猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

首相、衆参選挙制度見直し指示―2010年までに

2005-12-09 05:06:15 | 政界・政治全般
今回は、いつもと順番を変えて、先に参照記事をあげておきます。内容はタイトルの通り、衆参の選挙制度見直しに関するものです。

(参照記事)
[衆参選挙制度見直し指示 首相、2010年までに]
 小泉純一郎首相は7日夜、自民党の武部勤幹事長や公明党の神崎武法代表ら与党幹部と都内で夕食を共にしながら会談し、衆参両院の選挙制度について、小選挙区と比例代表の重複立候補や定数削減など選挙制度を自公両党で見直すよう指示した。同時に、新制度による国政選挙は2010年10月以降が望ましいとの考えを明らかにした。同年夏の参院選後から適用したいとの考えを示したとみられる。
 首相は、衆院の重複立候補制度に党地方組織や有権者から批判が根強いことを踏まえ「選挙制度を変えなければ駄目だろう。衆参それぞれ同時に選挙制度を改革し、共に定数削減も実現すれば(国民の)理解を得られる。自公でぜひ検討してくれ」と述べた。その上で重複立候補制度を廃止し「衆院は300議席、参院は150議席ぐらいがいい」とした。
 自民党の青木幹雄参院議員会長が「重複立候補で1つの選挙区から2人も3人も当選してしまうのはおかしい」と指摘したのに答えた。
(共同通信) - 12月8日0時3分更新

[コメント]
 具体案が提示されたわけではないので、一般論程度のことをコメントしたい。まず、注文したいこととしては、2010年を目途とするならば、ちょうど憲法改正の日程と重なるころなので、理想論として言えば憲法改正の中で両院のあり方を根本的に再検討する必要があると思う。自民党の憲法草案は、衆参の関係を現行のまま見直さないとしているが、その点はもう一歩踏み込んでほしい。去年発表された原案では参議院の役割を大幅に縮小する方向だったところ、参議院への根回し不足から大反発を買って、結局撤回に追い込まれた。そういう経緯を念頭に置けば、今回予定されている憲法改正では、第9条の改正に的を絞るというのは戦術論としてはやむを得ないのかもしれない。そうはいっても、その次の憲法改正では衆参の制度改革は不可避であろう。やはり、参議院は再考の府に徹するのが正しい方向性だと思う。法律案の衆議院での再可決の要件は過半数に引き下げるべきだろう。ただし「衆議院で3回連続して可決し、各議決の間には半年を置かなければならない」といった形がよい。参議院には、間接選挙も取り入れるべきである。
 2010年までに衆参の選挙制度改革を見直すというのは、それはそれで結構なことであるが、両者の選挙方法の差異を明確にして、来るべき次の次の憲法改正の方向性をある程度先取りした形にすべきである。そうなると、衆議院は単純小選挙区制、参議院は大選挙区か比例代表ということになろうか。しかし、衆議院300、参議院150という数字はなかなか受け入れられないのではないかと思う。また、数が少なければよいというものでもない。英国の庶民院(衆議院に相当)は、定員650程度である。何でも外国の真似をすればよいというものでもないが、参考までに。なお、小選挙区制については、2回投票制を導入を検討してみる価値はあるかと思う。2回投票制というのは、当該選挙区で過半数を制した候補がいなかった場合に、上位2名で決選投票を行うという方式である。それにより、1回投票制の場合よりも民意を丁寧に汲み取ることができるのが利点である。欠点は、言うまでもなく手間がかかり金がかかることである。



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1 コメント

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Unknown (総理大人)
2005-12-09 21:03:20
私もこの報道で数を減らしゃあいいってもんでもないでしょうと思ったのですが、国民が数を減らせばいいやって思ってることが問題。委員会運営に足る議席数というのが、よくわからないので、議員増減の数はちょっといくらにすればいいか検討が付きませんが。人口●人あたりの議員の数が諸外国より多い云々とかというそれだけの視点から論ずるのはだけはやめてほしいです。

小選挙区比例代表並立って結構優秀な制度だと思っていて、完全二大政党的というのもおもしろくないし、下院に小政党がいなくなるのもそれはそれで問題だと思っています。社民や共産はいらないと思いますが、それでもいなくなってはいけません。衆院については重複立候補はなくなるような感じなのでそれだけでいいと思います。

2回投票制は、国民に幼い頃から参政教育が行われてからじゃないと、費用に見合わないので今のところ反対。費用が高くても、投票率が上がればいいのですが、2回投票だとそうもいかないと思いますよね。ずーっと将来の導入なのだろうと思います。試しに一回やってもらってそれが成功裏に終わってくれればいいかな。そうしてもらいたい。でもやっぱり投票率下がるだろうな。。むやみに上がればいいってもんじゃないので、投票の義務化とかそういうのは反対ですが、でも下がってもいけないでしょう、と思います。

「衆議院で3回連続して可決し、各議決の間には半年を置かなければならない」イギリスでしたっけ、あそこは二回だったかな、採決の間の期間はどれくらいだったか。。

再議決要件は過半数にするのは大賛成です。合わせて、こういう担保的なものは導入しないといけませんね。参考になりました。

あとは通年開会でしょうか。



それにしても、新憲法草案は両院改革には触れてないところが笑えました。参議院議員はどうかしてる。参院憲法調査会答申は、稀代の自己保身答申でしたね。



枝野さんが、三年後とか言ってましたが、あれは早い。憲法改正には五年はかけてほしい。
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