業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

公正・中立 その3

2007年11月08日 | 業務日誌
業務連絡。部長、エロDVDはもうしばらく待って下さい。

数日後再びヒルトン一家から
「やっぱり透析の受けられるショートを探して下さい。」
という電話があり、
「お宅から車で20分くらいのところですが、老健シルバーという透析可能な老健があります。私がそこの相談員に情報連絡すれば、近日中に電話があり、面談ということになるでしょう。もしも時間があれば、施設を見学に行かれてはどうですか?」
と言いました。
するとヒルトン一家は(本人は別として)嫁や孫嫁がその2時間後に早速見学すると言い出したので慌ててシルバー相談員に連絡。
新しくキレイで清潔な老健シルバー、たちまちヒルトン一家は気に入ってしまいました。
あとでわかったことですが、ヒルトン一家はその日見学だけでなく利用申し込みも済ませてしまい、さらに来年までのショートステイを予約してきていたんです。
切羽つまってたんですね。急いで使いたかったんですね。
そして、その予約した日程をみてみたら、毎週月曜から木曜までのショートステイ。ヒルトンさんは月水金の透析ですから、ほぼ月の2/3、ゴールド透析クリニックで透析を受けるというスケジュール。
やばいです。これではもう、メイン透析施設はひがしクリニックではなく、ゴールド透析クリニックです。減収もいいトコです。
私はすぐさま、そのスケジュールをもって森師長のもとへ。
「まだ入所判定会もまだですし、実際にこの日程で利用されるかどうかも不明ですが」
ともお伝えしました。
もしかしたら初回の利用で「2度と行きたくない」と拒否られるかもしれませんし、ご家族の気持ちもかわるかもしれません、と。
森師長の眉間に深いタテ皺。
こめかみには怒りマーク。
「わかりました、また何かわかったら報告して下さい」
と不気味な調子でお答えが。

それから1週間後に面談があり、そこに私も同席しました。
認知症といっても暴れたり歩き回ったりする人ではありませんし、高額な報酬をもたらす透析患者です。
ヒルトンさんが老健シルバーから利用を断られるとは思えません。
話し合いはすすみ、家族から
「ショートステイ中にシャントのオペが入ったらどうするすればいいのか」
との質問が出ました。
ひがしクリニックの本院は遠いので、患者さんは大抵透析を導入した病院に行ってシャントを点検・再建してきます。大体2,3ヶ月に1度です。
ヒルトンさんはどこでシャントオペを?
ああそうですか、中部病院ですか。基本的にはショート中の受診はご家族対応になりますが、とそこまで説明し、シルバーの相談員は当然のごとく
「併設のプラチナ病院でもシャントのオペが出来ますよ」
と答える。

これでキマリです。

そして翌日、ヒルトン一家から
ハリケンさんには本当に申し訳ないのですが、あそこまで透析患者のフォローが出来る施設なら、ショートだけでなく入所の申し込みもしておきたい。
と電話が。
--------実は私どもの身内にプラチナ病院の関係者と親しいものがおりまして、今度うちの母をこのような形でシルバーさんにお願いすることになったというお話をしましたところ、だったらいっそ透析も全部ウチ(ゴールド・プラチナ)でやらせてもらったほうがいいとアドバイスいただきました。私たちもそうだな、と思いまして、であれば、毎週末だけ自宅に戻ってもらうプランで母をみていきたいので、透析をすべてショート中にシルバーさんでやってもらうことにしたいのですが。
ときました。

当然のことです。
もし私の父親がこのような立場になったとしたら、私だってそうお願いするでしょう。

わかりました。
私はひがしクリニック併設の居介のケアマネですが、ヒルトンさんやご家族の便宜、のみならず今後の介護生活を考えて、私もそのほうがいいように思います。
しかし医療機関のことは私が調整すべきことではないので、ヒルトンさんの入所判定会の結果がOKと出た時点で、ご家族からひがしクリニックにご相談下さいますか。
とはいえ、いきなりではご家族もお話しにくいでしょうから、私のほうから事前に、ひがしクリニック師長の森の耳に入れておきますので。



で、私は、震えるその足で、森師長のもとへ(アポもとらず)駆け上がって(師長は最上階におわしますので)行ったのでした。


                       つづく