猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

ASEAN憲章目指す―クアラルンプール宣言

2005-12-14 23:25:06 | 外交・国際問題全般
 東アジア共同体の帰趨はどうなるか分からないが、ASEANがその重要なプレイヤーであることは間違いない。東アジア共同体の方向性について議論する「東アジアサミット」に先駆けて行われたASEAN首脳会議において、2020年をめどにASEAN憲章を起草して、政治・安全保障、経済、社会・文化の3分野での地域統合を目指すことを謳った「クアラルンプール宣言」を発表した。  ASEANは通商上はもちろんのこと、 . . . 本文を読む

社保庁の改革案固まる―名称は白紙

2005-12-14 22:50:19 | 医療・年金
 年金改革の一つの柱として、社会保険庁改革がある。社会保険庁による非効率的な年金運用や無駄な事業は、かねがね指摘されているところである。社会保険庁は年金を運用する部門と、政管健保に関する業務を行う公法人に分割されることになる。このうち、年金事業部門については、厚生労働省の外局とする案なども出たが、それでは「看板のかけかえに過ぎないだろう」ということで、組織のあり方について個別に法律で規定できる「特 . . . 本文を読む

麻生外相「国連は会議場」

2005-12-13 08:07:40 | 国連
 「何か起きるときにリングを取るか、パートナーを取るかと言ったら、パートナーを選ばないとどうにもならない」「国連というのは会議する場所だ。パートナーを取るか、会議場を取るかと言われたら、頼りになるパートナーを取るのは当然なんじゃないか」これは、12日の参院イラク復興支援特別委員会における、麻生太郎外務大臣の、国連に関する発言である。「頼りになるパートナー」というのは言うまでもなく米国のことである。 . . . 本文を読む

続・犯罪被害者は原則匿名報道にせよ

2005-12-13 02:53:35 | 社会問題全般
 先日の『犯罪被害者は原則匿名報道にせよ』というエントリーに関して、読者の方から「報道機関のことを棚上げにしているようですが、あの手この手を使い抜け駆けする報道機関も出て来ます。嘘や誘導尋問を駆使してさまざまな人たち、或いは機関から情報を入手するでしょう。そのような場合、被害者の報道機関に対する責任追及の道を法律で確保しておくべきだと思います。」というコメントを頂戴したので、若干補足したいと思う。 . . . 本文を読む

論語に学ぶ外交理念―12月10日の日本論語研究会での講演のレジュメ

2005-12-13 02:10:23 | 日本論語研究会・論語
12月10日(土)に慶応大学で行われた、田村重信先生主催の『日本論語研究会』での、私の講演内容のレジュメを、リクエストを頂戴したので掲載いたします。よかったらご覧ください。なお、補足説明を(コメント)として足しておきました。 『論語に学ぶ外交理念』    高峰康修 1.目標 ・日本外交が持つべき理念を、論語を通して学ぶ。 ・逆に、外交という事例を通して、論語について理解を深める。 2.和し . . . 本文を読む

犯罪被害者は原則匿名報道にせよ―原点に戻って考えるべき

2005-12-10 03:34:09 | 社会問題全般
 犯罪被害者の尊厳や権利が、現在著しく損なわれていること自体は、社会全体の認識であると思う。とりわけ、報道機関による興味本位かつ過剰な取材及びその他の行動のために、犯罪被害者やその家族が追い討ちをかけるような目にあっていることは、看過し得ない事態である。これを受けて、政府は「犯罪被害者を支援する基本計画案」の中に、事件・事故の被害者を実名・匿名のいずれで発表するかの判断を警察に委ねる項目を盛り込ん . . . 本文を読む

首相、衆参選挙制度見直し指示―2010年までに

2005-12-09 05:06:15 | 政界・政治全般
今回は、いつもと順番を変えて、先に参照記事をあげておきます。内容はタイトルの通り、衆参の選挙制度見直しに関するものです。 (参照記事) [衆参選挙制度見直し指示 首相、2010年までに]  小泉純一郎首相は7日夜、自民党の武部勤幹事長や公明党の神崎武法代表ら与党幹部と都内で夕食を共にしながら会談し、衆参両院の選挙制度について、小選挙区と比例代表の重複立候補や定数削減など選挙制度を自公両党で見直す . . . 本文を読む

