衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

就活支援の立場から

2007-08-31 10:16:05 | 衣・考
来春からの就職を希望していて、まだ「採用通知」を手にしていない人は、あせりはじめているのかな?

もし、あせっているのなら、その気持ちを行動に移すことです!

傍で見ていて歯がゆいのは、「行動に移す」ことが苦手な若者がふえていることです。
たぶん全国的な傾向でしょう。
「大学院卒」など、高学歴な人の中にも、かなりそのような人多いようです。

なぜ?
教育の成果(?弊害?)でしょう。
「勉強至上主義」の風潮が、家庭や学校に、社会にあるからでしょう。

昨春、校内でのできごと。
教師「掃除してください」
学生「?どうして?・・・・だって、勉強してるんだよ!」




勉強というのは、実に個人的なことなのです。本人のためなのです。
とても贅沢なことなのです。

これに対し、「社会人になる」というのは、自分のためのみならず、他人や社会のことを視野に入れて行動する、ということなのです。

ですから、就職「活動」ということが、重要だと、私は考えます。
「活動」が、あなたを成長させます。

「活動している」あなたを、相手に感じさせることができれば、「採用」となるはずです。

具体的には、反応のよさ・・・・・・挨拶のタイミング、電話やメール、お礼状のタイミング、身体の動き方・・・・・
こういうことは、マニュアルではありません。練習の成果でもありません。
あいさつ文の「内容」など、まず関係ありません。タイミングのほうが大切です。


毎日の暮らしぶりです。

不思議なほどです。「最近、この人感じいいな」と思っていると「採用通知きました!」となります。

学生というのは、専門の勉強をする、という身分を手に入れておいて、「暮らし方をマスターする」期間である、と考えて欲しいです。

「締め切りアウト!」になってしまう若者も多くて、気になります。

「他者がいる」事項が、優先です!!!

専門学校や大学では、「勉強のできる優等生」ではダメです!
専門学生の間に「社会人」になってください。
いつでも「応援」してます。         
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クラブショップ ニュース

ワレモコウ の美しさ!

2007-08-28 09:53:34 | 衣・考
安曇野でも、この20年で、ワレモコウを見かけることがほんとに少なくなりました。

自転車での通勤途中で、昨年と同じ場所に、1箇所だけ咲いているのを見つけました。
2日目に、枝の先30センチほどを折って、持ち帰りました。

窓辺に飾って、朝夕眺めています。

ワレモコウは、逆光が似合います。
なぜ、こんなに、人を魅了するのでしょう?

枝の四方八方全方向へ、気持ちよく伸びている姿が心地よいです。
規則性があるようにはみえません。
植物なのですから「でたらめ」のはずもありません。

もしかすると、われわれの身体の中でおこっている「細胞分裂」もこんなふうなのかな、と思ったりします。


物心ついたころから不思議に思っていることがあります。

「野の花」を活けると、いつもうまくいくのです。どうやっても、どんな組み合わせでも、満足に活けられるのです。
買った花では、こうはいきません。

野の花は、花瓶の中でも、かってに咲いてくれます。
勝手に、空間デザインをしてくれます。

その完成品が、ワレモコウのような気がしています。

ワレモコウ、吾亦紅、吾木香と、PCではでました。


「我も恋う」だと聞いたことがあります。    

8月28日(火)申し込み締め切り!

2007-08-25 14:17:27 | 衣・考
「ぺちゃくちゃナイト」という、知る人ぞ知る有名なイベントが、東京西麻布で開催されている(月1回?)。
その長野版、松本版が、今春につづき2回目、開催されます。

開催日9月1日(土)18:00-
場所;松本市中央(中町通り入って10m右)「ポットべりー」
入場料無しですが、ドリンク代として1.000円(出演するもしないも)

前回は、今留学中の矢嶋、神通川さんが「デザインポートフォリオ」を発表して、随分と好評でした。
見にだけ参加した学生も、プロのデザイナーや、面白い人たちと交流して、楽しかったようです。

今年も、うわさによると、3年生の3グループが出演するようです。
実は、3年生は、その日、朝から東京での検定試験を受験したその帰りに参加ということです。

何をするかというと、写真20枚を用意し、1枚につき20秒以内の「しゃべり」をする、ということです。

会場の雰囲気は、わきあいあい、遊びムードなのですが、学生としては、あがってしまって、何を言ったのかわからなかった、というのが、昨年の人たちの話ではあります。
でも、ドリンクタイムには、多くの人に、暖かく囲まれて、とてもうれしかったと。
そのいきおいで、留学試験まで突破したとのことです。

当校でも、常々「プレゼン」練習をやってもらってますが、お客さんの集まった中でできるのは、貴重な体験だと思います。

大人はみな、「学生」には、あたたかいです。
おそらく、最も若い出演者です。
1年生でも、2年生でも、やってみませんか?
以外な人との交流も、どきどきしながら体験しましょう。

よし、来年のための下見、というのもいいかな?       

