業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

所詮介護はヒトかカネ その4

2009年11月14日 | 業務日誌
※ 画像はエグザイル。


9月にあぷした、この記事を覚えていらっさいますでしょうか。
所詮介護はヒトかカネ その1
所詮介護はヒトかカネ その2
所詮介護はヒトかカネ その3

私が担当してた利用者 お塩マナブさん(仮名)88歳男性/要介護3。
5年ほど前に妻に先立たれ、子供はなし。公団に住む独居です。
もとは整備工でした。
高度の難聴で認知症、腰部脊柱管狭窄症、正常圧水頭症。
とっても温厚な方で、性格のかわいいじいちゃんです。

利用していたサービスは
訪問介護月に77回。
訪問看護月に4回。
通所介護月に13回。
夜間訪問介護基本Ⅰ。
福祉用具3品目。
月に50000点をラクラク超えるサービスを使ってた方です。

「担当していた」「(サービスを)使っていた」方と書いたので、もう皆様お気付きでしょうが、実はお塩さん、9月末日からまた入院してたんです。
歩行困難なのに、玄関先で配食弁当を受け取って、弁当箱を持ったままひっくり返っているところをヘルパーが発見。
その日弁当を届けに来た配達員はド新人でした。
歩行困難で車椅子レベルと聞いていたにもかかわらず、玄関先までトコトコ出てきていたお塩さんがにこやかに弁当を受け取ってしまったため、疑問に思いながらも手渡してしまい、結果

大腿骨天使部(誤変換が楽しかったのでそのままでw入部希望)骨折。

私が弁当屋の担当者を呼び出して叱り付けたのは言うまでもありません。
家族がいる人だったら訴訟モンです。

いやいやいやいや、今回私がお話したいのはこんなことじゃありません。


お塩さんがひとりの身内もないことは書きましたよね。
お塩さんが3000万円の預金を持っていることも。
そして、その預金を、彼が信仰する宗教団体の人たちに預けて金銭管理をしてもらっていることも書いたと思います。

9月末日に入院したお塩さん、骨折部位をオペすることになりました。
人工骨頭置換術が望ましかったらしいですが、これは輸血が必要なため、私とドクターと宗教団体の方立会いのもとで本人意思を確認。
はっきり言って、お塩さんはもう自分の宗教のこととか忘れちゃってるんです。
なもんで、最初ドクターがオペについて説明したときは
「(人工骨頭の)手術して下さい」
と言われたんです。私も聞きました。
しかし、この宗教は、1度輸血をしてしまうとその仲間からハブにされます。
なので、念を入れて意思確認しようということになり、お仲間を呼んで説明したところ、輸血の必要のないボルト止めのオペに誘導されてしまった。
このオペは身体的負担も少ないし、人口骨頭にしてたとしても88歳のお塩さんが元通り立てるようになるとは保証出来ないので、たとえ宗教上のタブーがなかったとしても、この選択は決して間違っていなかったかもしれません。
ただ、ケアマネとして言わせていただくと
入院期間が短いので都合が悪い
とゆーのが難点でございます(非道)。

で、10月もなかばを過ぎると、転院するのか在宅かですぐに病院があせり始める。
そこからさんざんいろいろあって(ホントにいろいろあって)転院となり、また保証人の問題が出てくるワケですね。

かなりハナシをハショリますが、今回私は、もうお塩さんに在宅復帰をあきらめていただくことにしました。
ムリなんです。いや、もともとムリだったんです。
で、いい具合に認知が進んで、宗教の教義のことも、ご自分の主義のこともほとんどとんちんかんになっているこの機に乗じ、区役所に相談して、成年後見人の申し立てをしてもらうことにしました。
しかしこの成立には数ヶ月かかります。
病院はそれまで待っていられないので、なんとか宗教のお仲間に保証人になってもらい、転院先を見つけてきました。
が、今度は宗教のお仲間のほうの動きが怪しくなってきた。
金銭管理はする(現在もやっている)が、入院の保証人にはならない、と断られた。
困った病院は、成年後見人が決定するまでのツナギとして、身元保証人になってくれるNPO輪の会(仮称)に相談。
本人、宗教仲間、輪の会の支援員、そして私と病院とで、面談が行われることとなりました。

