毎年行っている世界報道写真展に足を運ぶ。もう19回目を数え、日本の報道では出てこない真実を知ることができる貴重な機会と捉えて毎年行くことにしている。ただ、申し訳ないが、新聞の販売店から切符は頂いているのではあるが。
場所は恵比寿の東京都写真美術館、梅雨明け間近の鬱陶しい気候の中、お客さんは少ないだろうと思ったら大間違い、混雑をしている。しかも、若い人が多いのである。
今年の大賞はアメリカ人のジョン・ムーアというカメラマンがアメリカ・テキサス州で撮影したホンジュラスから来た女性を国境監視員が取り調べをしている際の泣き叫ぶヤネラという女の子の写真。トランプ政権の厳しい国境政策に一石を投じる作品である。
他にはシリアの毒ガス攻撃に負傷する子供達やアフガニスタンのカブールで救急車が自爆し、103人が死亡した事件、メキシコの行方不明者の家、イエメンの封鎖により酸素を失って亡くなる心臓病の子どもなど凄惨な写真が目を引く。
しかし、私が驚いたのはナイジェリア南部のヨルバ人の間では双子の出生率が高く、双子の街と呼ばれる『イグボ=オーラ』はほぼ全ての家に一組以上双子がいるという写真、我が孫も双子のため、不思議な気分になる。
他にもキュラソー島でベニイロフラミンゴの人との共存や滅多に写真撮影できない羽を広げるツノクラゲの姿など自然の姿に目を惹くものもあった。
また、スポーツの部単写真2位に日本の大坂なおみ選手の全豪オープンの写真が選ばれたことは特筆すべきことであった。金色に光る髪を振り乱してサーブを行う瞬間を撮ったものでその力強さには圧倒される。(その写真はありません。スミマセン)
この写真展に足を運ぶと自分が知っていることもそれなりに多いが、全く知らない事実や世界があることを知ることができ、また、改めて認識不足を知る良い機会であると毎回思うのである。