猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

大阪府、道州制の本格的検討へ

2005-10-07 01:05:30 | 構造改革・地方分権
 今まで、地方分権に関する議論で大変物足りなく思っていた点がある。それは、道州制の議論にせよ市町村合併にせよ、はたまた財源移譲の話にせよ、いずれも国がイニシアチブをとる形で議論が進んできたことである。地方分権というからには、地方が自らグランドデザインを構想し、それを達成するためにかくかくしかじかの権限がほしいという方向性でなければ本物ではないと思うからである。念のために言っておくが、私は、国家解体をもくろむ人々を利する結果になりかねない「地方主権」なる概念の賛同者では決してない。しかし、中央政府をスリム化して機動的にするためには、国と地方の間で権限と財源の配分を見直す地方分権があってしかるべきだと思う。それが実効性を持つためには地方が自らの意見を能動的に申し述べる必要がある。その意味で、大阪府が提唱している「大阪新都」構想と、それを発展させる形での道州制の提唱は、意義深いものである。ちなみに「大阪新都構想」は、「①府と大阪市の一体化」、「②市町村が参加する新しい型の広域連合」の2案があり、府に代わる「大阪新都機構」を創設して、拡大した経済圏に対応する広範囲の行政を行うシステムを作ろうというものである。
 「反骨精神」のある大阪らしい話であると期待したい。議論していく過程で問題点が出てくれば白紙に戻せばよいわけだし、地方からの具体的な提言ということ自体を評価しようと思う。一つだけ釘をさしておきたいのはこういう議論のどさくさにまぎれて、地方議会の参政権を外国人に与えるなどという理不尽な話が出てくるのは認められないという点である。



[道州制の本格的検討へ 大阪府、府県廃止で2層制]
 大阪府は4日までに、将来的に府県を廃止し道州と市町村の2層制にする「道州制」の導入に向け、本格的な検討に入る方針を固めた。
 府は独自の「新都機構」構想を提唱していたが、大阪市などが道州制を推進する中、将来的な姿として道州制を前向きに検討することにした。
 道州制の導入には国民的な合意が必要なため、第一段階として「新都機構」を立ち上げ、広域行政のうち道州に吸収させる機能を議論。新都機構を一部残すか発展的解消をした上で、道州制への移行を目指すことにした。
(共同通信) - 10月4日17時19分更新


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1 コメント

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道州制について (山中鹿次)
2006-08-12 06:47:19
はじめまして。昨今の道州制議論は東京集中是正の考えがあまりないのと、地方制度調査会が区割りで県の分割を認めていないのが問題です。外国人参政権など東京は認めないが、大阪は認めるなどしないと本当の地域主権にならないでしょう。なお2月から道州制と日本と地域社会というブログ開設しているのでまたご覧ください。
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