なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

曼荼羅山(まんだらやま)の鳥居形 《五山火床めぐり・完結編》

2012-04-30 17:31:13 | 愛宕山&周辺

 先日、リアル奇特な御仁から、
「このブログを読んで、山歩きがしたくなりました」
 と初めて言われてしまいましたよ、諸君!

 オイラは、前々からあの方は素晴らしい人格者だと薄々気付いておったのだが、やっぱりそうでありましたな。

 おだてられてしまったからには、また山へ行くのであります。

 4月30日(月)

 2日前の京都市の気温は30度を超える真夏日だったそうじゃないか。今の季節、今日ぐらいの曇り空の方が暑くもなく、山歩きには適しているんだぜ、ベイビー。

 ▼ 6:27 阪急・嵐山駅に到着。

 ▼ 渡月橋。背後のこんもりした小倉山にも一度挑戦したいなあ。山頂で一句浮かぶかも。

 ▼ 祝日朝6時台の嵐山メイン・ストリートは、まだ観光客がおらず静かなもんです。

 ▼ 6:57 清涼寺(嵯峨釈迦堂)の境内を横断。

 ▼ 今日の目的地、曼荼羅山の鳥居形火床に近づいてきたぞい。

 ▼ 7:10 まずは曼荼羅山の麓に鎮座する鳥居本八幡宮神社で道中の安全祈願。

 ▼ すぐそばに竹林もあるでよ。この神社は時代劇のロケ地としてよく使われているそうな。

 ▼ 神社付近のとある場所。ここに火床への登り口があるというのだが……。

 ▼ しかし、行く手を阻む立ち入り禁止の看板がそこにはあった。

 どうするべきか逡巡していると、白黒模様の一匹のネコが突然背後から現れて、山主の警告を無視して一目散に山の中へと走っていったのだった。
 そりゃあ当然、ネコ好きの人間なら後を追いかけてしまいますよねえ~。(うん、うん)

 俊足ネコはオイラに写真を撮るスキを与えず、茂みの奥へと消えてしまった。

 ▼ 7:23 もうこうなりゃ、道なりに山道に入っていくしかありませんぜ。

 ▼ 道標もあって、山主さんは寛容なお方のようです。感謝。

 ▼ 一部、階段が整備されているところもありました。

 ▼ 7:33 火床に到着!




 景色はよいけれど、入山禁止の山なので居心地がヒジョーに悪い。下界から丸見えなのだ。姿勢を低くしての隠密作戦なのだった。

 火床から試峠(こころみとうげ)まで行けるという山道があったのだが、人通りのない蜘蛛の巣だらけの道のようだったのですぐさまUターン。来た道で下山しました。

 ▼ 8:00 境内で写真を撮ると「ヤバイのが写り込む」ので禁止と、まことしやかに囁かれている化野念仏寺。残念ながら開門は9時からでした。

 ▼ 一の鳥居。平野屋の黒ラブちゃんは、散歩中で鳥居の下にはいませんでした。

 ▼ 愛宕念仏寺の羅漢さん。山門から盗撮。

 ▼ 8:14 清滝トンネルに到着。信号は赤だったのでひと安心。

 ▼ 8:26 トンネルを抜け清滝に到着。ここから川沿いにJR保津峡駅まで。

 ▼ 清滝川の清流沿いを歩くので、少しだけ涼しいかも。

 トレイル・ランナーの団体さんに遭遇。走りにくい岩場を走るのがトレーニングなんだろうか?
 ▼ 落合でおにぎりタイム。

 ▼ 落合橋の近くで松尾芭蕉の句碑発見。「清滝や 波に散り込む 青松葉」

 芭蕉の時代には松の木があった? オイラは清滝で松の木を見たことがありませんが。
 ▼ 9:24 JRトロッコ保津峡駅通過。

 ▼ 9:40 JR保津峡駅に到着。43分に電車が来たので慌てて飛び乗った。

 本日の歩行距離=13.6km

 去年の12月、ふと五山送り火の火床めぐりを思いたって「」「」へ行き、今年1月に「左大文字」、4月初旬に「舟形」を制覇。ついに今日、残っていた「鳥居形」の火床まで行き、五山火床めぐりの旅は大団円を迎えたのでありました。めでたし、めでたし。
 (「右大文字」と「法」以外は立ち入り禁止の山でした。よい子はマネをしないで下さいね)