出演希望者は、申し込みをわすれずに。        

会場のポットベリーへ行くと、チラシがおいてあります。

スタイリング!

2007-08-24 14:43:31 | 衣・考
久々に「スタイリング」です。

夏の1年生の補習授業が始まりました。
2学期の準備、はじめての「ブラウス&スカート製作」です。

授業初日に、担当教師が強調していました。
「今からスタイリングを考えておいてください」

そうなんです。

わたしは、毎日上級生のデザインカウンセリングを行っていますが、スタイリングができている、ということは、ターゲットイメージも、グレードも、すべてが想定できている、ということになるのです。

スタイリングができている、ということは、コンセプト、テーマが明確である、ということなのです。

スタイリングは、最後にやることではありません。
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クラブショップ ニュース

エコ バッグ に いらだつ!

2007-08-24 10:16:39 | 衣・考
エコバッグのブームに、素直には喜べないものを感じます。

ブランドエコバッグを買うのに、列が出来たり、けが人が出たり。
自治体や全国の商店街企画のもの、お店ブランドのもの・・・・・

実は、当校学生クラブショップの企画エコバッグが、地元でちょっとした話題になってしまってもいます。
マスコミ取材3件、製作指導の依頼が自治体からと、中学校からと。

クラブショップで売れた数も、2ヶ月ほどで20枚以上というのは、「一大事件」です。

学生は喜んでいるので、水を差したくはないですが「???・・・・・・・」

考えてみてください。

本当にファッション商品というのは「罪つくり」です!

誰かが言い始めた「エコ」をビジネスチャンスにしているだけの動きの、何と多いこと!

学生は、素直に、普段、自分たちが「ゴミ」として捨てているものを拾ってつくり始めたのは事実です。

ですから、あくまでも初心を忘れることなく、「廃物利用」を徹底して、できれば人へもそのことを伝えていって欲しいと願うところです。
たいていの家庭に、「布」はあります。
風呂敷、てぬぐい、ハンカチ、寝具、カーテン、テーブルかけなどなど・・・

古着であれば、平らな布より、もっと簡単に「バッグ」になります。

さらに、学生にはこの機会に、社会へ、地球全体へ、問題をつなげていって欲しいと思います。

で、こんなことを、スタッフルームで話題にしたら、辛口教務部長Aから「校長が言うと、経費削減に利用しているとおもわれるのがオチじゃない?」と返ってきました。

たしかに、そう見える企業CMは多いです・・・・・・

Aが言いたいのは、「善は、個人で、黙って成すべし」でしょう。
私も、それがもっとも腑に落ちるところなのですが、実は。

こういう話は、記名すべきと考えますので、あらためまして、以上、
松本衣デザイン専門学校 校長 太田正子 でした。       

安曇野は秋です

2007-08-22 11:19:10 | 衣・考
新聞などでは、「残暑」と言う言葉すらおかしいのではないか、今は盛夏であろう、と言っている人がいますが、日本列島は、思いのほか長くて、変化にとんでいるのですよ。

安曇野では、8月初めから秋の花が咲き始めるので、日中は暑いですが、朝晩は、しっかり「秋」を感じます。
秋の七草が、すべて見られます。

コウロギの声が圧倒的ですが、鈴虫が、かぶってきました。

コウロギで充分風情を味わっていましたが、鈴虫は、やはり美しいです。名のとおりです。夕焼けが終わる頃から、盛んに鳴き始めます。

稲は青々と、今年も豊作です。力強い伸び方の美しいこと!
田んぼを渡ってくる風も、心地よく涼しいです。


1日中私を待っていてくれる犬に付き合っての散歩の間だけですが、優雅なひとときです。

                       

サイトウキネン ボランティアへの、不満???

2007-08-21 13:32:00 | 衣・考
なかなか大変です!

まずは、度重なるスケジュール変更。「学生は遊んでいると思われている!」と言う不満。
そもそも、「募集」が前日だったのですから。

で、行けば行ったで「働きやすい格好で来なさい」との注意。

でもねー

想像してみましょう!

オーケストラだけで、100人を超えるメンバー。そこへ、オペラ出演者100数十人、スタッフ数百。そのすべての、スケジュール管理に組み込まれているわけです。
フィッターボランティアの初日、「今日は、衣装を着なくなったので、なし、です」との連絡。きっと、「音楽」の出来がおくれたのでしょう。
小澤征璽さんの体調不良が原因でさえなければ・・・・・と、つい思ってしまいました。

「働きやすい格好で」というのは、常識です。まして、衣デザインの学生は、つい先日、衣コレをやって「フィッターの何たるか」を知ってるはず。
加えるならば、最高のオペラをつくり上げるためのアシストなのですから、出演者の「理想的環境」をつくらねばならないのです。自分かってな服装がゆるされるものではありません。いかに演者の邪魔にならないか、「いない状態」になれるか、です。

うっかりした人は、常識ないなー、イマジネーション不足です。「思いやり」でしょう。

さて、きょうも学生は行っているはずです。どんな注意をされるのかな?

