『東京の坂、日本の坂』その115。10月になり、今年もあと3カ月。そろそろ年賀状の構想を始める時期になり、来年の干支の入った駅やバス停、地名、坂道、川などを考え始める時期になった。今回はまずはネズミ(鼠、子)の入る坂道探訪から始めることにした。
鼠のついた坂道、ズバリ『鼠坂』を調べると何と東京23区に3つもある。その共通点はいずれも細い坂道で鼠くらいしか通れないというところからきているようだ。今回はその中でまずは港区にある鼠坂から訪ねてみた。
東京メトロ日比谷線神谷町駅を降りて東京タワー方面に歩く。途中、霊友会のピラミッドのような建物を右に曲がり、少し行くと小さな階段があるが、これが雁木坂、これを登りきると町の雰囲気が変わる。
大通りに出ると左前のロシア大使館を警備する車が沢山いるが、右に曲がる。この辺りには確か郵政の建物があったはずだが、再開発の真っ最中である。
次の信号を渡り、カレー屋の横の細い道を下っていく。大通りから離れると急に喧騒も収まり、一般住宅やコインパーキングがでてくる。コインパーキングを右に曲がると『植木坂』。この坂の上には植木屋があり、菊人形を初めて作った人らしい。
その横を真っ直ぐに行くと車が通れなくなる細い坂道に変わるがこの坂道こそ『鼠坂』である。坂の上と下に車止めがあり、徒歩でしか通れない。
坂の下から見ると左側が崖でその上がコインパーキング、右側は低層のマンションになっている。別名は鼬坂、町名は麻布狸穴町と動物に因んだ名前が多い一帯で神谷町と六本木の間とは思えない静かで人通りの少ない坂道である。