細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『アイアン・フィスト』はタランティーノ好みのキムチ風味カンフー雑煮。

2013年06月26日 | Weblog

●6月25日(火)13−00 六本木<アスミック・エース試写室>
M−074『アイアン・フィスト』The Man with the Iron Fist (2012) universal International / strike entertainment
監督/主演/ロバート・ディッグス The RZA 共演/ラッセル・クロウ <96分> 配給/シンコ・パルコ ★★★☆
クエンティン・タランティーノがバックアップした、メジャーなB級トラッシュ・ムービーだ。
時代は百年前の中国だが、「グランド・マスター」のような、正統なカンフー映画じゃないのは、当然。
まさに「鉄拳」を持つ、異様なファイターたちが街を牛耳ろうとする。
鍛冶屋のRZAは、ミュージシャン上がりの監督だが、風貌も個性的でいい。
彼を中心に、タランティーノの映画悪友が、冗談と熱意で作ったような、ゲーム感覚の超次元のカンフー・アクションだ。
だから「キル・ビル」よりもデタラメで面白い。
一応、ストーリーはあるのだが、それは西部劇のように、パターンで豹変するので勧善懲悪のお決まりだ。
ただ、ラッセル・クロウだけは、ワケありの舶来怪物。これがかなりデタラメでおかしい。
ま、このテのコミック・アクションを真面目に見て評論するのは、かなり次元ハズレで失礼である。
圧倒的なラップのリズムで、カラフルでド派手なカンフー・アクションを楽しめばいいだけで、それ以上のことはない。
まさに都会の場末の裏通りの、ネズミのいるような地下のいかがわしい映画館で見るのがピッタリの異色奇作。
映画ファンだけが楽しめる無軌道な新作だが、ハリウッドのメジャー会社が作るあたりがバッド・ジョークでうれしい。
常連のルーシー・リュウが相変わらずのアクションでいいが、「ジャッキー・ブラウン」のパムの豹変ぶりはショックだった。
こうゆう徹底的におバカな映画が来るから、われわれ映画マニアは油断ができないのだ。

■ファールで粘って、最後はボー球の振り逃げ。
●8月3日より、全国某所でロードショー


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