♪マギーの農場で働くのはもう嫌だ 絶対マギーの農場で働くのはもう嫌だ

 ま、選曲のことは置いといて、本来ならアウトロでハーモニカをこれでもかと言わんばかりにプヒィ~プヒィ~したいところを(出演時間の尺の都合上なのか)、コンパクトに収めてかっこよく終わるところなんざ、今年御年70歳のいぶし銀のパフォーマンスでやしたね。

↓ 同曲。1965年、伝説のニューポート・フォーク・フェスティバルでのパフォーマンス。

                    ○

↓ 動き回るミック・ジャガー師匠。元気やなあ~。

                    ○

↓ 3部門を受賞したレディ・ガガ嬢は不思議な卵(?)に入ってやってきた。


東山コース(清水寺→東山山頂公園→南禅寺→大文字山→哲学の道)

2011-02-15 15:12:17 | 京都一周トレイル

 京都の俗諺(ぞくげん)で、今や全国区になったものがありますわな。たとえば「清水の舞台から飛び降りる」とか「白河夜船」とか「鰻の寝床」など。そんな俗諺にオイラがつけ加えたいのが「四七に停まりて五条に停まらず」。(その昔、ラジオでリスナーさんが作ったのをDJが紹介していたのですが、)意味は、<京阪電車の快速特急・特急・快速急行は祇園四条駅と七条駅には停車するけれど、清水五条駅には停車しない>というもの。大阪から京都方面へ行くとき、七条駅以降は各駅停車するイメージだったのが、この俗諺を頭にたたき込んだ以降、乗る電車をまちがえることがなくなりました。\(^_^)/

 で今回、急行に乗って清水五条駅で下車。めざすは清水寺子安塔であります。

                    ○

幽 2008年 01月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
メディアファクトリー

 この雑誌の中に加門七海さんがルポした『京都結界巡り』という記事がありまして、どうも子安塔はヤバイらしい。同行者の東雅夫編集長も【加門さんの言によれば、いわゆる霊感体質の人たちの間では、子安の塔付近で怪しい気配を感じたり、気分が悪くなったりする体験例が珍しくないのだそうな。】と記しており、編集長自身も霊に憑依されてしまったという。

                    ○

2月13日 6:50 清水五条駅に到着。国道1号線でもある五条通を東へと進む。

7:00 親鸞聖人の墓所、大谷本廟前に到着。

↓ 観光客の多くは左側の五条坂を登って清水寺へ行くのであろうが、オイラはあえて右側の大谷本廟沿いの道を選択してみた。

↓ しばらく、だらだらと坂を登っていくと、キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!

 かの時代、鳥辺野(とりべの)と呼ばれた埋葬地は、現代でも「墓の町」として残っているのだった。約4万平米の広大な墓地で、しかも墓石と墓石の間隔が非常に狭い。密集しており、もし墓群の中へ入っていったあかつきには、迷子になってしまいそうな場所なのだった。

 振り返ると、京都の街並みと雪化粧された西山の山並みが見えるよい風景なのでコンデジでパシャパシャと撮影してみたのだが、バッテリー表示が赤く点滅するのだ。「まもなくバッテリー切れになる」という警告なのだが……オイラは出かける前にバッテリーをフル充電してきているのである。そんなアホな!? その手の場所に行くと、精密機械のカメラやライトなどがぶっ壊れるという怪現象があると見聞きしたことはあるが、まさか自分の身に降りかかるとは……。(O_o)WAO!!! 墓地ではあるものの、これといって特に薄気味悪い気配は感じなかったのだが。

7:15 この状態で子安塔の写真が撮れるのか? と心配しながら墓地を抜け、清水寺に到着。

 コンデジのバッテリー容量はフル充電に戻っていた。さっきの現象は一体何だったのだろう……?

 音羽の滝を左に見て南下する。

7:25 人気のない坂道をしばらく行くと子安塔があった。が、ただ今、改修工事中でありました。

 子安塔からは清水寺の全景が見れるので、知る人ぞ知る隠れたビュースポットでもあったのだ。

 オイラが子安塔に行ったとき、すでに母子連れがおられたし、コンデジも調子が戻っていたので、怪しい気配はまったく感じませんでした。\(^_^)/

                    ○

 当初の目的は果たしたので、あとはオマケのようなものです。

 京都一周トレイルの東山コースがすぐそばにあるので、(前回は写真撮影をしていなかったので)再挑戦することにした。「標識No.17」から山の中へ入っていくのだ。

 前回登ったときにも感じたのだが、「標識No.17」から清水山へ行く道中が何かしら不気味な感じがするのは気のせいか? 霊感ゼロのオイラがそう感じるほどだから、その手の体質の人は行くのを自重した方がよいのかなあ。まあ、行きたい人は存分に行くがよろしい。

7:50 清水山山頂(標高242.5m)。周囲は雑木林で展望はありません。 

 ↓ 雪がところどころ残っており、アイゼンなしの軽い雪山登山を味わえました。

8:07 東山山頂公園に到着。

↓ こんな寒い日でも、ネコたちは日だまりで頑張って生きているのだ!

