猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

クールビズの効果

2005-09-26 15:32:33 | 環境・防災・エネルギー
 今夏スタートしたノーネクタイ・ノー上着運動「クールビズ」も、今月末で終了する。最新の週間天気予報を見ると10月初旬にかけて再び暑さがぶり返しそうなので、今月末の期限にこだわらなくてもよさそうなものである。その辺りがやはりお役所的発想である。それはさておき、クールビズの効果自体はどうだったのだろうか。
 まずは、一番の目的の環境への効果。これは、電気事業連合会が16日に試算を発表したところによると、クールビズによる電力量削減効果が2億1000万キロワット時に達したらしい。これを、温室効果ガスの二酸化炭素に換算すると7.9万トンの削減効果になり、一般家庭1万4000世帯が1年間に排出する二酸化炭素量に相当する。こう書くと大いに効果があったように感じられるかもしれないが、日本が1年に排出する二酸化炭素の総量が約12億トンであることから考えれば微々たるものである。ただし、都市部での冷房使用が減ることから、ヒートアイランド現象のようなミクロなレベルでの環境問題には役に立つかもしれない。
 次に、経済的効果。『第一生命経済研究所は、約一千億円の波及効果が期待できるとそろばんをはじいた。特設コーナーを設け、クールビズ商戦に力を入れた百貨店は、六-七月の売り上げ(日本百貨店協会加盟店)で、紳士服部門が前年同期比3%アップ。長期低落傾向にある業界にあって、十六カ月ぶりの上昇を記録、ちょっとした「特需」に沸いた。(産経新聞9月26日)』とのことである。今年は導入初年だから「特需」があったんだろうと思うが、来年はこれほどの経済効果があるかどうか。百貨店という斜陽業界に光をもたらした点では、気分的な程度に過ぎないとはいえ効果を認めてよいと思う。
 実質的な効果もさることながら、真夏に上着着てネクタイして冷房をフル稼働させるなどという馬鹿げたことがなくなるのは実に合理的であると思う。クールビズ導入当初は「ネクタイがないと気合が入らない」といった意見もあったけれども、そういう精神主義がダメなのである。これを機会に、思考をもっと合理的なものにしていくとよい。
 そういうわけで、小池環境大臣には拍手を送りたいと思う。昔の悪評高い「省エネルック」と違って大成功である。

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