『京都猫町ブルース』 甲斐扶佐義

2012-04-28 11:15:20 | 
京都猫町ブルース
甲斐 扶佐義

淡交社

 京都には「いちげんさん」お断りの敷居の高いお店があるようだが、「いちげんさん」も「おなじみさん」もウェルカムというお店も多い。

 ただし、「おなじみさん」率が高いお店と知らずと入ってしまうと、「いちげんさん」は居心地の悪さをひたすら我慢しなければならないのであるなあ。

 はたして、出町にある喫茶店「ほんやら洞」はどうなんでしょうか?

 お店の前は何回も通ったことがあるのだが、どうしても入りづらい……というかお店の歴史を知ってしまうと気軽にプラッとは入れない気がするのである。

 事前に勉強し、ガチガチに理論武装しなくては太刀打ちできそうもない雰囲気が店構えにもあって、オイラはいつも店先を素通りしてしまうのであった。

 ほんやら洞のマスター甲斐扶佐義(かいふさよし)氏は写真家でもある。

 去年の冬、たまたま入った本屋で写真集が偶然目にとまり、衝動買いしてしまったのである。

 京都と猫と美女。

 決して観光スポットではない普段着の町中で、裏通りで、路地裏で、猫たちは自由に生きているのであった。

 表紙カバー裏に「京都猫MAP」があるのも嬉しいじゃないか。

 写真が撮られた場所に実際に行ってみるのも一興。そこで猫と美女に会えたなら超ラッキー!

 ▼ 出雲路神楽町にある道標。

 ▼ 荒神橋西詰のお地蔵さん。

 撮られた年月日が記載されていないのだが、写真集の写真は全編モノクロで「昭和」風情が漂っている。今と昔の風景を見比べるのもまた良し、なのである。

 猫に出会いに京都へ行くなんて、粋じゃあ~りませんか、ねえ旦那。

 【小粋なオイラの作品集(笑)~鴨川べりにて~】
 ▼ 威風堂々たる荒神橋ネコ(2012)。

 ▼ 日溜まりでくつろぐ賀茂大橋ファミリー(2012)。

【追記 2012-05-02】

 ▼ 2000年に出版され、現在絶版になっている『京都猫町さがし』を古本屋でゲット。

京都猫町さがし (中公文庫―てのひら絵本)
甲斐 扶佐義
中央公論新社

 『京都猫町ブルース』に掲載されている写真と同じ写真も載っているが、初見の写真も多数収録。

 こちらの本には撮影年と撮影場所が記されている。

 『京都猫町ブルース』にもあった出雲路神楽町のおばちゃん二人のポートレイトは、イデタチから推測するに1960年代初期の撮影やと思っていたのだが、1976年のものと判明。右に立つおばちゃんがエエ味出してはります。
 あの頃は、まだ買い物カゴぶら下げて市場に行ってはったんやねえ~。枡形商店街やろか?


すぐき! #3

2012-04-21 12:42:37 | グルメ

 拙ブログをこよなく愛されている奇特な方は、3月11日にオイラが御すぐき處 なり田で買った「きざみすぐき」はどうなったのであろうか? と気になって気になって眠れない夜が続いているのではなかろうかと推測してみました(笑)。

 創業300年、変わらぬ製法で作られた真のすぐき漬けなのである。

 またしても食卓は、「白ごはんvsすぐき」のシンプルな戦場と化したのは言うまでもない。

 喫煙で鈍化した味覚と、日夜ジャンク・フードで鍛え上げた舌とで、今回で3種類のすぐきを食べ比べた結果、極私的な美味しさの等式は、

大安のすぐき > スーパーのすぐき > なり田のすぐき

 ということになりました。

 なり田のすぐきは、化学調味料を使っていないであろうと思われる素朴な味わいで、江戸時代テイストのヘルシーなものでありました。健康志向の方なら一番のすぐき漬けであるなあ。
 スーパーのすぐきは細切れ過ぎる。舌や歯触りを楽しむ食感を味わうならなり田であろう。
 ほんまもんのすぐきをまだ食したことがないのなら、貴君も一度ご賞味あれ。


秋葉神社

2012-04-12 12:36:14 | 魔界めぐり?

