かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(68)――朝日歌壇・俳壇から( 2021年3月28日~4月11日)

2021年04月11日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

地震計もヒトも壊れっ放しなり原発十年寒き三月
       (福島市)青木崇郎  (3/28 馬場あき子選)

震度六、事故炉は無事か燃料棒まだまだ残るプール抱えおれば
       (郡山市)柴崎茂  (3/28 馬場あき子選)

原爆に父母を失い米兵の妻とし生きて今日逝きし友
       (アメリカ)ソーラー泰子  (3/28 馬場あき子、佐佐木幸綱選)

十年が経つ今頃に知らされるベント配管途切れていたこと
       (郡山市)柴崎茂  (3/28 佐佐木幸綱選)

フレコンの脇は通らぬ聖火リレー復興とは何置き去りの町
       (須賀川市)伊東伸也  (3/28 高野公彦選)

福島で生きる覚悟の音生(あ)るる子が開きたるギター教室
       (大和市)澤田睦子  (4/4 馬場あき子、佐佐木幸綱選)

田を植ゑて稲を刈るとふ当たり前の景色はフレコンバッグの彼方
       (福島市)安斎真貴子  (4/4 佐佐木幸綱選)

三十五年経しチェルノブイリの映像に大観覧車錆びて残れり
       (豊明市)山田久子  (4/11 佐佐木幸綱、永田和宏選)

原爆も原発も知る唯一の国に無限に増えゆく汚染水タンク
       (所沢市)南条憲二  (4/11 馬場あき子選)

 

鳥帰る原爆落ちし上空を
       (鹿児島市)青野迦葉  (4/11 長谷川櫂選)

長崎や野焼きの如く焼かれけり
       (長崎市)下道信雄  (4/11 大串章選)

 

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