心に勇気の光源を持つ人は、苦しみの暗夜に打ち勝つことができる。闇が深ければ深いほど、仰ぎ見る太陽はまばゆい。「暁は夜から生れる」とは、インドネシアの女性解放の先駆者カルティニの叫びである。 . . . 本文を読む
この日、伸一は、香港創価幼稚園に贈ろうと、原稿用紙に、指針を記した。
「君たちよ!正しい人に!美心の人に!」
さらに、別の紙に、こう認めた。
「香港幼稚園は 私の生命也」
通訳が、その言葉を伝えると、教員たちは、胸を詰まらせた。感動を覚えた。いや、園児たちも、小さな胸に、伸一の思いを、強く感じ取っていた。
真心には、国境も、年代の壁もない。相手を思う一念から紡ぎ出された言葉は、魂の共 . . . 本文を読む
人の心がわかる子どもを育む。それが、人間教育の第一歩と言えるかもしれない。心が敏感であってこそ、感謝が生まれ、喜びも生まれる。そして、心が満たされていく。心を豊かにし、強くしていってこそ、幸福を築くことができる。心を育まずして教育はない。 . . . 本文を読む
そして、伸一は、「崇峻天皇御書」(三種財宝御書)の「蔵の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり、此の御文を御覧あらんよりは心の財をつませ給うべし」(御書一一七三ページ)の一節を拝した。
この御書は、建治三年(一二七七年)九月に、身延にいらした日蓮大聖人が、四条金吾に与えられた御手紙である。当時、四条金吾は、病にかかった主君・江間氏の治療に当たるようにはなっていたが、所領の没収という問 . . . 本文を読む
松下に、生涯の指針、モットーとしている言葉を尋ねると、「素直な心」との答えが返ってきた。それは「私心なく曇りない心」であり、「一つのことにとらわれずに物事をあるがままにみようとする心」だという。
そして、この「素直な心」が、人間を正しく強く聡明にし、宇宙の根源力にも直結する道だというのが松下の考えであった。 . . . 本文を読む
古来、詩人や哲学者らが、金は人間にとって「召し使い」にもなれば「主人」にもなると指摘してきた。 経済を人間の幸福のために使いこなしていく「心の豊かさ」の復活――そこに、宗教者の使命があるのだ。 . . . 本文を読む
「あの時の座談会では、反発ばかりして、申し訳ございません。もともと、人に負けたくないという心が強い性格なんです」
伸一は、笑いながら語った。
「それを仏法では、修羅の生命と説いているんです。外見は立派そうでも、内心では、〝常に人よりも勝っていたい〟と思い、他人を自分より下に見て軽んずる。その『勝他の念』が修羅の本質です。そして、虚勢を張ったり、地位や権力を誇示して、自分を偉く見せようとする。また . . . 本文を読む
彼は、「平和」について述べ、平和の危機という問題も、人類社会を治める人間にこそ本質があり、人の心の波動が、善悪の社会現象を生んでいくと指摘した。そして、こう訴えたのである。
「私が、今から皆さんに望むことは、『他人の不幸のうえに自分の幸福を築くことはしない』という信条を、培っていただきたいということであります。すべてにわたって、この心をもち、実践していったならば、まれにみる麗しい平和な学園が実現す . . . 本文を読む
仏法のために、広宣流布のために、重ねた苦労は、流した涙は、拭った汗は、全部、自分の福運です。永遠の生命の財産になります。それを本当に確信できるかどうかが、実は、一生成仏できるかどうかの決め手なんです。 . . . 本文を読む
学会の世界は、なぜ清く、美しく、強いのか。世間の利害や打算に一喜一憂するのではなく、生命の法則に生きることを信念として、「冥の照覧」を確信してきたからだ。実は、そこにこそ、真の人間道がある。 . . . 本文を読む
日蓮大聖人は「ただ心こそ大切なれ」(御書一一九二ページ)と仰せである。自身の幸福も、社会の建設も、その勝負は人間の心にこそかかっている。わが心を、鋭敏にし、鋼のごとく強くするのだ。己の臆病と怠惰がつくった、「壁」という幻影に惑わされてはならぬ。強い心で、はつらつとした生命で、断じて勝つと決め、勇気をもって走り抜くなかに、新しき時代の旭日は昇るのだ。 . . . 本文を読む
金理事は、伸一の話に頷きながら言った。
「私も、山本先生の意見に賛同いたします。人間の力こそすべてです。そして、人間が力を出すには勇気が必要です。『奴隷になりたくないものは立ち上がれ、人民は哲学思想の長城たれ』というのが、私たちの指針です。勇気をもって立ち上がり、確固とした哲学をもつ、人民の“心の長城”が一番強いと思います。精神の長城は無敵です」
山本伸一は、頬を紅潮させて語った。
「金 . . . 本文を読む