10月1日にも書いたとおり、普天間基地移設問題では日米の主張が平行線である。10月末の開催を目指している外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)における中間報告でも、普天間基地移設問題を棚上げして在日米軍再編案の中間報告が出される可能性が高い。普天間移設にまつわる安全保障戦略上の問題点については10月1日の記事を参照していただきたいが、もう少し続けたい。普天間返還が決まって以来すでに10年が経過した。その間、米軍は、普天間では基地自体の使用は可能だったが、新規施設の建設は全く出来なかったという。一言で言えば不便なことこの上ないのである。同盟国として信義にもとると思う。返還の約束がなされた地元が怒るのも、それはそれで当然のことである。結局のところ、日本政府は米国と沖縄県民双方の不信を買い、ひいては日米同盟そのものへの不信を高める結果につながっている。なぜ、米側が主張する浅瀬埋め立て案ではいけないのか?なぜ今更のようにキャンプシュワブ内の陸上案など持ち出してくるのか?実に瑣末なことではないか。
言い方は悪いが、これまで地元民を経済振興策などで「懐柔」して、基本戦略をきちんと訴えてこなかったツケが回ってきたのだろう。折りしも、東支那海のガス田問題をめぐって日中の対立が激しくなり、中国の艦船が海上自衛隊のP3C哨戒機にレーダーで照準を合わせるという事態すら起こっている。日米同盟の重要さは増しこそすれ減っているなどということは全くありえない状況である。まさか、わが国には国防の基本戦略がないなどということはないと信じているが…。
[在日米軍再編:普天間棚上げの中間報告を示唆 大野長官]
大野功統防衛庁長官は7日の記者会見で、在日米軍再編をめぐって10月末の開催を目指している外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)について「内容が詰まった上で開催するのが基本原則だが、どうしても詰まらない場合、(開催を)調整できるような手段がないか考えたい」と述べた。日米間で対立している米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で合意が得られない場合でも2プラス2を開き、普天間移設問題を棚上げしたうえで、再編案の中間報告を取りまとめる可能性を示唆したものだ。
これまで政府は中間報告には「すべての基地再編の方向性を記す」と説明しており、普天間を棚上げした場合、地元が反発するのは必至。普天間飛行場の移設をめぐっては、沖縄県名護市辺野古沖を埋め立てる現行計画の「縮小案」を米側が主張。これに対し、日本側は辺野古沖の陸側にあたるキャンプ・シュワブ(同市など)内に移設する「陸上案」を主張し、打開の見通しは立っていない。【古本陽荘】
(毎日新聞) - 10月7日12時14分更新
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言い方は悪いが、これまで地元民を経済振興策などで「懐柔」して、基本戦略をきちんと訴えてこなかったツケが回ってきたのだろう。折りしも、東支那海のガス田問題をめぐって日中の対立が激しくなり、中国の艦船が海上自衛隊のP3C哨戒機にレーダーで照準を合わせるという事態すら起こっている。日米同盟の重要さは増しこそすれ減っているなどということは全くありえない状況である。まさか、わが国には国防の基本戦略がないなどということはないと信じているが…。
[在日米軍再編:普天間棚上げの中間報告を示唆 大野長官]
大野功統防衛庁長官は7日の記者会見で、在日米軍再編をめぐって10月末の開催を目指している外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)について「内容が詰まった上で開催するのが基本原則だが、どうしても詰まらない場合、(開催を)調整できるような手段がないか考えたい」と述べた。日米間で対立している米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で合意が得られない場合でも2プラス2を開き、普天間移設問題を棚上げしたうえで、再編案の中間報告を取りまとめる可能性を示唆したものだ。
これまで政府は中間報告には「すべての基地再編の方向性を記す」と説明しており、普天間を棚上げした場合、地元が反発するのは必至。普天間飛行場の移設をめぐっては、沖縄県名護市辺野古沖を埋め立てる現行計画の「縮小案」を米側が主張。これに対し、日本側は辺野古沖の陸側にあたるキャンプ・シュワブ(同市など)内に移設する「陸上案」を主張し、打開の見通しは立っていない。【古本陽荘】
(毎日新聞) - 10月7日12時14分更新
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沖縄県民の皆様には、今後とも負担をお願いしなければならない状況にあるので、ご指摘の通り手厚い補償をすると同時に、「なぜこのような負担が必要なのか」に関してよく説明する必要があると思います。後者が今まで欠けてきた点です。沖縄県民のみならず、国民全体に日米同盟の戦略的意義をもっと理解してもらう必要があると思います。それ以前に政府自身がそうなのかもしれませんが…。
高峰康修さまのご活躍を期待いたします。