猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

ボルトン米国連大使、3-4カ月の暫定予算提案―日本も国連改革を迫るべし

2005-12-08 00:50:16 | 国連
 米国のボルトン国連大使が、国連の予算を「人質」に国連の組織改革を強く迫っている。ボルトン氏は、権限や組織の見直しを柱とする改革策が予算に反映されないならば、改革論議完結まで3-4カ月程度の暫定予算を組むべきだと主張して譲らない。鳴り物入りで半ば強引に任命したボルトン氏だけに、期待通りの働きである。開発途上国が猛反発しているようだが、要するに国連において彼らの利権が形成されているからである。
 事務総長をも巻き込んだ汚職に象徴されるように、事務局の腐敗と非効率性は目に余るものがある。「米国の態度は行儀悪い」と眉をひそめる向きもあろうが、そんな非効率なしろものに、国民の血税を唯々諾々と払うほうがどうかしている。大体、「予算を盾に改革を迫る」という手法は、日本こそが真っ先に採るべき手段である。それを、なまじ安保理常任理事国入りと絡めて物欲しそうに分担金の割合見直しを提案したりするものだから、アナンに「それとこれとは別だ」などと文句を言われるのだ。「こんな非効率な組織に国民の血税を投入することは出来ない。」という論理だけで必要十分だし、そのほうが余程すっきりする。常任理事国などならずとも、世界第2位の分担金だけで十分武器になるというものだ。遅ればせながら、その論理で日本も迫ってみてはどうか。批判したい者は、どうせ決まり文句の「アメリカの真似をしている」と言うのだろうが、それならばアメリカにとって最高の援軍になるわけで、日米同盟の強化にも寄与するだろう。


(参考記事)
[3-4カ月の暫定予算提案 国連に米、資金不安てこ]
 【ニューヨーク6日共同】ボルトン米国連大使は6日の国連総会本会議で、国連事務局が示した2006-07年の通常予算方針について、2年分を一括承認するのではなく「3-4カ月の暫定予算」だけを組み、その間にリストラなど事務局改革を論議するよう公式に提案した。
 米国は来春以降の資金逼迫(ひっぱく)への不安をてこに、改革に消極的な事務局や発展途上国を動かし、改革実行を迫る構えだ。
 事務局の予算方針は既存事業踏襲を前提としているため、一括承認すれば従来型の運営が維持され、リストラが進まない恐れがある。
(共同通信) - 12月7日10時23分更新


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4 コメント

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ボルトンさんのお噂はかねがね。(新聞で。。) (総理大人)
2005-12-08 23:11:04
日本政府はボルトンの要求に対して、どんな反応しているのか気になります。ご存知ですか。

アメリカはこれまでも予算を盾にいろいろやってきたそうですが、今回ちょっとやりすぎかなという気はしてます。

日本が同調するべきではないような気もします。国連は国連ではなく、国々が集まっているだけですから、アメリカだけ味方にしていいことだとは思いません。常任理事国入りのためにも各国と協調するのが大事だと思っていて、総合的に考えると。

アメリカの強硬姿勢に便乗させてもらって、日本はアメリカと国連の仲介役を果たすのがベストの選択肢で、たとえばアメリカに一年間の暫定予算ということで譲歩を協力に求め、そしてアメリカという存在を利用して国連に改革を求めていく、という両面作戦をとらなければならない時だと思います。

総理大人さまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-12-09 04:20:29
コメントありがとうございます。

日本政府の反応は、今のところ静観だと思います。

日本は、常任理事国入りよりも何よりも優先して、国連憲章の旧敵国条項削除を求めて「予算人質作戦」を展開すべきです。優先順位としては、国連の効率化を目指す改革はその次ぐらいです。常任理事国入りは、達成できればそれに越したことはないが、できなければできないで、世界第2位の分担金を梃子に発言権を行使すれば十分というのが、私のとる立場です。金を出すなら口を出すのが当たり前です。

最後の、戦術面にかんするコメントは、傾聴に値すると納得しました。ただし、その場合アメリカとの間で事前に調整しておくべきでしょう。アメリカが3ヶ月暫定予算を主張し、日本が6ヶ月ぐらいの暫定予算を提示する役回りということで、まあ芝居といってしまえばそれまでですが。
日本も国連に圧力を (舎 亜歴)
2005-12-11 23:59:23
先の常任理事国入りでは中国などの反対で失敗しました。ここでアメリカに「便乗」して国連に圧力をかけられるかどうかをしっかり見極めるのも良いかなと思います。このところ、日米をはじめ、世界を挑発する中国の出鼻を挫くには絶好の機会です。



もちろん、私は安易な対中対決主義者ではありませんが、ことあるごとに日本を押さえ込もうとする中国には警戒しています。



本気で中国封じを考えるなら、靖国参拝よりもこちらの方がよほど大事です。
舎 亜歴さまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-12-13 06:57:26
大変説得力のある着眼点だと思います。

中国は、国連という道具を使って日本にことある毎に圧力を使ってきていますから、同じ手段でそれに対抗するのは理にかなった話です。ここは是非米国に「便乗」すべきですよ。日本政府がそこまで腹を括れるかどうか、すこし自信がないですが…。