衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

衣服の歴史における「スポーツ」イメージ

2010-08-31 09:20:01 | 衣・考
オリンピックが古代ローマで始まったのですから、スポーツウェアもそこからスタート!と考えることもできるのかもしれませんが・・・・・・

服装史(女性)上の常識としては、「19世紀末のスポーツ、健康ブーム」からとするのが一般的でしょう。

また、現代に入ると、「スポーティブ」「スポーティー」というニュアンスも多用されるようになり、

女子服の「スポーツ イメージ」は実に幅広いのです。

単に活発、アクティブのイメージであったり、

カジュアル、ワーキングウェアのイメージであったり、・・・・・

60年代のサンローランなど、オートクチュールで「スポーティブ ルック」などというものを出していますから(本人の命名か、マスコミによるものかは不明ですが)

これで一気に、「スポーツ イメージ」の拡大となりました。

では、

2010「衣コレ」では、どう表現したらよいでしょう?

舞台、ステージは「わかりやすく」したいので、「象徴」としての「スポーツ」

を表現していきましょう。

・・・・・・・・・・・

「言葉」を覚えた若者は、「屁理屈」を言って返してきます。

「よく覚えたね」とほほえましくも・・・・・・「屁理屈は屁理屈です!」

言葉の真髄、を理解し合いたいものです。

エスニック イメージ・・・・・・

2010-08-30 08:56:28 | 衣・考
ファッションを意識する人もしない人も、今、街を歩く人々の装いに「エスニック イメージ」がとても多い。

今年の「衣コレ」も、スタイリング・イメージ「エスニック&スポーツ」です。

で、エスニック イメージって何?

デザインや販売のプロを目指すのであれば、「なんとなく・・・」ではダメ!

きちんと「言葉」で語れるようにしておく必要がある。

デザインは、まず言葉です。

言葉があるから「考え」に発展できるのですから。

1 「エスニックイメージを表現するテクニックは?」

   色、柄 (それも織柄からルーツの)であることは、だれでもわかる

2 「色、柄以外では、エスニックイメージ」の特徴は?

   単純なパターンと縫製

   「デザイン」などという概念のない時代に、ミシンの発明のずっと以前に、プロのパタンナーなどいない時代に「生活の工夫」から生まれた衣服なのですから。

①四角の布のままを巻きつける

②首の通る穴をあける

世界中の衣服は、このいずれかから進化をつづけていると考えてもよいでしょう

ペザントルックの、一見複雑に見える服でも、スモックブラウスもスカートもほとんど直線裁ちです。

そのことが独特のシルエットを生み出しています。

3 着た人が、開放的に楽しく、また逞しくなるイメージもあります。

自然との闘いも共存も「明確」な時代のイメージです

4 更に「衣コレ」では、「スポーツ イメージ」をミックスします。

  「スポーツ」とは、近代の象徴、更には「人類の進化」の象徴でもあり、まさに「コンテンポラリー イメージ」の材料として分かりやすい表現ネタです


「忙しい!」ということ・・・・

2010-08-29 11:25:49 | 衣・考
「忙しい!」と言われた友人が、少し気分を害した気配だった。

それは当然ですよね。

「忙しい」には、随分と幅がある、たいていの場合。

たとえば・・・・

トイレに立つ間もないぐらいに、目の前の片づけ仕事に追われているときに、学生がよびかけてくる場合;

学生の方も、少しは気配を察知して遠慮がちであるし、かえってこちらは、そのタイミングを利用して、手を休める都合よさにもなる。

逆にせっぱつまっているのだけれど、それが考えに行き詰っていたり、考え中の場合には;

周囲には、とてもわかるはずはない。

忙しそうにはとても見えないのに「忙しい」と言ってしまうのは、そういうときだ。

ことは、生活の場面のほうが面倒だ。

掃除、洗濯、料理、草むしり、ゴミかたづけ・・・・などというのは、はたから見れば遊んでいるようなものだ。

でも・・・・・それがたいせつな息抜きであったり、やらないとストレスためる原因になったり・・・・また、何もせずぼんやりする時間だって人生の貴重な時間なのだ。

・・・・・・・だから・・・・・

「忙しい!」と言われたら、「今は、会いたくないよ」という意味なので・・・・・・・

気分害するのでしょうねー・・・やはり。

池田六之助 さんのお話

2010-08-28 10:52:39 | 衣・考
昨日は、先週学校各種学校連合会 長野県中信支部主催の「教職員研修会」講師として

地元松本の老舗呉服店会長の池田六之助さん をお招きしてお話を聞きました。

知る人ぞ知る、森本喜久男さんがカンボジアで「伝統絹染め織」を現地の人たちとともにやっている仕事と、その「布」のお話でした。

肌につけると「びっくり!」する風合の布でした!

なぜ?とききますと、

現地の蚕を、手作業で糸にするから、ということでした。

わたしは、インド、タイ、ミャンマーのものを持っていて、服にもしていますが、それらとは、まるで異なるもので驚きました。

学生も聴講させていただいてよかった!!!!!

詳しくは、下記、是非ご覧ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

時計のロレックスが、世界で、毎年1名に送る賞「受賞」記念の言葉が紹介されています。

戦争で荒廃したカンボジアの シルク製作の再生 2004年度受賞者 森本喜久男.
www.rolex.com/ja/world-of-rolex/.../awards.../kikuo-morimoto - キャッシュ

2010衣コレ+SO・・・チケット販売開始!

