↑話を聞こうか。↑
中央病院(仮称)に入院中のリューク(仮名)。68歳・男性。
ウチのクリニックで透析をすることになり、退院に向けて準備を進めているうちに、彼の所持金が2円であることがわかりました。
なぜ彼がこんなにお金がないのかにつきましては、リュークはいかにしてナマホになったかとゆーところから説明しなければなりません。
リュークがナマホになったのは今から2年前の平成18年頃。
ナマホになる1年前、つまり平成17年頃、長年続けてきたトラックドライバーの仕事を定年になるまで、彼には内縁の妻がいました。
彼女の名前はレム(仮名)52歳で、リュークがもと住んでいたキタ区の、リュークのアパートの近くのカラオケスナックのママさんでした。
リュークはそのスナックに通ううちにレムに惚れてしまい、毎晩そのスナックに通うようになり、飲み代はもちろんですがその他にもまーいろいろとその、貢ぐようになったんですね。
そこはそれオトコとオンナですから、レムが悪いとは私は思いません。
しかしレムは、リュークが汗水たらして稼いだお金のほとんどを貢がせるだけでは飽き足らず、しばらくして定年退職したリュークの、ちょっとまとまった退職金もほとんど巻き上げます。
そればかりではありません。
レムは、65歳を迎え晴れて年金生活者となったリュークに、『店の経営が苦しい』『助けてほしい』と泣きつき、リュークは年金を担保にして150万円ほど借金したんですね。
そこにきて、長年の不摂生と偏食、暴飲暴食がたたって、DMから腎症となって動くことも出来なくなり、なのに年金は借金が引かれてスズメの涙、病院に行くお金もなく自宅で死にかけていたところを民生委員さんに発見され、ナマホとなったというワケなんです。
自分に貢いで落ちぶれ果てたリュークを見て、さすがのレムも少しは心が痛んだのか、まー入院時の保証人くらいにはなってくれていましたし、入院中もときどき顔を見せては1000円とか、2000円とかの小遣いを置いて帰っていましたが、ナマホになった途端にレムはリュークを捨てました。
中央病院で私が初めてレムに会ったとき、彼女は自分がリュークの内縁の妻である(あった)ことなどはひとことも言わず、単なるスナックの客だったリュークを善意で面倒みている知人になりすましてました。
今年の春に入院し、透析導入となったリュークは、それまで住んでいたアパートの家賃も超滞納していましたし、それよりなによりアパートはゴミ屋敷を通り越して廃墟の様相でしたので、大家さんに出て行けと言われてしまい、当時の保護課の担当ワーカーの計らいで、ニシ区の公団にお引越し。
そのときになってまたまたレムがしゃしゃり出てきて、引越しの手配や何やらを手伝う名目でリュークの保護費を管理しはじめました。
ナマホ制度のことなど何も知らない彼女は、
「入院しているんだからお金は必要ないだろう」
と、滞納していた家賃などを支払い、残ったわずかな年金も使途不明。
皆様はご存知でしょうが、ナマホの人が入院すると、入院していた期間の保護費は返還となり、かつフツーはタダのはずの入院費用などにも自己負担ぶんが発生します。
入院したのが3月末。
保護費が入ったのが4月はじめ。
4月はまるまる入院となり、レムがリュークのお金を使い果たしたあと、リュークの元に保護費返還のお知らせが。
返金しなくてはならない保護費は約4万円。
中央病院に支払わなくてはならなくなった自己負担金は約1.5万円。
通帳の残高は0円。
そしてリュークの手元には2円。
そんな彼が、無一文のまま、あと数日で退院しようとしていることを知った私。
福祉用具はいいとして、ヘルパーさんを入れても一銭もないので食材が買えません。
いやいや、そんな問題より以前のもっと大変なことに、透析導入によって等級変更中のリュークには身体障害者手帳もない!
ということは、区からもらえるタクシーチケットも請求出来ない!!