↓ 展望台から市内を見る。

 ↓ 展望台から100m程歩くと青蓮院(しょうれんいん)の飛地境内である将軍塚大日堂がある。

 将軍塚の言われもなかなか興味深いのであるが、9:00開門なので先を急ぐオイラは蹴上方面に下山した。

8:40 尊勝院の境内を通過。

8:40 粟田神社前通過。

8:56 ねじりマンポをくぐり抜ける。

9:00 南禅寺に到着。

↓ 水路閣を足早に過ぎ、

 その先にある高徳庵の横の淋しげな道を進んだ。標識はないものの、たぶんトレイルコースに合流できるはずなのだが……?

 ゆる~い石の階段を進むと祠のような所に着いた。滝行する場所があるらしく、男性二人組の声がする。こんな寒い日に滝に当たるぐらいなのだから、ものすごく真剣な人々なのだろう。お邪魔したら悪いので写真を撮らずに右方向に進む。しばらく行くと道が二つに分かれていた。ハシゴを倒したような簡易の木橋を渡って山裾を行くコースと、ひたすら登りの山道コースのどちらかだ。とりあえず山道コースを選んで直進してみた。

↓ 行き着いた先は「標識No.39」。七福思案処と呼ばれているポイントでありました。

 あとはトレイルコースで大文字山をめざします。

 高度を上げていくと、まだまだ雪が残っておりました。木に積もっていた雪が風に吹かれ、粉雪となってオイラに降り注ぐのでありました。

10:10 大文字山山頂(標高466m)に到着。しばし持参したおにぎりを食し、休憩。2月11日にここへ来ると、阿含の星まつりで護摩木を燃やしている炎や煙は見えそうですね。

10:40 五山送り火の火床に到着しました。

 石段が凍結していて危険だった。足をすべらせてしまうと「大の舞台から飛び降りる」という大惨事になりかねない。弘法大師堂に設置された温度計は0度だった。

 さて帰るとするか。しかし、いつも銀閣寺横に出るポピュラーなルートではつまらんなあ。そう考えたオイラは善気山経由法然院ルートで帰ることを思いついたのだ。地図は持っていないが心配は無用である。なぜなら明晰な頭脳にインプットされていた脳内地図が、「大の字の右の払いの字画に沿って階段を降りろ」とナビっているからなのだ。

 道なりに降りていくと、「左:霊鑑寺方面、右:銀閣寺方面」の標識があったが、善気山の表記はない。脳内ナビが「道なき道を直進せよ!」と言うので、オイラはその指示に従い、目の前の雑木林に突入して行った。

 最初は道なき道であったが、しばらく進むと人が踏んだと思しき道になってきた。しかし善気山は小高い山のはずなのだが、この道は下る一方なのだ。やや心配になりかけ始めたところで、下から地元の方らしき年配の男性が登って来られすれちがった。さすがは優秀な脳内ナビ! この道を進めば善気山へ行けるのだ! と独り合点したオイラは自信を回復して闇雲に下っていったのだった。

 ところが、気が付くとまたもや道なき道の人外魔境に踏み込んでしまっていた。戻るには坂道を登っていかねばならない。そんな無駄な労力を使うよりは、この方向に降りれば、たとえ道をまちがったにせよ自然と鹿ヶ谷(ししがたに)の住宅街にたどり着けるはずなのだ。 いざ進め!

 急な山の斜面を一生懸命降りていると、前方20mの木々の間に何やら動くものの影が……!

 なんと野生の鹿が3頭、斜面を横に駆け抜けていったのだ。一瞬のことだったので、コンデジにその姿を収めることができなかったのは残念この上ない。まさに大文字アドベンチャーワールドの様相を呈してきたぞ。

11:05 その後は野鳥以外の動物を見ることなく下山、とうとう人里の祠を発見した。

 やっと人間の世界に戻ってきたと安心したのも束の間。この祠の周辺を観察してみると、一般道路につながっている出口がないではないか。どうもこの祠は、鹿ヶ谷に住んでおられる方が神社から勧請し裏山に作ったプライベートなものであるらしい。目と鼻の先に民家があるので、もうここはその人の私有地であり、オイラは意図せずに不法侵入してしまっているのではあるまいか。ヤバイ、非常にヤバイ。

 落ち葉をバリバリいわせながら周辺をさまようが、出口がまったく見当たらない。時間だけがドンドン経過していくので、こうなれば強行突破しかあるまい。忍び足で民家に接近。抜き足差し足で民家の庭をすり抜け、やっとのことで道路へ脱出した。ここは霊鑑寺から大文字山の四つ辻に行く坂道の途中で、「マムシが出ます」の看板がある付近なのだった。