2010-08-26 09:32:20 | 衣・考
2010衣コレクション(学生作品発表であり、1-design club shop の新商品紹介!)は

SO松本の10周年記念イベントとのコラボです。

SOのアスリートがモデルさんになります。(一部学生モデルあり)

その、入場券の発売を開始しました。

松本衣デザイン専門学校と idesign club shop にて 販売しております。

以下、お知らせです。

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INCLUSION COLLECTION 2010(SO松本10周年記念)

日時:9月26日(日){3ステージ・入れ替え制}

    第1回10:15-(開場  9:55)

    第2回12:15-(開場 11:55)

    第3回14:30-(開場 14:10)

会場:まつもと市民芸術館・小ホール

入場券:1,000円 (ドリンク&フード付き)*当日券・前日券とも同金額です。

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連日、準備、練習に励んでおります!

今回は「モデルさんの個性 対 学生作品」という、なかなかの見もの!です。

どちらも力あります! お楽しみに!

ご来場お待ちします!

三宅一生の服・・・・・朝日新聞より抜粋

2010-08-24 09:23:38 | 衣・考
昨日8月24日付朝日新聞より抜粋

見出し;再生の糸 一枚の布  三宅さん、秋から新シリーズ

    前衛性と日本性と

    息づく長年のテーマ

リード文より抜粋;
  ・・・自身の肩書に「ファッション」を冠することはない。もちろ
  ん活動の中核は世界的評価を得てきた衣服のデザインだが、その視線は
  広く遠く、ものづくりや社会のデザインに向けられているのだ。「再
  生・再創」をテーマに、この秋発表される新シリーズも、その延長線上
  にある。

本文より抜粋;「自身を失った日本に希望があるとすれば、それはデザイン」。

スタイリング本番!

2010-08-23 09:22:46 | 衣・考
本日より、スタイリング本番に入ります。

スタイリングの考え方;

1 距離の設定

  日常の服装コーディネートでも、舞台衣装でも、まずは、どれぐらいの「距離」で見せ  るのか、という作戦です。

  4畳半の距離から、100メートるぐらいまで想定できますよね。

  巨大会場になると、スクリーンやTVで「どアップ!」ということもありで、そうなると  また、かえって「近距離意識」が必要なのですが。

  その、距離の設定によって、シルエットからメーク、小物まですべてのチェックし直し   が必要です。

  アパレル販売現場でも、とくにフォーマルウェアの売り場などでは、そのような認識を  要するでしょう。

2 明るさ、証明への配慮

  狭くて明るい会場では、「色遣いの詳細」が見えます

  暗くて広い会場では、際立ってくるのは「シルエット」です。

  「光りもの」も効果が出ます。

  ライトが使用されたり、写真撮影関係が入る場合は、「肌色」の見せ方も重要になって  きます。
  全身に「ツヤ出しメーク」など、必要な場合も。

  舞台メークの化粧品関係は、松本では、お城へ行く手前の老舗「田立屋」さんが揃って  ます。その後のお手入れまで含めて、相談にのってもらえる安心感があります。
  舞台用メーク品は、案外と安価なものです。

今回の課題;学生は「アパレル商品」として、課題を完成させました。それを、これから、「ショー」としてのコンセプトにのっとって、「アレンジ」していくわけです。

昨日は、「ぶっつけ本番!」で試みたわけです。モデルさんとも初顔合わせ状態で。なかなかの取り組み方でした。

いつもはとてもシャイな人が、一生懸命語りかけている姿を何組も発見!して、嬉しくなりました。

今週は、それを更に進化させていきます。

・・・・

方や、ウォーキング練習も開始です!最多では、1人の学生が「数パターン」の舞台上の動きをマスターせねばなりません。

しかも、その後、モデルへ指導するのです。

まずは「体調管理」と「気力管理」でしょう。

一般的ファッションショーと反対?!

2010-08-22 13:48:47 | 衣・考
昨日の練習風景を取材していたTV局の方から、終了後に質問されました。

「きょうのご感想は?」と。

私:モデルさんのパワーに圧倒されて、服が負けてしまわないようにと必死でした!

「?それはどういうことでしょうか?」

私;一般的なファッションショーにしても、例年の学生作品ショーにしても、モデルは「服を理解して、服を主役にしよう!」とします。

でも、今日のモデルさんは「演技」はほとんどせずに「自分」をドーンとそのまま出してくれます。

それは「力が強い」です。だから、「作品としての服」も負けてはいけません。

モデルの魅力にぶつかっていくようなスタイリング(も作品ですから)をする必要があります。

「それは、一般的ファッションショーと反対ですね?」

私;???・・・・

「反対」と言う意味が理解できず・・・・・・

でも、私たちの日常は、今日の方に近いですよね。とっさに着なくてはならなかったり、服を買おうとするお客様に合わせてあげなくてはならなかったり(販売職の場合)・・・・

生の、いい勉強ができました!

期末作品講評会、そして第1回「練習」

2010-08-22 13:24:18 | 衣・考
昨日は、1学期作品の衣服製作実習の講評会。

続けて本日は、SO(スペシャル・オリンピックス)アスリートのモデルさんを迎えての、コラボショー第1回の練習。

おそらく、学生は昨日迄は自分の「作品」で頭がいっぱいだったと思う。

それが、きょうは・・・・・

モデルのパワーに圧倒されたのではないでしょうか?

でも、学生もよくやってました!

知的障害をもつ初めての相手とうまくコミュニケーションをとることは、それ自体今までにあまり経験がないかもしれません。

のみならず、準備していたスタイリングを、モデル対応に直していく、変化させていく作業であったのです。

服のサイズも合わないものも多く・・・・・それをどのように、モデルの魅力も作品の魅力も失うことなく変化させていくか・・・・

予定どおりの2時間で、なんとかなりました!

さあ、先が見えたので、明日からは「完成度」をあげていきます!

自分にできることは何か?よく考えてください。

やっていくことで、もっともっと楽しくなっていきます!