つまり
お金がないので
退院出来ないのです。
退院しなければまた今月も保護費が減る。
しかしお金がなくて退院出来ない。
なにごとに対しても意欲をなくしてしまい、長期入院のため歩行能力のなくなったリューク。
そして、MSWのくせに移送費のこともよく知らない、中央病院の相談員ミサミサ。
そんな2人のそばには半泣きで立ち尽くすケアマネの私。
神様仏様、
お釈迦様キリスト様。
大○隆○様でも
池○○作様でも
どなたでもいいです。
このケースの担当依頼を引き受ける前日まで時間を戻してくれませんか。
と願ったのが5月7日のことでした。
中央病院(仮称)に入院中のリューク(仮名)。68歳・男性。
ウチのクリニックで透析をすることになり、退院に向けて準備を進めているうちに、彼の所持金が2円であることがわかりました。
なぜ彼がこんなにお金がないのかにつきましては、リュークはいかにしてナマホになったかとゆーところから説明しなければなりません。
リュークがナマホになったのは今から2年前の平成18年頃。
ナマホになる1年前、つまり平成17年頃、長年続けてきたトラックドライバーの仕事を定年になるまで、彼には内縁の妻がいました。
彼女の名前はレム(仮名)52歳で、リュークがもと住んでいたキタ区の、リュークのアパートの近くのカラオケスナックのママさんでした。
リュークはそのスナックに通ううちにレムに惚れてしまい、毎晩そのスナックに通うようになり、飲み代はもちろんですがその他にもまーいろいろとその、貢ぐようになったんですね。
そこはそれオトコとオンナですから、レムが悪いとは私は思いません。
しかしレムは、リュークが汗水たらして稼いだお金のほとんどを貢がせるだけでは飽き足らず、しばらくして定年退職したリュークの、ちょっとまとまった退職金もほとんど巻き上げます。
そればかりではありません。
レムは、65歳を迎え晴れて年金生活者となったリュークに、『店の経営が苦しい』『助けてほしい』と泣きつき、リュークは年金を担保にして150万円ほど借金したんですね。
そこにきて、長年の不摂生と偏食、暴飲暴食がたたって、DMから腎症となって動くことも出来なくなり、なのに年金は借金が引かれてスズメの涙、病院に行くお金もなく自宅で死にかけていたところを民生委員さんに発見され、ナマホとなったというワケなんです。
自分に貢いで落ちぶれ果てたリュークを見て、さすがのレムも少しは心が痛んだのか、まー入院時の保証人くらいにはなってくれていましたし、入院中もときどき顔を見せては1000円とか、2000円とかの小遣いを置いて帰っていましたが、ナマホになった途端にレムはリュークを捨てました。
中央病院で私が初めてレムに会ったとき、彼女は自分がリュークの内縁の妻である(あった)ことなどはひとことも言わず、単なるスナックの客だったリュークを善意で面倒みている知人になりすましてました。
今年の春に入院し、透析導入となったリュークは、それまで住んでいたアパートの家賃も超滞納していましたし、それよりなによりアパートはゴミ屋敷を通り越して廃墟の様相でしたので、大家さんに出て行けと言われてしまい、当時の保護課の担当ワーカーの計らいで、ニシ区の公団にお引越し。
そのときになってまたまたレムがしゃしゃり出てきて、引越しの手配や何やらを手伝う名目でリュークの保護費を管理しはじめました。
ナマホ制度のことなど何も知らない彼女は、
「入院しているんだからお金は必要ないだろう」
と、滞納していた家賃などを支払い、残ったわずかな年金も使途不明。
皆様はご存知でしょうが、ナマホの人が入院すると、入院していた期間の保護費は返還となり、かつフツーはタダのはずの入院費用などにも自己負担ぶんが発生します。
入院したのが3月末。
保護費が入ったのが4月はじめ。
4月はまるまる入院となり、レムがリュークのお金を使い果たしたあと、リュークの元に保護費返還のお知らせが。
返金しなくてはならない保護費は約4万円。
中央病院に支払わなくてはならなくなった自己負担金は約1.5万円。
通帳の残高は0円。
そしてリュークの手元には2円。
そんな彼が、無一文のまま、あと数日で退院しようとしていることを知った私。
福祉用具はいいとして、ヘルパーさんを入れても一銭もないので食材が買えません。
いやいや、そんな問題より以前のもっと大変なことに、透析導入によって等級変更中のリュークには身体障害者手帳もない!
ということは、区からもらえるタクシーチケットも請求出来ない!!
つまり
お金がないので
退院出来ないのです。
退院しなければまた今月も保護費が減る。
しかしお金がなくて退院出来ない。
なにごとに対しても意欲をなくしてしまい、長期入院のため歩行能力のなくなったリューク。
そして、MSWのくせに移送費のこともよく知らない、中央病院の相談員ミサミサ。
そんな2人のそばには半泣きで立ち尽くすケアマネの私。
神様仏様、
お釈迦様キリスト様。
大○隆○様でも
池○○作様でも
どなたでもいいです。
このケースの担当依頼を引き受ける前日まで時間を戻してくれませんか。
と願ったのが5月7日のことでした。
そして、かわいそうなハリケンさん。
なんのために一生懸命生きてきたんでしょう。
まじめに仕事をして、ただ一人の人を好きになっただけなのに・・・。
担当になってしまったら同情なんかしてる余裕ありませんが、本当にリュークには幸せになってもらいたいと思いました。
私も、同じように入院中にナマホになりケアマネを受けた方がいました。所持金は500円くらいでしたが…。退院して初めてヘルパーが入る日、退院後3~4日後だったかと思いますが、亡くなってしまいました。DVを受けていた方でこれからやっと一人になって暮らせると安心していたのですが…。
リュークさんの場合と比べてどうなのか…。やはり生きていたほうが良いとは思うのですが…。今や最後のセーフティネットも穴ぼこだらけ、下手をすれば、ネットから突き落とされるし、それどころかネットの前に鉄条網で囲いがしてあって、近づくことすらできない。
ため息だけがでてしまいます。
優しいなあ、ちゃかぽんさんは。
私もはじめはそう思いました、かわいそうに、と。
しかし、徐々にリュークのかわいくない部分が露呈してきますのでお楽しみに。
0203yamadaさん♪
そうなんです。昨今セーフティネットの網の目はどんどん粗くなっています。
当自治体では、このトピックの「移送費」の廃止を先日決めたそうです。
毎月ケアマネがタクシーの領収書を持って区役所に通っていた、仕事がひとつ減ります。
ナマホは歩いて通える病院にだけ行けということです。