玉川上水散策①、羽村大橋から見ると高い塔が見える。給水塔かと思ったが、そばによるとサージタンクと書かれていた。これは取水を止めた際に生じる水撃の衝撃を吸収する装置らしい。
羽村大橋を降りてしばらく川下に歩くが、なかなか玉川上水の横に出ることができない。ようやく左に曲がり、橋を見つけるがこれが『堂橋』。かつては左岸側に薬師堂があったためにこの名となる。橋長15m、幅員6mの小さな橋である。
玉川上水は綺麗な水がとにかくゆっくりと流れている。川幅も広くはなく、両側からは木がせり出していて、護岸も土のままである。
しかし、堂橋の下流になると護岸も少し上の部分はコンクリートで固められている。
玉川上水の右岸に設けられた遊歩道を歩くと見事に黄色く色づいたイチョウの葉に太陽が当たり美しい。名もない祠にも手を合わせて先を急ぐ。
コンクリートの上に石製の境界を表す標識、しゃがんで彫られた字を読むが、『水道○用地』と読めるが、○の部分がよく見えない。
さらに『上水植物園』と大きな石に刻み込まれている。これはそばにある1000年以上の歴史を持つ長徳寺による色々な花の咲く自然植物園であり、四季それぞれに楽しむことができるようになっている。
この辺りから武蔵野らしい風景が続き、つぎの新堀橋は新東京百景にも選ばれた橋であり、その袂には紅葉が美しく色づいていたのが印象的であった。
この辺りの玉川上水はゆっくりと水が流れている。護岸も土で作られていて川底が見えるほど透明度は高い。時々ハッとするような紅葉をみることができる。
西側にはやや高いところに小さな社、そばによると『金比羅大権現』と書かれていた。由緒は不明だが、石塔には享和3年(1803年)の銘がある。(以下、次回)