細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『素敵な相棒』完璧な介護ロボットでもハートはワカラナイ。

2013年06月18日 | Weblog

●6月17日(月)13−00 九段下<角川映画試写室>
M−071『素敵な相棒』Robot & Frank (2012) exclusive media / park pictures film
監督/ジェイク・シュライアー 主演/フランク・ランジェラ <89分> 配給/角川映画 ★★★☆
近未来のはなし。郊外の一軒家にひとりで暮らすフランク老人に、マンハッタンにいるビジネスマンの息子は、介護ロボットをプレゼントする。
彼は元宝石泥棒で、服役したこともあるが身体は元気で、自分のことは自分でできる。
それでも高齢のために食生活は偏食だし、遠距離の息子は最新の介護専門ロボットを住まわせたのだ。
家事やショッピングはできる高性能ロボットだが、イエスとノーしか反応しないので、情感は伝わらない。
時間を持て余したフランクは、持ち前の才能で、近所のリッチマンのジュエリー泥棒を計画してロボットに手伝わせる。
ケイパーは成功するが、当然、当局は前科のあるフランクに尋問する。
そこで、フランクはロボットのメモリーを消そうとするが、パスワードは忘れてしまった。
実に巧妙に練られたシナリオと、ゆるやかなリズムの心地のいい、リタイアー・ムービー。
フランクも「泥棒成金」のケイリー・グラントのように、悠々自適でとぼけていて、実にいい。
結局、ロボットは何でも出来るが、老人の孤独感とハートの寂しさをフォローできない。
老人介護の難点を、ちらりと覗かせた、クレバーなかわいいコメディだが、問題が多すぎる。
ひとつのバディ・ムービーの仮説として見れば、老人のための「E、T」なのだろうか。
「ハリーとトント」の如く、このフランク・ランジェラも例によって実に巧い。

■渋い当たりが、前進守備のセカンド頭上にポトリ。
●8月10日より、角川シネマ有楽町などでロードショー


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