細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『バーニー』で再現された「S・マクレーンの災難」。

2013年04月24日 | Weblog

●4月23日(火)13−00 六本木<シネマートB−3試写室>
M−050『バーニー』Barnie (2011) mandalay vision / wind dancer film
監督/リチャード・リンクレイター 主演/ジャック・ブラック <99分>配給/トランスフォーマー ★★★☆☆
1996年11月。これもまた実話の映画化。テキサスのド田舎の町カーセージで起こった老嬢殺人事件。
町の葬儀屋のジャックは、あらゆる葬儀のためのケアサービスで、町の人気者だった。
遺体の死に化粧から、葬儀の演出、献辞、賛美歌独唱、遺族への贈り物、そして納棺から埋葬、追悼パーティまで、何でも一人でこなす。
仕事は忙しく、つぎの死亡予定者にも、葬儀の予約をするというサービス精神で、そのせいか独身のままだ。
大富豪未亡人のシャーリー・マクレーンは、疎遠な親族には遺産を遺す気もなく、葬儀屋のジャックを豪邸に住ませて、海外旅行もする。
その間の葬儀の事はわからないが、とにかく仲良く老後を遊び回り、身の回りの世話は彼がフル操業でケアしていた。
町の住民も、いずれはジャックの世話になるので、文句は言わない。
ところが老嬢が消えて3ヶ月。豪邸の地下の大きな冷蔵庫から彼女の殺害遺体が見つかった。
あの「サイコ」のノーマン・ベイツなら、もっと上手に遺体を処理したろうし、ジャックなら商売柄、もっと完全犯罪に出来た筈。
ところが、善人のジャックは逃亡もせず逮捕され、裁判で終身刑となる。
敏腕検事のマシュー・マコノヒーは勝訴で得意だが、死期の近い町の老人たちは、この判決に猛反対した。
おかしくて傑作なブラック・コメディで、インタビュー・スタイルの演出は、とにかくオフビートで、すごくおかしい。
ジャックも巧いが、老嬢のシャーリー・マクレーンの「いじわる婆さん」が嫌らしい味を見せる。
ヒッチコックの「ハリーの災難」のような不気味な味が甦った佳作。

■ピッチャー・ゴロが投手の脚に当たってブルペンを転々する間にツーベース。
●7月13日より、ヒューマントラストシネマ渋谷などでロードショー


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