細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『クリスマス・ストーリー』はノワールな味のフレンチ・ノエル。

2010年09月29日 | Weblog
●9月27日(月)13-00 京橋<東京テアトル試写室>
M-118『クリスマス・ストーリー』Un Conte de Noel (2008) why not pro (仏)
監督/アルノー・デプレシャン 主演/カトリーヌ・ドヌーブ ★★★☆☆
フランスの工業都市ルーベ。不況の冬。
クリスマスには疎遠だった家族たちも親元にやってくる。
ささやかな表面的な幸福を繕うためだ。
しかし老母のドヌーブが進行性ガンが発病していて、家族の骨髄移植が必要になる。
適応するのは、事業に失敗して家から破門されていた次男のマチュー・アマルリックだけ。
当然のように不穏な空気は爆発して喧嘩が始まり、泥だらけのクリスマス。
たしかに現実は、どこの家族にも問題は山積されている。その薄幸の素描が見事に展開される。
ときどきインサートされる即物的ショットも魅力はある。
でも、10人くらいの主要人物がいるので、ドラマはオムニバス形式に整理されてはいるが、かなり混乱。
デプレシャン独特のエッジのきいた演出はインパクトはあるが、時として難解でアタマの整理がいる。
それに150分という上映時間は、あまりにも長いのだ。
時々フレームを楕円形にするのも意味不明で、せっかくのリズムが停止する。
甘みのない辛口クリスマス家族映画。これが彼の個性なのだが、おいしいケーキも具の多すぎる大盛りは苦手だ。
画面が明るいシーンで時々字幕が読めなくなる。
フランス語がわからないので、かなりイライラしてしまったのもマイナス要因だった。

■ファール気味の大きなライトフライがインフィールド。かろうじてのツーベース。
●11月20日より、恵比寿ガーデンシネマでロードショー

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