猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

道州制で簡素な政府構築-副大臣会議が首相に報告書

2005-10-28 00:20:25 | 構造改革・地方分権
 ご承知の通り、現在政府が推進している地方分権政策が「三位一体」改革である。これは(1)国庫支出金の削減、(2)税源の地方への移譲、(3)地方交付税の見直しを柱とするものである。国庫支出金とは国が使用目的を定めて地方自治体に与えるもの、地方交付税交付金は各自治体間の格差を縮小するために交付されるものである。これらが、国の仕事が増えすぎて「大きな政府」になってしまう大きな原因になっているとともに、国から地方への強すぎるコントロールの原因になっていることは言うまでもない。また、地方交付税交付金が国の財政の硬直化につながっているとの指摘もある。それを打破するための「三位一体」改革であるが、現在の進捗具合をみると、肝心の受け皿となるべき地方自治体の姿形の設計が遅れ気味である。方向性は、最も基礎的な自治体が「市」であり、その上に現行の都道府県よりも広域的で調整機能を主とする自治体が来るのであろう。これは既定路線であり分かりきったこととはいえ、政府のプロジェクトチームで「簡素で効率的な政府を構築するため道州制を導入し、国の地方部局が担当している事務などを移管すべきだ」という提言がまとめられたことは、方向性を明確に示した点で意義がある。ただし、いくら地方分権を進めるべきといっても、安全保障に関することは国の専権事項であり、国が持つ安全保障に関する機能が阻害されるような制度設計にしてはならない。在日米軍基地再編を念頭に、一言だけ釘をさしておきたいと思う。


(参照記事1)
[道州制で簡素な政府構築 副大臣会議が首相に報告書]
 副大臣会議の「道州制の検討に関するプロジェクトチーム」は27日、簡素で効率的な政府を構築するため道州制を導入し、国の地方部局が担当している事務などを移管すべきだとする中間報告書を官邸で小泉純一郎首相に提出した。
 取りまとめ役の今井宏総務副大臣は「道州制は地方分権を一層進め、国と地方の最大の構造改革につながる」と指摘。首相は「北海道を道州制の一つのモデルとし、いろいろと(導入に向けた)実績を上げてほしい」と述べた。
(共同通信) - 10月27日12時4分更新


(参照記事2)
<副大臣道州制PT>原則として道州に移譲との中間報告
 副大臣で構成する「道州制プロジェクトチーム」(主査・今井宏副総務相)は27日、現行の都道府県に代えて道州制を導入する場合は、地方整備局など国の出先機関の事務は国が本来実施すべきものを除き、原則として道州に移譲すべきだなどとした中間報告をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。
 中間報告では、国から道州へ移譲すべき事務としてこのほか、地域の課題に密接にかかわる事務の企画立案などを挙げた。また、事務移譲と同時に国の人材も移し道州の行政能力の拡充を図る必要性を指摘した。
 今井副総務相によると、小泉首相は中間報告を受け「モデルがないと駄目だ。北海道の道州制特区について各論でしっかりやってもらいたい」と述べた。
(毎日新聞) - 10月27日13時10分更新


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