1月の、まだ年が明けてすぐのころ、私は地元にある美術グループの新年会に出席してきました。出席者のほとんどは定年を迎えた方で、あまり人と話すのが得意でない私は独り端っこの席に座りました。私の左隣は開いたまま、新年会は始まり、そのすぐあと、私と同年代ぐらいの女性が会に遅れてやってきて、開いている左隣の席に座ったのでした。
その女性は大学に入りなおして、美術を勉強しているのだそうです。話してみると、美術のほかに哲学や文学も好きだとか。美術は専門として、文学は趣味として、しかし哲学の知識はほとんどゼロに近い私は、その女性に色々話を聞いてみました。デカルトの『方法序説』はいい、キルケゴールの『死にいたる病』はだめだとか。私はこういう話が大好きなのです。
酔いの廻り始めた私たちは、芥川龍之介と太宰治のどちらがかっこいいのかというしょうがない議論をしていました。私は芥川、その女性も芥川。その女性によれば、あの、あごにそっと手をやる芥川の写真はずるいほど格好が良いとのことです。太宰は分が悪かったのですが、ただ私は芥川を押しながらも、浴衣をまとい、長髪が風にそよぐ若い太宰の横顔を写した写真、あれはとてもいいものだなとも思うのでした。
ちなみに美術館スタッフにも芥川と太宰の話をしてみたところ、全員が芥川でした。太宰が気の毒です…。
新年会で知った女性とはそれっきりですが、デカルトを薦められながらも、なかなか読む機会のない私は、デカルトともそれっきりになりそうですが、哲学書を薦められる機会は滅多にありませんでしたので、いつかは読んでみようかなとも思うのでした。
その女性は大学に入りなおして、美術を勉強しているのだそうです。話してみると、美術のほかに哲学や文学も好きだとか。美術は専門として、文学は趣味として、しかし哲学の知識はほとんどゼロに近い私は、その女性に色々話を聞いてみました。デカルトの『方法序説』はいい、キルケゴールの『死にいたる病』はだめだとか。私はこういう話が大好きなのです。
酔いの廻り始めた私たちは、芥川龍之介と太宰治のどちらがかっこいいのかというしょうがない議論をしていました。私は芥川、その女性も芥川。その女性によれば、あの、あごにそっと手をやる芥川の写真はずるいほど格好が良いとのことです。太宰は分が悪かったのですが、ただ私は芥川を押しながらも、浴衣をまとい、長髪が風にそよぐ若い太宰の横顔を写した写真、あれはとてもいいものだなとも思うのでした。
ちなみに美術館スタッフにも芥川と太宰の話をしてみたところ、全員が芥川でした。太宰が気の毒です…。
新年会で知った女性とはそれっきりですが、デカルトを薦められながらも、なかなか読む機会のない私は、デカルトともそれっきりになりそうですが、哲学書を薦められる機会は滅多にありませんでしたので、いつかは読んでみようかなとも思うのでした。