衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

装苑賞公開審査

2011-04-29 12:46:15 | 衣・考

学生の研修旅行で、装苑賞の公開審査をみました。

印象的であったのは、

審査員、山本里美さんの言葉でした!

佳作1位の受賞作を評して;出てきた途端、笑っちゃったんですよねー・・・・・・・・

いつもクールに表情を変えない、

作風もモノトーンの多い里美さんの評とは

意外!

でした。

審査員の中では最も若手の評としての意味を感じます。新しい時代の言葉。

登場した16人の作品の中で、

唯一、楽しさの感じられる、また元気な作風でありました。

震災の前の審査でも

同じ評価だったかなー???

とつい考えてしまいます。

震災は、

世のデザインをも変えるのだと思います・・・・・・・・

翌日は、21-21で倉又とソットサス展をみました。

そこで倉又の

「・・・・・・喜びが機能を越えなければいけない・・・」という意味のことば(正確な表現が不明ですが)に出会って

二つがつながるように思えました。

今、これから求められるもの

大切なことは

喜び、楽しみ、元気、快適・・・・・・・

というようなことでしょう。

それは、

人間が

ごく自然に求めるものでもあります・・・・・・

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写真はボローニャの街で


東京で「怖い!」と思いました・・・・・

2011-04-28 16:57:33 | 衣・考

kappaさん、コメントありがとうございます!まだ開いてません。明日になると思いますが、参考にします!

3月12日以来の

東京行きでした。

集会の始まりにはアナウンス「この会場は、昨年耐震補修工事を終了し・・・・・・中略・・・・地震の際には、落ち着いて係員の指示に従ってください」

映画館も然り。

コンビニでは「閉店?」と見まがうほどの暗さ。

ホテル6階で、震度3の体験。

長野県に居ては想像できなかったような恐怖感を覚えました。

それは当然ですが

人の多さです。

密度です。

人も建物もこの密集したところで・・・・・・・・火、水・・・

と考えると

逃げ場がない!と思いました。

だから国としては

原発を東京につくらないのでしょうが・・・・・・・・・・

それにしても、戻った翌朝の

雨上がりの安曇野の朝は

とんでもなく美しいものでした。心に身体に沁み入る感じがしました。

福島の海も、きっとこういう美しさであろうと想像します・・・・・・・・・・

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スポレートの教会


反原発・・・・・・・

2011-04-25 09:26:50 | 衣・考

「反原発」「脱原発」は

理想論であるという論調が多いようです。

「代替案を出せ」とか

「30年前にもどれるわけがない」とか

「原発がもっとも低コストである」とか

様々な理由で

原発が「ベスト!」であるかのように言う。

でも、少しずつ

「反原発」意見も出てきている。

風力、太陽、火、水・・・・・・・・・・・・という代替案。

30年前を、わたしはよく知っている世代です。で、悪くないし可能であると思う。要は「方法」です。徐々にでしょう。

個人的には、もっと50年、100年前でも、とさえ思う。

「低コスト」ということこそ「政治経済のからくり」の結果ではないかと思う。

原発を試算するときに、税金負担分を含んでいない、とか

今回のような修復費用、

保障費用等々をどの程度含んでいるのかは

それこそ「政治的思惑」によって

数字が決まってしまうのではないですか?

数字というのは

気をつけねばなりません。

「決定されたモノ」「明快」な印象を受けてしまいます。

数字の出された根拠や経緯に目を向けねばなりません。

昨日のTV番組では

風力発電の可能性を語っていました。

私も、科学技術をストップすることはできないであろうと考えます。

でも、その科学技術を

どういう方向へかじ取りするのかが大切でしょう。

其れを決定するのは

やはり「政治」なのではないでしょうか??????

政治と言う意味は「われわれの1票で決める」と言う意味です。

民主主義を過信しすぎ??????

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写真は、ローマからの鉄道ローカル線内

 


デザインのコンセプト、テーマなど。

2011-04-24 10:50:49 | 衣・考

松本衣デザインでは

課題作品を作る際に

必ず

コンセプト、テーマを設定することになっている。

課題としての設定もあれば

自分で設定しなくてはならないときもある。

ニガテな学生が多いように思う。

「服をつくればいいんじゃないの?」

というような反応が多い、少なくとも最初は。

では、なぜそれが必要?

理由1;商品を買う人が「買うのは服ではない」・・・・・・それをファッションとか、付加価値という

理由2;「アパレルメーカーへの就職」が目的で学んでいるので、その訓練としての意味

     具体的には、①コミュニケーション・・・自分の考えを言葉や画像で伝える。また他人のを理解する。

              ②企業での仕事は、すべてが「共同作業」と考える。その場合に、コンセプト(ポリシーでも)を「共有」する必要あり

というわけで、

学内でつくる「作品」は

学生個人のものではなく

われわれ教師(それも担当教師のみならず)との共同作業なのです!

ですから、常に

アトリエには

「只今製作中!」の

ビジュアルイメージやデザイン画が

貼ってあるのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

写真は、3月イタリア、ローカル線で「ド田舎!」と思ったスポレート駅前に、突然現れた・・・・・

       訪れた旧市街は、はるか丘の上で・・・・

 

 


新1年生!

2011-04-22 16:26:36 | 衣・考

新1年生の

通常授業が始まって1週間が過ぎました。

元気で、楽しそうで

笑い声が絶えません。

上級生や教師陣からの評判も

「明るい!」「反応いい!」など

上々です。

人が変わると空気が変わる・・・・・・・・・

新しい学校の

好調なスタートです!

