学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

日本対ベトナム 雑感

2007-07-16 22:01:39 | Weblog
学芸員がサッカーの寸評を書くとは聞いたことがありませんが、
人があまりやらないことをやりたがるのが私の性分ですので、
そんな試みをやってみようと思います。

アジアカップ一次予選の第3戦目は、日本対ベトナムである。
両チームは、一次予選突破が約束されているわけでないから、
スリリングな展開になることは必定。

試合のホイッスルが鳴って、しばらくは日本のペース。
ボールをサイドにまわして、ベトナムの動向を伺う。
ところがひょんなことから、オウンゴールで失点。
なんだか少し頼りない。だが、このチームらしい失点では
あるのかもしれない。

さて、そのあと巻選手のゴールが決まって、すぐに同点とする。
「選手」とつけるのは、やけに丁寧だと思われるかもしれないが、
会ったこともなければ、話をしたことも無い人を呼び捨てにはできない。
私たちは簡単に人を呼び捨てにしすぎる傾向がある。
相手だって、きっと呼び捨てにされる筋合いはないと思うに違いない。

遠藤選手の見事なフリーキックが決まって、日本は勝ち越し。
このあたりからテレビの音を消して、観戦することにした。
本当ならば初めから音は消してみるべきであった。
というのは、実況や解説の意見に流されてしまって、自分の
考えが無くなってしまうからだ。
何も考えずにテレビを見るほど、脳を退化させるものはない。
それに私はJリーグ開幕からサッカーを観戦し続けている。
さすがに10年以上もサッカーを見ていれば、試合の流れがいいのか悪いのか、
どの選手の動きがいいのか悪いのか、ぐらいの判断はつく。
だんだん冷静に試合を観ることができるようになってきた。

前半の日本の動きは、良いとはいえなかった。
だが、あのオシム監督が何の対策も練らないとも思えなかった。
たぶん、あのボールを回して、一見ダラダラしている様子も
力をセーブしておく作戦なんだと思う。
アジアカップは長丁場である。
試合で常に全力を出し切ると、決勝まで力が持たないと判断したの
だろう。

後半の駒野選手、遠藤選手、中村俊選手のパス回しとゴールは
まさしく美であった。あれは美しい。
山奥、清流の流れる如し。
早いパスで相手が崩れてゆく様子を見るのは痛快である。
この後、巻選手のゴールで4点目。
これにて勝負あり。
日本は一次予選突破を決めたのであった。

後半は、日本が明らかに試合を支配していた。
ベトナムは前半同様にしきりにカウンターを狙ってきたが、
それも随分防いでいたし、それに相手のスタミナが切れてきたのか、
あまり驚異的なスピードもなくなっていた。
確かに前半のベトナムは異常なほどのペースアップだった。
だが、いくら高温多湿に慣れているとはいえ、あれが90分間
続けられるわけがない。
かくして、前半に力をセーブしていた日本は高温多湿に
体力を奪われながらも、うまくボールを回すことができたのである。


途中まで、書いてきて全然寸評でないことに気が付きました(笑)
ですから、タイトルを「雑感」に変えてみました。
意外にスポーツの内容を書くことは難しい。
スポーツライターには到底なれないな、と思ったのでした。