 北区釈迦谷の秋葉山の麓に鎮座するこの神社。

 「出る」「出ない」の噂は見聞きしたことはないけれど、寂れ度合いから察するに、まさに「魔界」といっても過言ではないのである。

 ▼ 秋葉三尺坊大権現を祀っている。

 山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神サマで、火難除けのご利益があるという。

 ▼ 半ば廃墟のような雰囲気なのであるが、何かに引き込まれるような感じで苔むした階段を登っていった。

 ▼ 右側には完全に朽ち果てたバラック小屋2棟と、人気がなさそうな白い小屋が見える。

 ▼ 二の鳥居をくぐると、階段の上に(正直なことを述べさせてもらうと粗末な感じがする)拝殿。

 ▼ 拝殿の中には小さな祠。拝殿の裏に巨大な岩があり、それが依り代ではないかと想像する。

 お供え物や、新しい線香が入った箱が置いてあったので、(釈迦谷の住宅街からだいぶ離れてはいるが)近所の方がお世話をなさっているのでしょう。
 ▼ 「秋葉神社修行場開祖 太田春弘先生の霊位」と書かれた位牌もある。太田先生って有名な人なん?

 たぶん、霊感体質の方なら何かを感知することでしょう。特に怖さはないのだけれど、目に見えない何かの雰囲気が濃密に漂っておりました。

 市街地からかなり離れた場所にある神社なので、参拝する人も少ないんでしょうね。

 アキバつながりで「AKB48の○○さんが参拝に来た」ということになれば、参拝者も増えるんでしょうが、電通は金にならないことはしないだろうし……。

 観光ガイドブックには載っていないディープな京都を体感したい人なら、ぜひぜひ一度は足を運ぶべき秋葉神社でありました。

 定期的に荒れ度合いをチェックしに行きたくなる神社であるなあ。


ちょいと気晴らしに城山、船山、賀茂川堤へ

2012-04-11 12:41:36 | 京都のその他の山

 いま大手を振っている政治家も経営者もぱぴこも、「バチが当たる」という感覚を忘れないでいただきたい。

 汝、「盛者必衰の理」を忘れることなかれ。

 そんなヤカラには、あわせて「因果応報」、「天網恢々疎に漏らさず」という言葉も心にしっかり明記していただきたいものであります。

 

 ……てなことを勢いで書いてしまったのであるが、オイラも自分のことは棚に上げてお天道様に睨まれている一人なのかもしれないなあ。

 こんな気分の時は、山の女神の懐に抱かれて癒されたくなるのでありますよ。

 4月9日(月)

 ▼ 6:25 地下鉄・北大路駅に到着。

 ▼ まずは北上し、北山大橋西詰から賀茂川右岸を遡上。


 ▼ 6:48 上賀茂橋の上から城山船山を捕捉。

 玄以通を西進。
 ▼ 7:02 大宮交通公園を通過。

 氷室道に入り、
 ▼ 7:15 尺八池を通過。私有地なので水際までは行けません。

 ずっと住宅地を歩いてきたが、この辺りまで来ると住宅が激減。
 ▼ 右手にゴルフ場。

 ▼ 7:22 道沿いにあった松龍弁財天によって道中の安全祈願を行う。

 ▼ 白い猫二匹と出会うが、警戒して逃げていく。

 ▼ ゴルフ場エリアを過ぎると、もう山の中なのだ。

 ▼ 7:32 秋葉神社前に到着。

 火伏せの神サマ、秋葉三尺坊大権現を祀っている神社のようだが、ものすごく寂れてしまっている。何やらいわく因縁がありそうな気配が濃密に漂っていたのだが、ここでも道中の安全祈願をしてみたよ。

 地図を見ると、破線方向の右に行けば船山に行けるのであるが、

進入禁止のような感じだったので、実線方向に直進してみることにした。
 ▼ 渓流沿いのゆるい傾斜の坂道が続く。

 ▼ しばらく歩くとY字路に出くわす。

 一瞬どちらへ行けばいいのか迷ったが、左方向の木にテーピングがしてあったのと、

木の根のところに道標代わりのサイン物(?)があったので左の道を選択。
 ▼ 急な坂を登っていくと杉林の荒れた道となる。

 車道のガードレールがすぐそこに見えるのだが、

急登でかつ、何本もの杉の倒木をくぐり抜けなければならず、体力が著しく消耗してしまった。(今日一番の難所でありました)
 ▼ 8:06 ヘトヘトになりながら、なんとか車道にたどり着く。