学生ショップも、

上級生から引き継いで

どんどん新しくなっていってます!


「生きる」意味・・・・・・・

2011-04-19 08:44:17 | 衣・考

日本全国の皆が

生きる意味を問い直している。

そんな中でも

学生の中には

毎日毎日「人格が昨日とは違う!」

と見まがうほどの装いをみせてくれる者がいる。

それを見てあらためて

これがエネルギーなのだ!

これが生きるということなのだ!

と思う。


安曇野の春・・・・・・・・

2011-04-18 16:54:18 | 衣・考

 

朝は

未だ0℃近い安曇野にも

ようやく春が訪れました。

「狂犬病予防注射」のための

いつもより少し長い散歩が

春をやっと実感させてくれます。

帰り道では

毎年恒例になっている

つくし摘みをして・・・・・・・・・・

夕食の1品です。

今年もできました・・・・・・・・・・・・・・


原発と臓器移植と・・・・・・・・・・・・・

2011-04-17 09:08:14 | 衣・考

新聞紙面の多くをしめる

大震災の記事に加えて

他の記事が少しずつふえてきました・・・・・・・・・

そのひとつ。

「子供からの臓器移植」がありました。

原発と臓器移植は

同じ問題を抱えていると思います。

臓器移植の方が

「反対!」を

言いにくいかもしれません。「臓器提供を待つ病人」のことを考えると。

わたしは、

「臓器移植」も

原発同様、

人間に扱えないものではないかと考えております。

理由は、

「死」とは、人間個人のものではない、個人が「生死」を決めてはいけないのではないか?

と考えるからです。

さらに「脳死とは何か?」が

いまだ決定されていないのです。

「死を受け入れる」のには、個人的な時間差が大きいですし、

医学者でさえ、考え方はまちまちなのです。

それを、都合よく

「故人の遺志です」とか「親が承諾した」と言うだけの理由でよいのでしょうか?

「技術者による医療」は、

現場ではどんどん進化可能でしょう。「技術」なのですから。

「原発」も。

でも、双方ともに

人類全体とか文化とかがついていけてない、

手には負えない背景、状況が多すぎます。

他にも、人間のつくってしまった技術で

こういうものはあるように思います・・・・・・・・・・・・・・・・・

それを決定するのが

政治であり、文化人であります・・・・・・・・・

それを支えるのは・・・・・・・・・・・・われわれ大衆なのです・・・・・・・・・

 

                                                写真は、ローマ駅のスタンドカフェで、一瞬で!


AZUMI&DAVID来校!

2011-04-15 12:40:16 | 衣・考

今年もロンドンから世界へ発信する

AnDのデザイナー、

AZUMI&DAVIDが来校して下さいました!

デザインの話、仕事の話を

お土産の「tea]をいただきながら聞きました。

デビューから12年間

ブレルことのないコンセプトの「秘密」を

垣間見る時間でした。

企画、デザイン、サンプル製作、受注、発注、広報、営業・・・・・

のすべてを

2人でやって、

しかも

世界中の名だたるセレクトショップに

納品している

というのは!

どれだけの働きかと想像します。

展示会前は、

本当に「寝る暇ない」と

言いきっています。

だからと言って、たとえば

写真撮影をカメラマンに頼んでも

思った通りにやってもらえないことが

気になってしまうし・・・・・・・。

あまりの忙しさや

資金繰りの大変さに

やめていく友人デザイナーもいるけれど

「そこまでだった」ということでしょう、と。

やりたいこと、表現したいこと、つくりたいものが

いくらでもあるので、そして

やっていくしかない、と思ってやってます・・・・・・・

とのお話でした。

クリエーションが、

人生そのもである、というお二人と見えました。

HPももちろん自前です。

美しく洗練された字体、写真のHPをご覧ください。www.azumianddavid.com

「デザインが人を幸せにする」ことが実感できる商品と思います。

東北関東大震災支援を「ANDエイド」と称して行った(HPにはバンドエイドの写真も!)ことも・・・・・らしさ・・・・ニクイです。

常に「日用品や日常行為」をとらえて、

「?・・・・!」という発想をさらに実現しているように見えます。

多くのプロのデザイナーたちから注目度高いゆえんでしょう。

学生は、大いに刺激され

今朝から、態度に変化が見られるほどでした!!!!!

 


池澤夏樹さんの言葉に同感・・・・・・・

2011-04-10 10:15:29 | 衣・考

4月9日「朝日新聞」文化欄「終わりと始まり」;池澤夏樹・・・・・より抜粋です・・・・

・・・・・略・・・・・・・・・・・・・・

ぼくは「なじらない」と「あおらない」を当面の方針とした。

 政府や東電に対してみんな言いたいことはたくさんあるだろう。しかし現場にいるのは彼らであるし、

不器用で混乱しているように見えても今は彼らに任せておくしかない。事前に彼らを選んでおいたのは

我々だから。

 今の日本にはこの事態への責任の外にいる者はいない。我々は選挙で議員を選び、原発の電気を

使ってきた(沖縄県と離島を除く)。反原発と言っても自家発電だけで暮らすことを実行した者はいなかった。

・・・・・・・・・略・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今からのことを言えば、我々は貧しくなる。それは明らかだ。貧しさの均等配布が政治の責務。

・・・・・・・・・・・・略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(池澤夏樹の言葉は以上)

以下太田です。

原発のことを考えると、

根幹は、出発点は「政策」であると思う。

選挙での「投票」で、われわれは方向を選んでいるのです・・・・・・・

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