学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

百人一首の音読

2020-12-01 20:38:13 | 仕事
このごろ、起きてから出勤するまでの短い時間で、百人一首を音読しています。何も大会に出るわけではありません。のちに開催を予定している展覧会の勉強の一環で始めたのです。

最初はただ文字を目でなぞるだけだったのですが、どうも頭に入ってこない。そこで思い切って音読してみたところ、自分の声が音となって耳に入るせいなのか、頭に和歌の情景が浮かぶようになってきて、しっくり来ています。そういえば、以前、萩原朔太郎の詩を毎朝音読していたこともありましたが、同じような感覚でした。音読は記憶を定着させるのにいい方法なのかもしれません。

勉強の一環で始めたものの、自分なりに好きな和歌というものがでてきます。私が最も好きなのは次の和歌です。

天津風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ

僧正遍昭が詠んだ和歌ですが、「雲の通ひ路」という言葉の表現方法が素晴らしくて、感激しています。言葉を上手に使うことで、私たちのイメージは大きく膨らむわけですね。言葉の不思議さ、面白さ、素晴らしさに改めて感じ入っている今日この頃です。