細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『オブリビオン』の視界不良な未来ファンタジー。

2013年05月24日 | Weblog

●5月23日(木)13−00 半蔵門<東宝東和試写室>
M−062『オブリビオン』Oblivion (2013) universal International
監督/ジョセフ・コシンスキー 主演/トム・クルーズ <124分> 配給/東宝東和 ★★★☆
「トロン・レガシー」の監督の新作なので、まさに夢想空間の時空を超えた不思議ムービーだ。
ま、ゲーム感覚の発達した人々には格好のスペース・ファンタジーだろうが、アナログ人間には、さっぱりワカラナイ。
それもその筈、タイトルの意味が「忘却」なのだ。ああ、「君の名は」、というか、「心の旅路」未来篇。かな。
トムは、2077年、エイリアンとの宇宙戦争の末に壊滅した瓦礫都市の監視官。
5年以上前の記憶はなく、どうやらクローン人間らしく、当局のコントロール下にある。
マンハッタンの廃墟をパトロール中に、球状の攻撃機と戦ったり、自分のそっくりなクローンと闘い「俺、俺」状態。
発見したカプセル仮死状態の美女とは、どうも以前にエンパイアーステイト・ビルで会ったような記憶が甦る。
さっぱりワカラナイままに、ストーリーはパソコンゲームのように、多くの飛行物体とのバトルが展開。
そういえば50歳をすぎたトム・クルーズも、まさにクローンのような若作りの表情で頑張る。
要するに、あのタルコフスキーの「惑星ソラリス」の地球への愛を、逆のアングルで見てみようとしたファンタジーなのだ。
だから「忘却/オブリビオン」の深層を解明しようなんてナンセンスなことは考えても無駄なのだ。

美しい自然に囲まれた家族の家に戻るのは、まさに「心の旅路」への幻想なのか。
どうやら試写室で中途で眠ってしまったらしく、こちらの知能もオブリビオンであった。

■フォアボールで出たものの、ぼんやりしていて牽制アウト。
●5月31日より、日劇などでロードショー


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