 ▼ すぐそばに立っている電柱。下山でこの道を歩きたい方、「ヒムロ27」が目印です。

 ▼ 目の前には長坂道への分岐。

 しばらくここでスゥッ・・・(ーoー)y゜゜として休憩。

 城山へ向かうべく氷室方向に進行。
 ▼ 8:16 京見峠茶家を通過。


 ▼ 京見峠とはいうものの、杉木立の向こうにかすかに京都の街並みが見えるだけで眺望は悪い。

 ▼ 8:20 京都一周トレイルコースに合流。なつかしの「北山68」。

 ▼ 氷室別れと呼ばれるY字路にて。(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

 ▼ 京都市防災行政無線局・城山中継局のアンテナ。

 ▼ アンテナ前を通り過ぎると、チェーンのゲートがある山道が見えます。

 ここから城山へ。

 ▼ 8:40 城山(479.8m)登頂成功!

 かつてこの地に、いつ誰が築城したのかが定かではない堂ノ庭城(どのにわじょう)が建っていたという。周囲を見回しても遺構らしきものは見当たりませんでしたな。
 ▼ 下山中に一瞬、道をロスト。偶然、石柱を見つけてしまったなり。

 最初の文字がわからんが、「○是南東金龍」と読める。なんだろう? ラーメン屋の案内でないことだけは確か。
 無事、城山を下山し、
 ▼ 8:59 「北山66」に到着。しばし、おにぎりタイム。

 氷室の集落はもう目と鼻の先だが今日は行きません。
 トレイルコースを離脱し、破線のサブルートに入り、一路船山をめざすことにする。

 ▼ 木立の向こうに比叡山。

 ▼ 振り返れば城山。もうこんなに離れてしまった。

 ▼ 木漏れ日がある明るい山道。

 ▼ 分岐点。さて、どちらへ行くべきかな?

 ▼ 右の道には「釈迦谷」への矢印。左の道の道標はなかったが西賀茂に通じているのか?

 ▼ 右の道を選択してしばらく歩くと、山中の交差点に到達。

 ▼ オイラは氷室方向からやって来たのだ。船山へは直進あるのみ。

 ▼ しばらく歩くとまたもや分岐点。道標はないが、船山をめざしているので左の登り坂を選択する。

 ▼ 9:53 船山(317m)登頂成功せり!

 山頂を抜け、東方向へと続くゆるい下り道を進んでいくと、
 ▼ 9:57 送り火の火床に到着。

 「今後は立ち入り全面禁止」とは残念!
 ▼ ただ今の気温19℃。ヒジョーに暑いのだ。

 ▼ この景色を目に焼き付けておかねば。



 ここからゴルフ場を横切って西賀茂の町に下山することも可能らしいのだが、入山禁止の山に入ってしまっている後ろめたさがあり、あまり他人の目に触れられたくない。
 ▼ さっき通ってきた交差点にもどり、秋葉神社方向に下山することにした。

 ▼ 山肌に奥行きがない横穴。水が湧き出ているようである。

 ▼ そのおかげで山道の一部が沢状態になってしまっている箇所があった。

 ▼ 10:39 秋葉神社まで帰還。

 後は来た道をトレースしながら帰るのみ。
 であったが、気の早いお家が鯉のぼりを泳がせているのを見ていたら、

どこかで道を誤っていたらしく、

大宮土居町の御土居にたどり着いてしまった。
 その後、北山通に出、東進。
 ▼ 11:30 賀茂川左岸の半木の道(なからぎのみち)に到着。京都人に親しまれているお花見スポットである。

 まだ蕾の桜も多かったけれど、

出町柳へと南下するほどに、



満開の木が多くなってきた。

 ▼ 12:08 鴨川デルタの先端に到着。誰かが小石を積み重ねていた。

 ここは三途の川ではありませんので……。

 ▼ 今日の大文字山。

 本日の歩行距離=24.2km

 次に鳥居形の曼荼羅山に登れば、送り火五山登頂達成だ!