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入札情報漏洩容疑で年金機構の職員逮捕 職場のパソコンにはパスワード設定なし!!!

2010-10-16 05:45:16 | Weblog
入札情報漏えい:容疑で年金機構の職員逮捕--警視庁 2010年10月15日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101015ddm041040133000c.html
 「宙に浮いた年金記録問題」の対策事業を巡り、日本年金機構の職員が特定の業者に入札情報を漏らしたとして、警視庁捜査2課は14日、人事管理部参事役の高沢信一容疑者(46)=東京都東久留米市滝山=を官製談合防止法違反容疑で逮捕した。また情報を受けたNTT子会社の人材派遣会社「NTTソルコ」営業担当部長、山本一郎容疑者(43)=東京都小平市小川東町=を競売入札妨害容疑で逮捕した。2人は年金機構の前身の旧社会保険庁の同僚。同課によると「間違いない」と容疑を認めている。
 漏えいしたのは、7億2000万件の紙台帳記録とコンピューター記録について、全国29の会場で照合する業者を決める一般競争入札の情報。逮捕容疑は、高沢容疑者は年金記録問題対策部の係員だった2~5月、入札の評価ポイントを記した仕様書案や予定価格を類推できる資料を旧知の山本容疑者にメールで知らせた。5月中旬にはJR新宿駅南口付近で技術評価点一覧表など他社の応札額を類推できる情報を直接渡し、公正な入札を妨害したとしている。
 関係者によると、2人は07年ごろ、旧社会保険庁運営部企画課で同僚だった。高沢容疑者は年金機構の調査に「(旧知の間柄で)要求をむげにできなかった」と説明し、金銭の授受は否定していたという。年金機構によると、5月末に行われた入札では、NTTソルコ社は17会場で応札し、千葉と新潟会場分(落札額は計約12億円)の2件を落札。しかし、6月に外部から情報漏えいの指摘があり、調査した第三者委員会は「情報漏えいで業者側が有利な立場になった」と結論付けた。年金機構は2件の入札をやり直すことを決めている。
 官製談合防止法は国や地方公共団体、特殊法人の職員に適用され、刑法の競売入札妨害罪よりも重い「5年以下の懲役または250万円以下の罰金」という罰則が設けられている。年金機構は特殊法人にあたる。

◇旧社保庁、相次ぐ不祥事
 旧社会保険庁が廃止される最大の要因となった年金記録問題で、今回の入札は、宙に浮いた年金記録解明の切り札とされていた。この作業の手順を決める中心人物の一人だった高沢容疑者の逮捕に、関係者からは「旧社保庁のなれあい体質が続いているとみられても仕方がない」という声が相次いだ。
 日本年金機構によると、高沢容疑者は年金機構発足直後の1月下旬から全件照合プロジェクトを進めるグループに配属された。幹部の一人は「旧社保庁の企画課に所属していた06年に、年金記録問題関連の業務に携わった実績があった」とその理由を説明する。しかし警視庁捜査2課の調べでは、配属されて間もなく山本容疑者に情報を漏えいしていたとされる。
 旧社保庁に絡んでは9月、社保庁出身で元特別医療指導監査官の厚労省課長補佐が、コンタクトレンズ診療所に対する指導監査を巡り逮捕されたばかり。過去には▽テレビCM発注を巡る収賄容疑で石川社会保険事務局元課長を逮捕(04年6月)▽保険料徴収に使う機器発注を巡る収賄容疑で社保庁課長を逮捕(同年9月)▽年金加入記録ののぞき見で職員ら3273人を処分(05年12月)▽歯科医への診療報酬を巡る収賄容疑で社保庁指導医療官が逮捕(07年5月)--といった事件・不祥事が相次ぐ。
 職員逮捕を受け、細川律夫厚生労働相は14日夜「あってはならない事件。業務も遅れ、信頼も失う二重の意味で申し訳ない」と陳謝した。


