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国難打破から、いざ、未来創造へ

【鳩山政権考】国民にも外国にも甘える首相

2009年12月28日 | 民主党政権
SANKEI EXPRESSより転載)

 国民の大きな期待を背に出発した鳩山政権も発足から100日余が過ぎ、メディアとの「ハネムーン(蜜月)」期間も終了した。この間の政権と鳩山由紀夫首相(62)の軌跡を振り返ると、浮かんでくるキーワードは一言「甘え」だ。発足当初、7割前後の高い支持率を与えた国民に甘え、冷厳な国際環境に気づかないまま諸外国にも「友愛」の名で甘えてみせる。日本のかじ取りを任せるには、あまりにも軽く、幼く、頼りない。

■定見なき八方美人


 「いろんな試行錯誤の中で、失敗することもあろうかと思います。是非国民の皆さんにも、ご寛容を願いたい」

 首相は9月16日の就任記者会見の冒頭発言でいきなりこう語りかけ、国民に自身と政権への「寛容」を求めた。それでは、国民はいつまで鳩山政権を温かく見守ればいいのだろうか。

 「結局、首相は見たいものだけを見て、聞きたいことだけを聞いているんだろうね。厳しい現実は耳目に届かない」
 5月の民主党代表選で鳩山首相に投票した中堅議員は、あきれ顔で語る。例年、年末年始に行ってきた街頭演説を今回はとりやめることにした。理由は、「演説中に聴衆から『鳩山は何をやっているんだ』といわれたら、答えられない」からだ。

 中堅議員は「首相をしかりつけてやりたいが、どうせ何を言っても通じない。遠ざけられるだけだ。2010(平成22)年度予算案編成にしても、小沢一郎幹事長(67)が乗り出さなければどうせ越年していた」と肩を落とした。

 産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が12月19、20両日に実施した世論調査によると、首相の人柄を「評価する」と答えた人は59.6%に上る。実際、首相は人当たりがよく、言葉遣いも丁寧だが、これには「誰に対してもいい顔をしたいだけだ」(別の中堅議員)との冷めた見方もある。

 首相はまた、以前から「最後に会った人の意見に左右される」と指摘されていた。政権内では「ふらふらしているようでいて意外と頑固」(側近議員)とかばう声もあるが、「定見のない八方美人」(政府関係者)との厳しい評価も出ている。


 ■一生懸命の外交結果

 「スタートしたばっかりですから、すべてがまだ完璧(かんぺき)だとはいえない。ただ、一生懸命努力していることだけは認めていただきたい。自分としては一生懸命やっている」

 首相は16日、政権発足3カ月にあたって記者団にこう強調し、「一生懸命」であることに理解を求めた。また、米軍普天間飛行場移設問題についても、日米合意を一方的に破って結論を先送りした自らの判断について「いずれ国民の皆さんも『この答えが最適だったな』と分かるときがくる」と語った。

 政治は非情なまでに結果責任の世界だ。過程における努力や苦労を認めてほしいと平気で口にする指導者は、首相以外は寡聞にして知らない。

 また、現実に起きていることは首相の認識とは大きく食い違っている。インド洋での補給停止、思いやり予算縮減、日米地位協定改定、核持ち込みをめぐる密約暴露…と、鳩山政権発足以降、「日米関係はもう元には戻らない」(外交筋)といわれるほど損傷を負った。

 首相や民主党幹部は、米国と関係が悪化しても中国との関係を深めればいいと考えているフシがあるが、「米国と離反した日本など、中国は対等には扱わない。米中がより接近するだけだ」(外務省幹部)という現実は見えていないようだ。
 もともと首相は、そのとっぴな言動から「宇宙人」とあだ名されていた。それが最近では、日米外交当局者同士では首相の言動は「(理解不能な)スペース・イシュー(宇宙問題)」で通じるほどに広まっている。

 「きっとみんな分かってくれる」という首相の一方的な思い込みによって、日本は取り返しのつかないダメージを受けかねない。

 (政治部 阿比留瑠比(あびる・るい)/SANKEI EXPRESS)


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