細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『凍える牙』の痛快なウルフドッグの活躍に拍手!!

2012年06月20日 | Weblog

●6月19日(火)13−00 西銀座<東映本社7F試写室>
M−069『凍える牙』Howling (2012) CJ entertainment 韓
監督/ユ・ハ 主演/ソン・ガンホ <114分> ★★★☆☆☆
直木賞受賞の乃南アサのミステリー小説が、韓国で映画化された。
名作「殺人の追憶」の製作会社が、またソン・ガンホの主演での布陣だと、ついつい期待もする。
ソウルで起こった二つの殺人事件には手がかりもなく、満年ヒラ刑事のソンが、新人の婦警と担当する。
離婚して息子にも殴られて風采のあがらないソンと、同じくバツイチで身寄りのない相棒。
どうしようもない捜査だが、死体のクビの傷から、オオカミが噛んだ傷と判明。
<ウルフドッグ>の所在から、元警察犬指導員の身元を捜査するのだが、これまた闇のなか。
「羊たちの沈黙」を想起されるような遠隔操作犯罪の可能性が出て来た。
猟奇的な事件だが、映画は絶対に平常心を持ちこたえる。そこが頼もしい。
このテのミステリー映画の常套手段を基本にして、主人公ふたりの刑事コンビが実にいい味を出している。
とくにイ・ナヨンの新任刑事の奮闘ぶりがよく、ソンとの微妙な相性が、この作品の魅力を引っ張るのだ。
しかも、難しいとされる<ウルフドッグ>のアクションも絶妙で、人間並みの好演を見せる。
果たして、この動物が、それほどの遠隔判断ができるのか、それはいいとして、とにかく面白い。
「ソン・ガンホの映画は絶対に面白い!!!」という概念を、またここで証明してくれた。
キメの細かな演出も見事で、これはハリウッドにも対抗できる傑作だ。

■左中間の深いところにタマは転々。俊足を飛ばしての悠々のスリーベース。
●8月中旬、丸の内東映などで全国ロードショー


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