年金入札情報漏えい:「会社の上司に報告」山本容疑者供述 2010年10月16日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101016k0000m040114000c.html
 日本年金機構の年金記録照合業務を巡る入札情報漏えい事件で、警視庁に競売入札妨害容疑で逮捕された「NTTソルコ」の営業担当部長、山本一郎容疑者(43)が、年金機構職員の高沢信一容疑者(46)=官製談合防止法違反容疑で逮捕=から未公表の入札情報を聞く度に「会社の上司に報告した」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。ソルコ社が入札情報が漏れていることを知りながら、黙認していた可能性が浮かんだ。
 警視庁捜査2課によると、山本容疑者は2~5月、旧社会保険庁時代の同僚だった高沢容疑者から、入札の仕様書案や他社の「技術点評価一覧表」などを入手。他社の応札状況を類推し、入札を優位に進めたとされる。
 捜査関係者によると、山本容疑者は上司に入手した情報を報告したが、止めるような指示は受けなかったという。一方、ソルコ社は5月の入札に備えたプロジェクトチームを4月に結成し、山本容疑者を中心に据えた。山本容疑者は「上司も(未公表の情報を取ることも)営業の範囲内と考えていたと思う」と供述しているという。
 ソルコ社は毎日新聞の取材に対し、「不適切な行為を助長するような行為はなかったと認識している」とコメントしている。

年金機構の入札情報パソコン、保護設定なし 2010年10月16日 毎日 
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101015-OYT1T01390.htm
 年金記録の照合作業の入札を巡る情報漏えい事件で、入札情報が保存されていた日本年金機構のパソコンの専用フォルダーは、同機構参事役・高沢信一容疑者(46)(官製談合防止法違反容疑で逮捕)が所属していた記録問題対策部の職員なら誰でも閲覧できる状態だったことが、警視庁の調べでわかった。
 同庁は、入札担当者ではなかった高沢容疑者が、同機構のずさんな情報管理につけ込み、フォルダーに自ら接続して入札情報を入手していたとみて調べている。
 同庁幹部などによると、今回漏えいが発覚した入札の予算関係資料などは、同部内で「取扱注意」に指定されていた。しかし、資料が保存されていたパソコンの専用フォルダーには、パスワードなどの保護設定がなく、部内の誰でも自由に閲覧できる状態だった。
 高沢容疑者は照合作業の進め方のマニュアル作成などが担当で、資料が厳重管理されていれば、本来は入札情報を入手できる立場になかったという。




 う~ん。14日に『「宙に浮いた年金記録問題」の対策事業を巡って、日本年金機構の職員が特定の業者に入札情報を漏らしたことで、年金機構の職員(高沢信一容疑者)が逮捕』されたという第一報が入ってきた時も吃驚しましたが、その高沢容疑者の元同僚で、同じタイミングで競売入札妨害容疑で逮捕された山本一郎容疑者が上司にその内容を報告。不正が会社(落札会社)ぐるみで行われていた?疑いが出てくるは、日本年金機構の側にもパソコンの専用フォルダーにパスワード設定が行われていないなど、どんどんとんでもない新事実が発覚してきているようです…(唖然

 まあ、前半の人為的に行われた不祥事はともかく、今時パソコンにパスワードを設定しない職場があるなんて、それだけでも驚きですし、情報漏洩には細心の注意を払わなければならない部署だけに、パスワードの設定は常識以前の話で、むしろ毎月パスワードの変更を行うくらいの不正情報取得対策はとって然るべきなどと私は思うのですが、ここまでいい加減な組織運営をしていたとは…(溜息
 これまで旧社会保険庁の膿を洗い出してきた前大臣の長妻さんも、そのまた前の厚生労働大臣の枡添さんも今は組織の外にいるだけに、今の細川律夫厚生労働大臣に果たしてどれだけのことができるのだろう…と正直かなり不安ですが、細川大臣には これを機に、徹底的に組織の膿を洗い出してほしいものですね。