業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

おクスリって大事

2009年08月01日 | 業務日誌
※ 画像は『紛らわしい』。

ハルさん、ご連絡下さい。当選してますよ。

プレ企画もほぼ終りまして、ホッとひと息。
皆様から感謝の切手がぞくぞくと届いております。
本当にありがとうございます。なんかすごく嬉しいです。


ええと、ハリケンの勤務している居介は医療法人ですので、医療の知識の足りないケアマネには大変ありがたいです。
訪看から来た文書なんかにわかんない言葉があればすぐ医事やナースをつかまえて聞くことが出来ます。
クスリのことなんかも、薬価や服用方法などが調べられるのでとても助かります。

6月から担当することになった利用者、ニコールさん(仮名)76歳女性。
ひがしクリニックで通院透析をすることになった方です。
DM性網膜症で視力がかなり低下しています。
家族がいますが就労していますので、透析からの帰宅時キャッチにひがしのヘルパーを使うことになりました。
団地1階付近通路で透析送迎車からニコールさんを受け取り、手引き歩行にて移動を介助、自宅までお連れして遅い昼食、服薬確認までのサービスです。

送迎車到着時間の確認を兼ねて、状況を1度見ておこうと思い、ある日ヘルパーの訪問に同行しました。
自宅に戻って手を洗ったりしてもらい、ダイニングに座ってもらって家族が準備しておいてくれた食事を配膳。
おっと、まずは食前のクスリを手渡し、飲んでもらいます。
ニコールさんにはその他、食間と食後のクスリが出ていますが、サービス時間は身体1・30分なので、ヘルパーさんはクスリをニコールさんの手の届くところに並べ「これは食後に飲んで下さいね」
「薬の封は切っておきましょうか?」
などと声かけ確認し、さくさく仕事をこなして食事中に辞去というパターンです。

で、手順どおりに食前薬を渡し、飲んだのを確認してから箸を持たせる。
そのまま見ていると、ヘルパーさんは
「はい、ふたくちかみくち食べたら、この薬を飲んで下さいね」
と言って、なんか白い粉薬をニコールさんに持たせています。

「それって何の薬ですか?」
と聞いてみましたが、ニコールさんもヘルパーさんもはっきり判りません。
食事の途中に飲む薬なんかあるのか?
もしかしたらこれは『食間』のクスリ=食事と食事の間に飲む薬、つまり朝食と昼食の間または昼食と夕食の間に飲む薬のことを、
食事の最中に飲む薬
と勘違いしているのではなかろうか。

ハリケンと違い聡明な皆様は先刻ご承知のことと思いますが、一般的なクスリの飲み方には、以下のような方法があります。

食 前 : 食事の前約30分前後に服用 (糖尿病薬・抗潰瘍薬など)
食 間 : 食事の後約2時間後に服用 (漢方薬など)
食直後 : 食事の後すぐに服用 (栄養剤・消化薬など)
食 後 : 食事の後約30分に服用 (風邪薬など一般の薬)
    (吸収がよく、胃を荒らさないため)
時間薬 : 6時間ごとに服用等 (抗生物質など)
    (薬の血中濃度を一定に保つため)

ね。
食事の途中に飲む薬なんて、聞いたことありませんよね?

私はそれ以上その場では何も言わず、事業所に戻ってからカニちゃんに聞いてみました。
「食事の途中に飲む薬って知ってます?」
するとカニちゃんは
「さあ、見たことないですね、食間薬の間違いでは?」
と苦笑い。
うーん、やっぱりそうか。家族が勘違いしてヘルパーさんにその間違いが手順としてそのまま伝わってるんだろうな。

それから透析ルームのメンズ看護師に相談。
メンズ看護師もやはり
「ああ、それはたぶん食間薬の勘違いでしょうねたぶん」
と大笑い。高齢者とかよくありますよねアハハハハ、と。
ま、問題がなければいいけれど、食間薬は空腹時に飲むということだから、勘違いなら指導しなくてはならないだろうと思い、透析スタッフから家族に伝えてもらうことにしました。


そしたらねえ。

実は間違っていたのはコッチのほうだったんです。

あるんですって、食事の途中で飲むクスリ。

ニコールさんは低ナトリウム血症(だったと思う)のため、食事の途中でナトリウム(つまり塩)を摂取するように指示が出ているらしいんです。

いやー知らんかった。
カニちゃんもビックリしてた、知らなかったって。

ていうか、私のような非医療職はともかく、透析スタッフの看護師が知らなかったってのはどゆことですかァァァ。
そりゃ滅多にある飲み方ではないにしても、サ責の目くそ(ウチのヘルパーサ責です)も知っていることを知らないナースがいるとは思わなかったよ。


この他にも、座薬=座って飲む薬と思い、寝たきりの人をムリヤリ座らせて経口で飲ませていたという例や、信じられないかもしれませんが、睡眠薬を飲み忘れたダンナさんに(薬なしでもちゃんと爆睡してるのに)叩き起こして飲ませた奥さんの例など、お薬笑い話はヤマとあります。
いやいや、薬の取り扱いにはホントに注意しましょうね。



※ちなみにハリケンは、認知症の方のお宅などにある残薬はすべて持ち帰ります(もちろん家族の了解を得て)。大抵それらは処分することになるのですが、ロキソニンやヒルドイドなど、欲しい薬はもらっちゃいます。訪看ナースからモーラステープをもらうこともあります。