将来に生かされますからね。ありがたいことです。

衣服で、涼しくするには?

2007-08-17 15:03:55 | 衣・考
この暑さ対策として、どんな衣服がよいのか「実感」しておくと、使えますよ。

今、何を着ていますか?

私の手持ちで、最も涼しいのは(仕事服の中でですが)、麻のJKです。
次が、綿に泥染めのもの。次は、綿麻の混紡。最後に木綿です。

今年は日差しが強いので、炎天下では、少し太めの糸で織った麻布が、とくにしのぎやすいです。細糸では、夏の日差しをよけることは出来ません。

「泥染め」は、数年着ていますが、本当に快適です。ひんやりします。

最近では、スポーツウェアが進化していますから、それを上手に着まわしている人もいることでしょう。
「ひんやり感」のあるもの、瞬時に乾いて「汗」を感じない物など、出ているようです。

夏は、結構、肌を出しているのは、涼しくはないはずです。
風の通る、陽の当たらない縁側ならよいですが、日差しのあるところも、冷房のあるところも、肌を出しているのは、健康にはよくないはずです。

着物文化では、「人目に涼しく」と言う考え方があるようです。
着ている本人は涼しいわけではなくても、人様から見たときに「涼しく感じさせる」ということが「気配り」である、という。

その最たる例が、京の舞妓さんと、お坊さん。どちらも、人目に見えるところは、決して汗をかかないでいることが、訓練できているのだそうです。

この暑い夏だからこその体験を、是非、しておいてください。

夏休みは、タイムスリップ、スペーススリップ???

2007-08-16 16:38:35 | 衣・考
3泊4日の夏休みでした。

認知症と診断されて5年になる母(80歳)と、姪との「トリオ旅行」

まったく仕事の気配もない空間、時間でした。

母は、数秒程度しか記憶が続かないのですが、記憶以外は正常(って何?)で、なかなか鋭い感想を述べたりする。

風景や建物のしつらえや、味についてなど。

到着してすぐに「ここはいい!」というので、何かと思うと、障子の桟を指ですーっとなでて、キレイに掃除ができている、というのです。

仲居さんがきてくれると、正座して(畳の縁の手前で)手を突いてお礼を言う。
私もあわてて・・・・・

普段は一緒には暮らしていないし、日本家屋ではなくなってから久しいので、1つ1つが新鮮な体験でした。

「大家族制」がよかったのかな?と考えてしまいました。

ともかく、ときどきの「非日常体験」は、とても大切と思います。

3人で、プール三昧、温泉三昧でした。               

サイトウキネンフェスティバル歓迎!!!

2007-08-11 14:50:22 | 衣・考
松本衣デザイン専門学校が松本にあってラッキーでした!

毎年のように、学生やスタッフに、「サイトウキネンフェス」の、ボランティア依頼がくるのです。

ミュージアムショップのディスプレイだったり、写真展のウィンドウ飾りつけだったり。
1回目の開催時から、毎年、何らかのお手伝いをさせていただいてきました。

その中でも、今回は特別です!!!

なんと、オペラの衣装フィッターと、縫製お直しのお話がきました。

昨日は、総合プロデューサーの方が、楽屋、ステージ、縫製の作業場などを、案内して、見せてくださいました。
今回は、チャイコフスキーの「スペードの女王」ということで、かなり豪華な、総出演者数百数十人というものです。それに、オーケストラですから、何と贅沢なものでしょう。
ですから、衣装の数も・・・・何着も着替える登場人物も大勢いるし・・・・

また、その時代が、ロココと、それに続く最もスカートのボリュームの大きな頃なのですから、非日常の衣装を見る(触れるのです!)絶好の機会です。

ああ、学生には、私のこの嬉しさとありがたさが、なかなかつたえきれなくて、残念です。

そもそも、わたしは、50年前から、小澤征爾さんの大ファンだったのです。
その彼を囲んでのサイトウキネン・フェス。会場が松本になって・・・・・

ですから、オペラも、行われた3分の2ぐらいは、観てきました。

フィッターをやる学生は、舞台袖で、しっかりオーケストラにも耳を傾けてください。
世界最高の音なのですから。 

また、何よりも学生に体験して欲しいのは、世界から集まったプロ集団の働く「現場」の空気を吸うということ。
皆さんカッコイイです。
なぜ、カッコイイのか、確かめてきてください。