細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『義兄弟』は南北の痛快バディ・ムービー。

2010年09月23日 | Weblog
●9月22日(水)13-00 銀座<シネマート試写室>
M-115『義兄弟』Secret Reunion (2010) showbox 韓
監督/チャン・フン 主演/ソン・ガンホ ★★★☆☆
南北の問題を扱った、男の友情をテーマにした小気味のいいアクション・コメディ。
脱北者や亡命者の暗殺のために北から潜入した<影>と呼ばれる刺客を捜査しているソン国家情報員。
ソウル市内の銃撃と追跡に失敗した彼はクビになった。
しかし事件の周辺で暗躍する北の工作員カン・ドンウォンの存在を知った彼は、もぐり探偵の仕事でカンを助手にした。
同居しながら、お互いの動向を探るおかしさは、まるでニール・サイモンの「おかしな二人」だ。
結局は、再度現れた<影>を射止めるまでの日々を、かなりユーモラスに描くバディ・ムービー>。
実は深刻な南北の問題を扱いながら、ハリウッド風のエンターテイメントに消化した技量はエラい。
カメラも演出も音楽も上等。
とくに縦横なコミック演技を見せるソンは、あの名作「殺人の追憶」の逆バージョンで笑わせる。
本来はシリアスな話をここまで茶化すと、これはまったくのフィクション喜劇として見るしかない。
ラストは、せめて場末の屋台での渋い再会にして欲しかった。
何でもありの調子に乗りすぎた結果は、どうも、ね。

■左中間のフェンスに届く文句なしのツーベースだが、サードを欲張ってアウト。
●10月30日より、シネマート新宿でロードショー

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