長い前置きでしたが、今日までの流れがおわかりいただけましたでしょうか。
では、ここからが本題です←え。



宗教のお仲間に預けていたお塩さんの預金。
今年4月半ばの退院時には、3000万円ありました。
これは私や訪問介護のサ責などで確認しております。
未記帳はありません。最後にお金をおろしたのは、お塩さんと私なのでこれは確実です。
それからこんにちまで約7ヵ月足らずの間、この預金はいくらになってたと思います?



なんと半額の1500万円!!
(ジャパネットタカダ風に)



その1でも書きましたが、お塩さんは自費が25万円程度も出ます。
介護保険ぶんが3万円弱。
その他にも、配食弁当は月に約17日×2食で2.5万円くらい。
訪問診療もあります。
この7ヶ月間で、宗教のお仲間にお願いして現金を持って来ていただいたのが4回ほど、30万円ずつ。
クーラーもお仲間に頼んで購入してもらって設置しました。
衣類や食料、衛生材料とかも買いました。

しかし、しかしですよ。

月に何百万も使うような生活なんか
決してしていません!!!!!

どんなに多めに見積もっても月に4,50万円です。
あと1000万円くらいは、どう考えても足りなくなってるんです。


お塩さんの預金通帳から消えている約1000万円のおカネは
一体だれが、何に遣ったんでしょうか。



                             つづく










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3 コメント

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こわい… (ちゃかぽん)
2009-11-14 14:43:12
こんな宗教団体ばかりじゃないってわかってても、ついつい構えてしまいますよね、宗教がからんでると(ToT)
しかしまぁ、入院してしまって在宅難しい利用者さんなのに、入院してからもそのようにかかわっているハリケンさんって偉いです!
そりゃ、入院したからってほっておくのも冷たいのかもしれませんが、卑怯ながらちゃかぽんは、困難事例の利用者さんが入院した後は生保担当者に「在宅サービスを利用できない入院中などは、契約書にも書いていますように一応契約が終了している状態となりますので…」と言って丸投げして産休に入ってしまいました。
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こっえ~ ^^; (tunko)
2009-11-15 00:23:50
やっぱりでたね~!!
さてさて、誰が何に使ったのかな??
やっぱり・・・・!?

そんだけ高額な資産になったら、そして、本人がぼっ○けぼ○であったなら・・・・。
そりゃあねえ。

(我が家にはそんなお金はありませんが、)もしあったらどんな風に管理しよう・・・な~んてこと、たまに考えています。
・・・おもっきり、取り越し苦労だと思いますけどね・・・

早く、続き読みたいです~
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飢えた愛情? (けろこ)
2009-11-16 17:51:51
うわさですが・・うわさにして
周りにも「Aさんの消えた1千万円」事件があります。「Bさんの毎月消えてく数十万円」事件もあります。
宗教?(疑)も女の古?(こ:疑)あくまで家族の「疑」らしいけど・・
結局、高齢者は愛情に飢えているのか?と考えさせられます。周囲から悪意に見えても、本人が「納得」し、あくまで「差し上げた」場合、どうなんでしょうかね。
家族より、愛情を注いでくれる相手がいれば「差し上げたく」なるんでしょうか。差し上げるにもいろんな形があるし、「差し上げ方」が現金渡しだけではないですしねえ。
金銭管理は、誰がどうやってやるのが正解?常日頃ほかりっぱなしの家族の財産なの?ご本人が意のままに自由に使うためのもの?ご本人の判断能力、相手の良心や常識にも左右されますが。
う~ん。いろいろ難しいわ。
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