 民家の方、勝手に敷地内に入ってしまい、誠に申し訳ございませんでした。(>_<)

11:20 。。。タタタッ。ヘ(;・・)ノ哲学の道にたどり着く。下界は粉雪が舞っていた。

12:00 京阪電車・出町柳駅前より大文字山を撮影。

                    ○

 今回の歩行距離=20.8km

 次回からは地図を持って出かけてみます。(@_@)


『おひとり京都の愉しみ』 柏井壽

2011-02-12 09:06:10 | 

 オイラは幼少のみぎりにこんな歌(↑)を聴いていたので、女性の一人旅にはハートブレイクなイメージがあるのですが、実際はそんなこともないようですね。一人気ままにぷらりと観光に来られる方が多いようです。特に外国人の方はこんな歌、知らないでしょうし、逆に「海外から女一人でよく来なさったな」と行動力と根性にこちらが感服してしまうほどであります。

 その昔、友人N君と知恩院あたりをぷらぷらしていたら、一人旅らしい外国人女性から声をかけられたことがありました。以下はすべてイングリッシュでのカンバセーションだったのですが、読者諸氏にわかりやすいよう日本語訳にしてみます。

外人美女:「ちょいとそこ行く、日本人離れしたカッコいいイケメンの日本男児のお二方、少々お待ちを~」

オイラ:「なんでっか? 逆ナンならお断りでっせ、ベイビー」

外人美女:「いえいえ違うのです。わたくし、東山ユースホステルに行きたい旅の者なのですが、道がわからないのです。後生ですから、どうぞ教えて下さいな」

 (東山ユ-スホステル? 地元民じゃないからわからんな~)と悩みつつ、
「あんさん、地図持ったはりまへんか?」
 と外人美女に訊ねると、彼女は大きな旅行鞄の中をガサガサと物色し、折りたたまれた地図をオイラに差し出すのであった。この地図でユースホステルを探し出せばなんとかなるであろうと考えたオイラは、地図をバサッと広げてみた。

オイラ:「オー、マイガー!」

 その地図は、北は北海道から南は沖縄までを網羅した「日本地図」であったのだ。「京都」なんてただの点ではあるまいか! 時は昼下がり。周囲には地元民の歩く姿がなく、他に助けを呼ぼうにも呼べない状況であったので、「オーケー。とにかくオイラたちに付いて来な」と人通りの多い八坂神社前まで外人美女と連れだって歩いて行った。道中、外人美女に「出身国」「年齢」「血液型」「星座」「BWHサイズ」「家族構成」「彼氏の有無」などを根掘り葉掘り訊いたと思うのだが、今じゃまったく覚えておりません。

 東大路通沿いの某観光ホテルへ行って、フロントマンに彼女をあずけたように思うのだが、記憶が定かでない。彼女の記憶の中では、孤独にさすらった異教徒の街京都で親切に道案内をしてくれた日本人としてオイラのことは一生涯残っていることでしょう。\(^_^)/ 

おひとり京都の愉しみ (光文社新書)
柏井壽
光文社

 今回ご紹介するのは、京都市北区で歯科医を開業するかたわらエッセイを執筆されている柏井壽さんの数ある著書中の一冊です。

 オイラも最初、ひとり歩きすることに一抹の淋しさがあったのであるが、最近では断然ひとりの方がよいと思うようになってきました。柏井さんもこの本の中で書いているように、ひとり歩きの醍醐味は【誰にも気兼ねせず、好きな速度で歩き、思い立った場所で立ち止まり、思う存分好きな景色を眺めることができるのだ。】なのである。それにオイラ的には、道に迷おうが、マムシに噛まれようが、スズメバチに刺されようが、サルにお弁当を持って行かれようが、崖から落ちて足の骨を折ろうが(←これらの経験はないですが)、旅で起こったすべては自分自身の責任なのである。「○○さんのせいでこうなった」と言い訳させさせてくれぬ、その潔さも心地よいのである。

 近年オイラを悩ませていたことの一つに京都での「ひとりご飯問題」というものがある。大阪にもチェーン店を持つ店なら、まだ店名になじみがあって入りやすいけれども、京都は一見さんお断りの土壌があるので、見知らぬ店にひとりフラリと入りずらかったのであるが、この本で解消されました。「ひとりランチ」「ひとり晩ご飯」。他誌、他局の後追い取材で同じような内容で粗製乱造される「京都本のグルメ」とは一線を画き、柏井さん自身の足と舌で確かめた街角の通なお店が紹介されています。機会があればオイラも行きたいと思っておりますが、この本で紹介されたことで行列にならないかとの危惧も……。

 ひとり泊まりに優しい1万円以内で泊まれるシティホテルの紹介もあり、オイラも京都へ泊まりに行きたくなりましたよ。ヘ(^o^)/