ボルトン米国連大使、3-4カ月の暫定予算提案―日本も国連改革を迫るべし

2005-12-08 00:50:16 | 国連
 米国のボルトン国連大使が、国連の予算を「人質」に国連の組織改革を強く迫っている。ボルトン氏は、権限や組織の見直しを柱とする改革策が予算に反映されないならば、改革論議完結まで3-4カ月程度の暫定予算を組むべきだと主張して譲らない。鳴り物入りで半ば強引に任命したボルトン氏だけに、期待通りの働きである。開発途上国が猛反発しているようだが、要するに国連において彼らの利権が形成されているからである。  事 . . . 本文を読む

ロハスって何だ?

2005-12-08 00:06:08 | 私的なこと・閑話休題・更新情報
 最初に断っておきますが、このエントリーは「だからどうした」といわれると大変困る、薄い内容です。最近「ロハス」という言葉をよく聞くけれども、一体何だ?と思っていたところ、昨日ニュース番組で特集をやっていたのを見て、なんとなく分かったような腑に落ちないような感じです。LOHAS= Lifestyles of Health and Sustainability の頭文字をとった略語で「健康を重視し、持 . . . 本文を読む

北朝鮮による拉致問題をにらみ「人権担当大使」任命

2005-12-07 01:20:10 | 朝鮮半島
 10月の内閣改造以降顕著なことであるが、我が国の外交政策が「まさにかくあるべし!」という姿に近づいてきているように思う。昨日指摘した「東アジア共同体は自由・人権を尊重せよ」というのもそうだし、今日外務省から正式発表された、北朝鮮による日本人拉致問題を見据えた「人権担当大使」の任命もその一つである。また、昨日は、関係省庁の局長級による専門幹事会も首相官邸において開かれ、「拉致問題の解決なくして日朝 . . . 本文を読む

「自由・人権の尊重、透明性確保を」―小泉首相の東アジアサミット基調演説骨格

2005-12-06 18:16:40 | 外交・国際問題全般
 これまで、日本外交には世界に通用するような理念らしい理念がなかったといって過言ではない。「平和主義」が理念といえばそうなのだろうが、あんな一国平和主義はとてもじゃないが説得力のあるものではない。また、国連中心主義などというのも、主義という名前こそついているが理念ではない。日米同盟重視とかアジア重視とか言う時と同じ次元の政策論である。世界の潮流に当たり、なおかつ最も正当性を持つ理念といえば、何とい . . . 本文を読む

「一国二制度」はトロイの木馬になるか?―香港で民主化要求デモ

2005-12-05 23:48:15 | 台湾・中国
 台湾の統一地方選挙に関するエントリーの中で、最高に楽観的なシナリオとして、「もし台湾が一国二制度のもとで中国に併合されても、民主化の拠点となり中国にとって必ずしも安泰な話ではない」というような趣旨のことを指摘した。それを示唆するかのように、香港で25万人もの人々を動員する完全普通選挙の早期導入を求める大規模デモが起こった。ましてや、台湾となれば2000万の住民が住んでいる。一層大規模な民主化運動 . . . 本文を読む

台湾の統一地方選で国民党大勝―日米は対中冷戦に備えるべし

2005-12-04 23:56:59 | 台湾・中国
 3日に行われた、台湾の統一地方選挙では、全国23の県や市の長のうち野党・国民党が14に対して与党・民進党が6に終わるなど、国民党の圧勝に終わった。今回の選挙は2008年の総統選挙の前哨戦と位置づけられており、陳水扁総統の求心力低下や、国民党の政権奪回の可能性が高まったこと、対中宥和政策や経済的一体化推進への圧力が強まるなどの分析がもっぱらである。民進党が中国との経済交流に消極的であるのに対して、 . . . 本文を読む

自衛隊のイラク派遣延長について

2005-12-03 00:19:19 | 安全保障・自衛隊
 11月28日のエントリー『Friend in need is friend indeed-必要な時の友こそ真の友』の続報である。その記事の中で「陸自の派遣を延長してイラクの治安維持組織の構築を援助すべきだ」と、無理は承知の上で主張した。やはり、海外での武力行使は禁じられているという憲法解釈にしばられたまま自衛隊を派遣しているので、どうしても制約が大きくなってしまう。しかし、憲法9条第1項で禁じら . . . 本文を読む